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【6日目】Howの話【北海道ペアツーリング】

行程


11:00 ホテル発
11:30 六花亭
13:00 日勝峠
16:00道の駅 夕張メロード
16:30 牛小屋のアイス
20:00 小樽着
23:30 小樽フェリーターミナル発

最終日だった。昨日に引き続き朝はゆっくりの出発にした。窓からは日光が差し込んでいて、北海道に来てから一番の天候だったように思う。1日を通じて青空が見え、風も少なく、気温も低すぎなかった。

ホテルを出ると、まず六花亭に向かった。詳細は全くよくわからないが、有名なお菓子の店らしい。有名なバターサンドをお土産に買いつつ、有名なサクサクパイと、プリン入りのシュークリームと、イチゴのショートケーキを食べた。コーヒーもおかわりし放題で、マジで最高の朝ごはんになった。

六花亭を出ると小樽までの最短距離を走った。市街地を抜けるか抜けないかあたりから、奥に雪山がずっと見えていて、それが日勝峠だった。実は3年前にもこの峠を通ったことがあるが、その時は霧がとにかく濃くて、一寸先は闇状態、トラックとかもめちゃくちゃ通る中ずっとハザードを焚いて道の端っこをゆっくり走った。今回はというとこれ以上ない良い天気だった。そして知らなかったが、絶景ロードだった。雪が適度に残り、十勝平野を見下ろし、傾斜も急すぎず(それでもカブにはしんどいが)、とても気持ちの良い道であった。唯一、路面がボコボコだったのが残念ポイントではある。


奥に雪山が見える


その後は、道の駅「夕張メロード」に寄りつつ、「牛小屋のアイス」に向かった。3年前に偶然見つけた、とにかくおいしいアイスが食べられる牧場併設のお店だ。3種類のアイスが選べる。売り切れも多かったが、「ミルク」「ほっと一息(コーヒーショコラ味)」「栄光の可能性(狩野英孝プロデュース、レモンカルピスっぽい味)」を食べた。どれもめちゃくちゃ美味しかったが、特にミルクとショコラが好きで、やはり自分はとにかく甘いものが好きなんだなと思った。

その後は、小樽まで約2時間、ひたすら寒い中をラストランした。今日はここで考えてたことを言語化してみる。先日した「Whatの話」ではなく、「Howの話」だ。バイク旅は楽しいことばかりではなく、おしりが痛かったり、寒かったり、テントから浸水したり、カラスに食べ物を奪われたり、バイクが倒れたり、しんどいこともたくさんある。そんな時でも気丈に振舞ってくれる相方の存在に救われることが多かった。旅系のコンテンツで以前聞いた言葉で、「今までで行って一番良かった場所なんてのは無くて、結局自分がどう楽しむかが重要だ」みたいな趣旨のやつが好きだ。海外旅行をして、お金を盗まれたとか、嘘をつかれたとか、外部のことあるいはコントロールできないことに対して腹を立てたり文句を言ったりして、自分の心を閉ざしてしまうのは簡単だが、自分の心をオープンにして、楽しみたいというマインドセットでさえいればどんな場所でもどんな環境でも自分次第で最高だという話だった。これは今になって腹落ちしていて、とにかく楽しもうという気持ちを持ち続けた今回の旅はどこもとても楽しい場所だったし、行ってよかったと思っている。

強風
気合い

似たような思いを部活でも持ち続けていた。僕は小中高大と全てスポーツをやり続けてきたが、小中にはいい思い出がほとんどない。僕にとってスポーツとは、監督に怒鳴られないように、出来る限り目立たずに、出来る限り言われた通りに、体を動かすものだった。雨が降るとオフになるため、めちゃくちゃ嬉しかった(この影響か、今でも雨が大好きで心が落ち着く)。当然、大した上達もなく、部活前は憂鬱で仕方が無かったし、練習中はなるべく列の後ろに並んで、何度も靴ひもを結びなおして、時間がたつのをひたすら待ち続けていた。高校2年生の途中くらいまでそれを引きずって、部活のことを思うと昼食のお弁当が喉を通らない時期が続いていたし、部活が嫌だからという理由で学校に行かないこともあった。

雨はいい天気に決まってる

転機が訪れたのは高2の途中、国語かなんかの教科書か、模試かなんかで、「人は楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」という文章を読んだ時だ。たしかにな。と思った。同時に、毎日否が応でも訪れる部活の時間を嫌々過ごしているのは人生の損失じゃないかと思った。それ以来、辛い気持ちになりながらも、「部活楽しい」「ラグビー楽しい」と虚勢を張り、あたかも楽しんでいるかのように振舞うことにした。すると(もちろん簡単には行かなかったが)、徐々に主体的に部活に取り組めるようになっていった。ちょっとずつ列の先頭に並べるようになったり、強い先輩と同じ組に入れるようになったりして、初めて「上手くなりたい」という気持ちが芽生えたような気もする。

「上手くなりたい」という気持ち(=What)が芽生えると、言われるがままに練習するだけでなく、少しずつ自分の意図を持って練習(=How)に取り組めるようになっていた。「言われたから怒られないようにやる」ではなく、まず、「何でこの練習をするのか?」「この練習でどう上手くなれるのか?」を考えるようになった。それまで嫌で嫌で仕方が無かった監督からの怒号が、自分の意図を持った行動に対する的確なフィードバックに変化し、上達のための手段の一つになっていった。

最初から明確なWhatを見つけたり、Whatに向かうことは難しい。それでも、まずは「楽しむ」というWhatがあたかもあるようなフリをすることで、それが本当になっていって、自分なりの道が見つかっていくのではないかと思う。それにしても、今回の旅は本当に楽しかった!

小樽はほとんどの飲食店が19:30に閉まるらしい。夕食難民になってしまったので、駅前のローソンのイートインで晩御飯を食べた。初日に食べた一幻の味が忘れられなかったので、一幻のカップラーメンと、豚の角煮を買って食べた。ほぼほぼジャンキーなものしか食べていないが旅中に食べる飯は何を食っても美味い。フェリーの中で食べる食材を買い込んで(また一幻を買ってしまった!)小樽フェリーターミナルに向かう。道中、有名な運河が見られて綺麗だった。名残惜しい気持ちがありつつ、また京都に戻ったら頑張ろうとか思いつつ、フェリーに乗った。いつも通り風呂ダッシュをキメて、北海道限定のコーラで乾杯して、12時過ぎには眠りについた。

フェリーに乗るとき

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