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介護は暗いことばかりではない。

ある晩のこと、義母が23時になっても寝なく、「あーーー」「あ”、あ”、あ”ーーー」とご近所迷惑になるくらいの声量で何かを訴えかけているのですが、私たちには理解ができず。とりあえず、窓を閉めました。

トイレかな?と思い、トイレに連れて行ったのですが、まだ「あーーー」「ああーーーーーーーーー」と叫んでおり、ぜんぜん寝てくれませんでした。

そこで、義父が「そうか、今日はデイサービスも行ってないし、外へ出てないから疲れていないんだな。だから眠れないんでしょ。よし!筋トレをはじめよう!」と言い出したのです。
理学療法士さんとやっているリハビリで、手すりにつかまりながらスクワット、片足ずつあげる運動を始めました。深夜12時のことです。
義父の発想に思わずみんな笑ってしまいました。

ベットから義母を起き上がらせ、
「いーーち、にーーー、さーーーん」と義父の掛け声でスクワットが始まりました。
15回目くらいで義母が鼻をかき動きが止まりました。
すかさず義父が「さぼっちゃだめだよー、ほらやるんだよ。」とスパルタです(笑)
そのことには義母もさすがに笑って反応。「ハハハハハ」と。
義母の笑い声にみんな笑います。

一通り終わり、さすがに疲れただろうと、ベットに寝かせました。
そうすると休む暇もなく、また「あーーーーーー」「あ”あ”あ”ーーーー」が始まりました。
すかさず義父は「よーし!まだ足りなかったんだな。スクワットしよう!」
義母は、「ハハハハ」と笑います。
またスクワットがはじまり、義母さぼる、義父やらせるのループが続きます。この繰り返しをみていて、微笑ましく思い、義父の義母への愛を感じました。

そして、やっと就寝されたのが午前1時半。
みんなクタクタでしたが、義父のポジティブで献身的な介護をみて、私はこの家の嫁にきて良かったと思う出来事でした。

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