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アイデアは「分解」と「強制」の2ステップで量産する

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「ブレストしよう」

何人かで集まり、会話の中で“自由に”アイデアを出す「ブレインストーミング(略してブレスト)」。
実施されている会社、多くあるのではないでしょうか?

この、“自由に” が曲者で、次々とアイデアを着想できる人にとっては楽しい時間ですが、そうではない人にとってはツライ時間だったりします。

今回は、シチュエーションとしては1人で、かつ、短時間で強制的にアイデアを捻り出す方法をお伝えします。

「自由」の逆、あえて強制的に制限をかけることでアイデアは量産できます。ブレスト時にこの方法を使えば、アイデアが出なくて焦ることはなくなるはずです。たぶん。
(アイデアの評価はこの段階ではしないですよ。念のため)

STEP1:「6W3H」に分解しよう

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「すべての道は5W1Hに通じる」と言っても過言ではないほど、無意識に分解する癖をつけておきたいのが「5W1Hフレームワーク」。

この「5W1H」に、「Whom(誰に)」「How much(いくら)」「How many(どのくらい)」を加えた「6W3H」に、テーマを分解しましょう。

▼ 5W1H
When:いつ

 時間、日時、期限、プロセス、頻度、順番、タイミング
Where:どこで
 場所、位置、場面、販売チャネル
Who:だれが
 自社、自部門、その他利害関係者
What:なにを
 商品・サービスの内容、価値、コンセプト
Why:なぜ
 目的、背景、理由
How:どのように
 手段、ビジネスモデル

  + (に加えて)

Whom:だれに
 既存顧客、新規顧客(潜在/顕在)、競合、パートナー
How much:いくら
 販売価格、各種費用、経費
How many:どのくらい
 数量、生産数、販売数

なぜ最初にこのステップが最初に必要かと言うと、

今から紹介する2つの「強制連想法」はキーワードにより連想的にアイデアを思いつく方法なんです。

「何か」を逆転させたり、入れ替えたりを行うのですが、その「何か」の要素が「6W3H」なのです。

※ちなみに...
1W2Hを加えている理由は、Whoだけだと「誰が」が視点が抜けてしまう、「How」は言葉のカバー範囲が広いため、より具体的にするために「How much」「How many」を加えてます。

料理でいうところの下ごしらえだと思って、機械的にやるのがコツです。

たとえば「User EATS」だったら、「○○○(ご自身のテーマ)」だったらどのように分解できるか、考えてみましょう。

6W3Hシート(記入用)スライド4

STEP2:「オズボーンのチェックリスト」と「SCAMPER」で強制キーワード連想する

①オズボーンのチェックリストスライド5

「オズボーンのチェックリスト」は、アレックス・オズボーン氏(世界的な広告会社BBDO設立メンバー)が冒頭の「ブレインストーミング」とともに開発した創造的思考法です。有名ですね。

以下の9つのキーワードをヒントに強制的に連想を起こします。

1、転用
  ・そのままで新しい使い方はないか?
  ・他の分野での使い道はないか?
  ・改良、改善できないか?
  ・一部分的を修正してみてはどうか?
2.応用
  ・他からアイデアから持ってこれないか?
  ・何かお手本にできるものはないか?
  ・似た商品のアイデアを使えないか?
  ・過去に似たものはなかったか?
3.変更
  ・見た目や色を変えられないか?
  ・意味を変えられないか?
  ・場所を変えられないか?
  ・売り方を変えられないか?
4.拡大
  ・大きくしてみてはどうか?
  ・範囲・地域を広げられないか?
  ・長くしてみてはどうか?
  ・何か足すことはできないか?
5.縮小
  ・小さくできないか?
  ・何かを減らすことはできないか?
  ・範囲・地域を小さくできないか?
  ・低く/少なく/短く/軽くできないか?
6.代用
  ・他のモノで代用できないか?
  ・他の人で代用できないか?
  ・他の素材で代用できないか?
  ・他の手法、場所で置き換えられないか?
7.置換
  ・配置/配色を入れ替えられないか?
  ・順番を入れ替えられないか?
  ・原因と結果を入れ替えられないか?
8.逆転
  ・順番を逆転させてみてはどうか?
  ・左右を逆転させてみてはどうか?
  ・役割を逆転させてみてはどうか?
9.結合
  ・他の何かと組み合わせられないか?
  ・すべてを1つにまとめられないか?
  ・一括りのセットにできないか?
  ・目的の違うのものを組み合わせられないか?

「6W3H」に分解したテーマを、オズボーンのチェックリストを使って強制発想させましょう。

①オズボーンのチェックリスト(記入用)
スライド6

②SCAMPERスライド7

「SCAMPER」は、オズボーンのチェックリストを1971年にボブ・エバールが改良したものです。
英語の「SCAMPER」は、(ふざけてまたは急いで)走る・動く、という意味なので、発想が湧き出すことをイメージした語呂合わせなのでしょう。

「オズボーンのチェックリスト」と、似ているキーワードも多いですが、アイデアを出す事が目的ですので、こちらも併せて活用し、連想を試みてください。

Substitute:代用する
 ・他の物で代用できないか?
 ・代わりに何かを使うことができないか?
 ・代わりにどんな過程が考えられるか?
 ・他の誰か/グループを使うことができないか?
Combine:組み合わせる
 ・別の何かと組み合わせることができないか?
 ・別の何かと混ぜることができないか?
 ・別の目的と組み合わせることができないか?
 ・別の素材と組み合わせることができないか?
Adapt:適応させる
 ・他にどのような使い方ができるか?
 ・他に似たようなものはないか?
 ・過去に似た状況はなかったか?
Modify:修正する
 ・大きさ/重さ/高さ/長さ/強さ/頻度を変えられないか?
 ・意味/価値を変えられないか?
 ・色/形/動作/音声を変えられないか?
 ・他の機能を加えることができないか?
 ・何かを増やす/減らすことができないか?
Put to other uses:その他の使い方
 ・そのままで他の使い方はないか?
 ・一部を変えることで新しい使い方が生まれないか?
 ・別の業界や市場で受け入れられないか?
 ・別のユーザーに使わせるとどうか?
Eliminate:取り除く
 ・何かを取り除くことができないか?
 ・何かを簡素化/省略化することができないか?
 ・何か犠牲にできるものはないか?
Rearrange:再調整する
 ・パターン/配置を変えることができないか?
 ・何かと交換できないか?
 ・何かと(再)結合することができないか?
 ・上下/内外/原因と結果を逆にできないか?

②SCAMPER
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まとめ

アイデアが複数出なくて困っている、ブレインストーミング時に焦るという人は、この2ステップで事前に保険を作ってみてはいかがでしょうか。

慣れてくると、既存の改善・改良から逆転の発想まで、目的に応じて脳内で強制連想できるようになるかと思います。

参考になれば嬉しいです。

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