蔚山現代の守護神が断言…マリノスに「必ず勝てる」。縁の深い2クラブが初対戦、ACL準決勝第1戦を見逃すな【無料記事】
蔚山現代FCが横浜F・マリノス戦に向けて記者会見
蔚山現代FCは4月16日、翌日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦、横浜F・マリノス戦に向けた公式記者会見を行った。
国内リーグの直近2試合で7得点無失点と波に乗る蔚山現代。選手代表として会見に出席した韓国代表GKチョ・ヒョヌは「僕たちは非常に高いところまで登ってくることができたが、それに値する力を持っていると思う。そして、これからさらに良くなっていくだろう」と自信たっぷりの様子だった。
もしマリノスに勝てば、AFCクラブランキングのポイントでライバルの全北現代モータースを抜き、2025年のFIFAクラブワールドカップ出場権獲得が決まる。韓国国内では世界の舞台まであと1勝に迫っていることが注目されているようだが、チョ・ヒョヌは「皆さんそういうことを考えると思うが、まずは1試合1試合ベストを尽くすことが大事」と質問者をたしなめて、さらに続けた。
「クラブワールドカップのことは一旦置いておいて、ピッチに立ったら勝つためにベストを尽くすだけだ。ベストを尽くせばポジティブな結果がついてくるだろうし、明日は必ず勝てると思う」(チョ・ヒョヌ)
ホン・ミョンボ監督「プライドをかけて試合に臨む」
かつてJリーグでも活躍したホン・ミョンボ監督も、力強い意気込みを語っている。記者会見の冒頭では、マリノス戦に向けて「マリノスは素晴らしいチームで、非常に強い相手になる。いい準備をしなければならない。準決勝まで来たので、我々のプライドをかけ、競争力を持って試合に臨みたい」と気を引き締めていた。
ただ、この会見における話題の中心は目の前の試合ではなかった。17日に行われる試合では、蔚山現代とマリノスの両クラブに在籍経験があり、2021年に膵臓がんのため亡くなったユ・サンチョルさんを追悼する「メモリアルイベント」が開催される。
会場では両クラブがコラボレーションした追悼グッズが販売されるほか、試合前には大型ビジョンでユ・サンチョルさんの功績を称える映像が流される予定。試合が始まってからは、現役時代の背番号「6」にちなんで6分にユ・サンチョルさんへのコールと拍手が送られる。
記者から今回のメモリアルイベントについてコメントを求められたホン・ミョンボ監督は「試合は試合なので、我々はまず結果を出すことに全力を尽くさなければならない」と述べつつ、大一番で手を取り合った両クラブへの感謝を述べた。
「ユ・サンチョルさんは蔚山とマリノスの両方でプレーした方で、今回のイベントはとても美しいものになると思う。ピッチ外で協力した蔚山、マリノスの両クラブに感謝したい。スタジアムにはいつもユ・サンチョルさんの写真が飾ってある。彼が蔚山からマリノスに向かう時、そしてマリノスから蔚山に戻った時は、選手としてベストな時期ではなかったかもしれないが、マリノスと蔚山という2つのクラブに与えた影響はほぼ同じレベルで、両クラブ共に彼についていい思い出を持っているのではないだろうか」(ホン・ミョンボ監督)
蔚山現代とマリノスは初対戦。両者には深い縁が
アジアの舞台で初めて対戦することになる蔚山現代とマリノスには、ユ・サンチョルさんの他にも多くのつながりがある。2018シーズンにマリノスでプレーした元韓国代表のユン・イルロクは、現在蔚山現代に所属している。また、蔚山現代の池田誠剛フィジカルコーチは1997年から2007年にかけて、約10年にわたってマリノスで同職を務めた。
一方、マリノスでは蔚山現代の下部組織で育ったナム・テヒが活躍中。今季からマリノスに就任した津越智雄フィジカルコーチは、2016年から2020年にかけて蔚山現代でフィジカルコーチを務め、2020年はACL制覇を経験している。そして、天野純は2022年にマリノスからの期限付き移籍で蔚山現代に所属し、17年ぶりのKリーグ優勝に大きく貢献した。
蔚山現代には他にもJリーグにゆかりのある選手が数多く在籍している。元日本代表の江坂任や、サガン鳥栖で活躍したキム・ミヌ、ガンバ大阪やFC東京などでプレーしたキム・ヨングォン、そしてサンフレッチェ広島や清水エスパルス、鹿島アントラーズなど多くのクラブを渡り歩いたファン・ソッコといった経験豊富な実力者たちがマリノスに立ちはだかる。
東アジアNo.1を決める“180分間”の前半、ACL準決勝第1戦は4月17日の19時キックオフ予定だ。日本からは500〜600人のファン・サポーターが蔚山文珠フットボールスタジアムに駆けつける見込み。なお、試合はDAZNにてライブ配信される。