6月の終わり

予定を埋めていく
細い筆跡に
緑は追いつき
離れる
つたは
光をその顔に落とし
片目を瞑り

私は思い出している

使わない言葉
金でできた花弁と
紙できた建築
あなたを笑わせる
頭から水浸しになる
温かい飲み物をください
窓から星が見える頃に

今、顔に当たる風は

冷たいけれど
手は暖かい
その目に
獣が狩られる 炎を飲み込みながら 青い空に降る雨 全ての言葉を串刺しにする極彩色の黒

それを見てもなお変わらず抱きしめる

夜を呼ぶ言葉は失われ 代わりとなる緑の風

瞬きするたびに蝶が海を渡る

朝、伸ばした指の先は霧に包まれ

大きな船の影が隣をすり抜けていく










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