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さくら先生、ありがとう|午後の紅茶✕note「紅茶のある風景コンテスト」準グランプリ受賞に寄せて

note×午後の紅茶「紅茶のある風景コンテスト」にて、エッセイ「イギリス紅茶実習」が準グランプリを受賞しました!わー!パチパチパチパチパチパチパンチ!本当にありがとうございます!!!

賞を頂戴した時はただただ衝撃とびっくりでいっぱいで、「なんで、私が準グランプリに!?」(四谷学院の広告風)という気持ちでいっぱいでしたが、暫くしてから喜びがこみ上げてきました。シンプルに「やったーーー!!」とか「よっしゃ!!」とか言って喜びを噛み締めました。

考えてみれば、何かで賞をもらうのは小学一年生の時にお習字で「大」と書いて市の何らかの賞に入選して以来です。その時の記憶はもはやゼロに等しいので、人生初受賞と言っても過言ではなく、自分のやったことで何かを勝ち取るってこんな感覚なんだ…!と齢三十にして初感覚を味わわせていただきました。

このエッセイは、自分が信じる「しょうもなくて笑えるエッセイ」をやろう!と決意して、何日も何度も推敲を重ねて書き上げました。

私の中で「エッセイ」といえばさくらももこ先生の書く作品群です。マンガも大好きですが、エッセイも秀逸なのは衆目の一致するところだと思います。私が人生で初めて読んだエッセイはさくら先生の作品で、子供時代に「文章を読んで狂ったように笑い転ぶ」という貴重な体験をさせていただきました。本当に抜群にくだらなくて、しょうもなくて、哀愁たっぷりで、笑いが止まらない、素晴らしいエッセイの数々。笑いすぎて半泣きでページを夢中でめくった、あの頃の輝きと衝撃は今も忘れることができません。

小学校の頃の私の夢は「歌手になりたいけど無理やったらさくらももこのエッセイ版になって印税生活を送る」というものでした。印税を意識している可愛げの無さもさることながら、さくら先生の立ち位置が二番手なのは大人になった今思うと完全に失礼千万です。しかし子供心に私がそう思えたのは、さくら先生の「清水」感や親しみやすさがあったからで、会ったことはなくとも、先生は私の中でずっと「心の師匠」でした。小学校の卒業文集にも、さくら先生に影響を受けまくりの、しょうもなさ全開のエッセイを書きました。今ひとつ子供らしさに欠ける長文で、担任の先生には苦笑いされたけど、一部の大人たちには好評で、私はちびまる子ちゃんのように「ニヤリ」と笑ってみせたのでした。

今年の夏、さくら先生の訃報がありました。これまでずっと我が心の師、我がおもしろの師として親しみを覚えていた先生の存在がなくなってしまい、私の中で大切な何かがひとつ終わってしまったような感覚がしていました。さくら先生についても、いつか文章にしようと思っていたけど、できぬまま、夏が過ぎ、秋が来て。そんな時期に、「紅茶のある風景」コンテストが開催されました。

エッセイにも書いた通り、誇張抜きに私は本当に紅茶が好きで、紅茶について書けるコンテストだなんて、またとない機会だと思いました。書くならやっぱり、イギリスで紅茶に出会った時のことを書きたい。ということはエッセイだ。オシャレっぽく書くのか、賢そうな感じで書くのか、いろいろ考えましたが、やっぱり私の中でのエッセイの王道はさくらももこ先生であり、「しょうもなくて笑えるエッセイ」が書きたい!自分の書きたい方向性はやっぱりここにある!と思いました。

親しみやすい文章で、イギリスの紅茶の親しみやすさを、日本にも親しみやすく。こうして自分の中のしょうもない文章への情熱に向き合った結果、受賞作「イギリス紅茶実習」を書き上げることができました。審査員の方々の選評では、作中に登場する「雑ミルクティー」を試していただけたとのことで、イギリスでの個人的な想い出や大好きな紅茶への愛が、文章の上で輝き、笑いに変わり、多くの人に届いたこと、そして愛していただけたこと、心から嬉しく思っています。

「#紅茶のある風景」コンテスト企画を通して、自分の文章への情熱や、そもそものスタイルなど、さまざまなことに向き合うことができました。貴重な機会と、素晴らしい賞を与えていただき、審査員の皆様、読者の皆様、スタッフの皆様に、心より御礼申し上げます。これからも、読む人がフフッと笑っちゃうような、ホワッと楽しくなっちゃうような、そんな文章を書いていきたいです。私は本当に「笑い」というものが好きで、自分が作り出した文章で一人でも多くの人が笑ってくれたら、本当にこんなに嬉しいことはないな、と、今も目頭が熱くなってしまいました。ありがとうございました。

ほんま、おおきに!!


■「紅茶のある風景コンテスト」
準グランプリ受賞作「イギリス紅茶実習」


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