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組織って、悪気なく凝り固まっちゃうものなんだろうねぇ、というお話

このnoteを書いているのは2月22日、そう「ネコの日」です。

で、ネコの日に何故、組織のネタをnoteで書こうと思ったの?というと、仲山がくちょが書いたコチラの本、「組織のネコ」が頭の中に浮かんできて、今日書くべきネタはこれでしょ!と思ったから。。。

組織の中で生きづらいなぁ〜と思う人は是非とも一回読んでほしい本です。ただ、読んだからと言って、事態は改善しませんwww
事態は改善しないけど、自分の中で「あぁ、こういう考え方があるか!」と新たな発見があると思うので、気持ちだけは楽になります。(その後のアクションをどうするか?は読者次第!)


ちょっと無理やり感のある組織の話ですが、本日のネタはこれで書いていこうと思います。

まず、組織ってなんでしょうね?広辞苑で調べるとこんな感じでした。

①組み立てること。組み合わせて一つのまとまりを作ること。
②織物で緯よこ糸と経たて糸とを組み合わせること。
③〔生〕(tissue)ほぼ同形・同大で、働きも似通った細胞の集団。集まって器官を構成する。動物では結合組織・筋組織・神経組織、植物では柔組織・表皮(組織)などがある。
④(organization)ある目的を達成するために、分化した役割を持つ個人や下位集団から構成される集団。

広辞苑で「組織」を調べた結果

このnoteの文脈で考えると、④が該当しそうですね。
「ある目的を達成するため」という事を考えると、夫婦なんかも「生活をともにしてコストを最小化する」という目的に沿った組織に該当するのかもしれません。

それ以外の項目も見ていると、「組織」という単語からは「特徴の無い個を組合せて、特徴をだす」という抽象化的なイメージが湧いてきます。そう、まさに今回のサムネイルに使ったような「歯車」のイメージですね。

「組織の歯車」というと、個性を無視したマイナスイメージしか浮かんでこないけど、組織を統括する側の感覚だと、個性に頼ることなく安定的に結果をだす。という事で好ましいイメージを持つことでしょう。

だって、組織において個性を発揮されて、「あの人しかできない」みたいな感じになったら、まさに属人化ですよ。もし、その主要メンバーが組織から抜けちゃったら、事業存続できなくなるのですもの。そりゃ、組織運営側の目線で見れば、できる限り「代替可能な人員」で動かしたいですよね〜。

(あ、夫婦の場合は別ですよ。代替可能な配偶者なんて、、、そんな機械的な結婚生活の話はしませんからね。あくまで会社の話とします。苦笑)

組織をどのように運用したいのか?は「組織の中にいる人」の意思ではなく、「組織を運用する人」によるのだと感じます。つまり、会社であれば経営者がどういう組織を構築し、どういう顧客に価値を提供し、対価としての利益を得るか?を考えるのであって、そこには労働者側の意思は介在しないでしょう。

なんかディストピア感が満載な感じがしますが、現代社会では労働者側が無理して好みではない会社に所属する必要はないので、気軽に転職すれば良いですし、それが認められています。
労働者側は「求められる歯車像」にマッチしているなぁ〜と感じる組織に勤めればよいし、歯車が嫌であれば、起業すればよい。まさに「オプションフリー」なわけですよ。(少なくても現代の日本においては、、、)

このあたりの文脈は、私が大好きなデービッド・アトキンソンさんが良くメディアなどでも話してますね。


個人の側は「歯車」としてマッチした所で就業したほうが良い。だから転職なり起業で自分の居場所を作り出せばよい。でも、経営的目線でいけばどうでしょうか?

おそらく、目的にあった歯車になるように教育し、そして壊れにくい歯車を選別し、合わない歯車は外していく、、、そうこうしていくうちに、歯車同士のかみ合わせもスムーズになり、どんどん効率的に目的達成が出来るようになることでしょう。

こうやって「歯車同士の連携強化」を重ねていけば、無駄な動きも少なくなり、非常に効率的で、無駄のない、美しい組織が出来上がり、経営者も顧客も働く労働者も皆ハッピー!という世界が構築できると思います。

ここまで聞くと、組織の歯車化は良さげな感じがするんですが、実際の人類史における組織のあり様はどうでしょうか?

残念ながら、組織を取り巻く環境は日々変化しており、いつまでも外部環境が一緒、なんてことはありません。
近頃の話題でいけば、生成AI、ちょっと前ならDXなんかですよ。更に歴史を遡れば、産業革命や黒船襲来、はたまたゲルマン民族大移動なんかも組織や国家に対して外部から与えられた変化になります。

このように、外部環境が変化したときに、完璧なまでに回っていた歯車はどうなるでしょうか?

今までが完璧に噛み合って動作していた分、外部環境の変化に合わせて歯車の付替えをしようとすると、逆に他の歯車とのかみ合わせが悪くなり、最悪動かなくなってしまう。
なので、歯車の変更も経路の変更もできずに、結局、外部環境に対して「その場しのぎ」の対応しかできなくなってしまうことでしょう。

この完璧なまでに構築された仕組みが、かえって変化対応力を損なう事態になってしまう、という流れを「経路依存性のワナ」と言っているようです。


つまり、組織って、何も無い平時のときは最高のパフォーマンスを出すようになっており、意識しないで組織作りをすると、外部環境に弱い組織になっちゃうと思うんです。

これって、組織だけでなくルールなんかも同じなんでしょうね。
例えば、昨年話題となったニュースとしては、役所の公式文書の保存方法に「フロッピーディスク」が削除されたとか、、、

これも、この時代のスナップショット(その瞬間を切り取ったもの。時間軸は考慮しない)としては大事な文言だったのかもしれないけど、時代の移り変わりとともルール自体の見直しが必要だった事例だといえるでしょう。

これは、組織づくりにも言えるのではないでしょうか?

どうしても人間は「現段階における最適化」を考えちゃう。だから、現段階における最高の人材≒歯車、最高の歯車同士の組合せ、最高のパワーバランスなんかを求めて組織を作り始める。

でも、世の中は変わっていく。外部環境は変わるのに、内部環境は「その時の最強パーティー」で作るので、すぐに時代に合わないものになっていく。。。

これは経営者が悪気をもってやっているのではなく、組織というものがはらんでいる自己矛盾だと思うんですよね。

そう、組織もルールも「時間軸」というものは存在せず、その瞬間が永遠に続くもの、と定義して作られちゃう。でも、我々人間は過去から現在、そして未来に続くような時間軸の連続製の中で生きている。

なので、「時代遅れ」のように見られちゃう世の中にあふれる組織やルールだけど、実際には「その時の最高」を目指して作ろうとしたものなので、時代遅れになろうとしているわけではないんですよね〜。

じつは、このあたりの話は元々監査法人でパートナーをしていた「てりたまさん」とリアルでお会いして意見交換したことがあるのです。

監査って、どうしても堅苦しく感じてルールに守らせることが絶対主義!みたいな感じを受けちゃうかもしれないけど、実際には「企業の永続性」を担保するための仕組みなんで、放っておくと硬直化してしまう思想を変えていくために外部監査はあるべきなんじゃないか?という話をしていました。

ただ、残念ながら現在の監査ルールって欧米から輸入されたもの。ジョブ型雇用に特化し、どちらかというと性悪説を元になっているので、「監査」が上から目線になりがち、でも、日本はメンバーシップ型雇用が多く、サボることを前提ではなく、真面目にやる労働者が多くてミスマッチらしいんですよね、、、

逆に真面目な日本企業、日本人労働者を欧米型の監査で縛り上げようとすると、無意識に「現行踏襲」になってしまい、ますます、「組織やルールの固着化」を招いちゃうそうなんです。(T_T)

だからこそ、てりたまさんは「固着化させないための外部監査が必要ではないか?」という事で情報発信などの活動を行っているそうです。


なかなか難しいのは、この「凝り固まっている」っている状態って、自らはわかりにくいんですよね。体のコリなんかも整体とか行かないとわからないでしょ?(整体で「めちゃめちゃ肩が凝り固まってますよ!」とか言われた経験ありません?私はしょっちゅうです。)

だからこそ、外部監査のような仕組みで常に「外の視線」を取り入れることも重要ですが、もう一つ「自ら外に飛び出して外の視点を知る」という事も重要じゃないか?と私は思うんです。
そう、いわゆる「越境学習」です。

整体師に体がほぐしてもらうのが、外部監査による査察だとしたら、フィットネスジムやヨガなどで自ら体をほぐしていくのが、経営者もしくは幹部候補生が自ら外に出て、越境学習することに該当するのではないでしょうか?

自分の身体と同様。放っておくと凝り固まるのは組織も一緒。専門の人に外から指摘してもらって体質改善する事も大事ですが、セルフチェックをしつつ、日々の体質改善も図りたいところですね。

(正直、日々の体質改善していたほうが健康維持のコストは安くつきますよ。まじでwww)

と、いうことでビジネスパーソンに向いている越境学習をちょこっと宣伝しておきます。

これを読んでいる貴方と、どこかの越境先で意見交換してみたいです。
そんじゃ、またね〜。

エブリバディ越境!

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