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何故あなたの部下は育たないのか?


 皆さん、こんにちは。ね? 簡単でしょ? 木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 はい。このフレーズはTV番組「ボブの絵画教室」で有名なアフロヘアー画家、ボブ・ロス氏の口癖ですね。
 あまりにもインパクトのある髪の毛が印象的過ぎたボブの所為で、ワタクシ、


 ボブカットって、
 アフロヘアーの
 事かと勘違いする
 寸前でしたよ。



 (´・Д・)」 まあ、嘘なんですけどね。

 まあ、このボブ・ロス氏はTV番組を持つぐらいに技術の高い画家であり、その技術を惜しげもなく披露・解説・実践してくれる訳なのですが、こともなげに、


 (^_^) ね? 簡単でしょ?


 って、


 (´°皿°)」 んな訳あるか!!


 と言うぐらいの超絶技巧を伝授してくれます。
 教えてるのは知識も経験も技術もある人間ですから、平然と出来ることであろうと、視聴者が簡単に真似られる訳がありません。
 実際、ボブ・ロス氏の技術解説はコレ以上ないぐらいにわかりやすい。技術の解説も、解説の技術も凄いのである。しかも、動画でそれを見せてくれますから、その通りにやれば再現は可能なはず、、、
 しかしそれは、


 同じレシピを見たら、
 同じ料理が作れるはず。


 ってぐらいの暴論なのである。無理なのである。
 わかりやすい話をしよう。



 紙に鉛筆で綺麗に真っ直ぐな線を引きましょう。


 (´・Д・)」 フリーハンドでね?


 って言われて、本当に真っ直ぐ描ける奴なんざ1,000人に1人以下なのである。
 挑戦するのは何でもいい。

 シャツを服屋の店頭へ飾るが如く、綺麗に畳んでください。

 って畳み方の手順とコツを教えられた所で、熟練のプロが畳むように、シワもなく、ズレもなく、キチンとピンと畳める訳がないのだ。
 そりゃ当然だろう。


 だって経験が、
 ないんだもの。


 まあ、ボブ・ロス氏の技術解説は相当にわかりやすく、再現性も高いのでそれにケチを付けるつもりはないし、ワタクシが言いたいのはボブ・ロス氏に対してではない。
 世に跋扈する、


 「こんなの簡単だろ?
 1回やったら、すぐ出来る」

 とか言い出す上司


 に対してである。


 あんたは出来たかも知れないが、部下、特に新人が同じように出来るとは限らないのだ。
 現在「できてる人」や、過去に「できていた人」が陥りがちだが、


 自分ができる事は
 他人もできると言う
 勘違いを止めて頂きたい。


 あのね? ボブ・ロス氏のようなプロ中のプロが明晰に解説しても再現できないのよ?
 あんたのいい加減なレクチャーで、部下が出来るようになると思わないでいただきたい。せめて「ボブの絵画教室」を観て、技術解説とはかくあるべしってプロセスを学んでいただきたい。

 そもそも、あんたがたは記憶を改竄して、出来るようになるまで掛かった時間を消してたりしませんか? ホントに1日で、1回で出来た? 2回目から自信を持って行動できた? たぶん、出来てなかったと思うよ?

 ハッキリ言うけど、当然の事ながら出来てなかった人間の方が多い筈である。

 うん。もっとハッキリ言うけど、


 オメーは今でも
 出来てないだろ。


 って人が、かなりの割合で存在している。
 いや、言うまい。そこは美化された記憶に溺れててくれていい。きっと出来た。素晴らしく出来たし、今も出来てることにしよう。だが、例えそうだとしても、


 良い選手は
 良いコーチになれない。


 って言葉があるように、それが当たり前のように「出来る人」ってのは、「出来ない人の気持ちがわからない」のである。
 かの長嶋茂雄は、バッティングに関して、


 「スーッと来た球をガーンと打つ」


 という何の参考にもならないコーチングをした。これで理解できるのは「感覚型」の「天才」ぐらいのもんだ。感覚型だけでも天才だけでもダメ。
 技術の伝授としては、スタンスやフォーム、シフトウェイトを教えなければならないのである。それを、


 ( ̄∀ ̄) b「俺は1日で出来た」



 (´°皿°)」 知るか。


 オメーが出来たかどうかはどうでもいいんだよ。出来たって言い張るオメーぐらいに新人が動けるようなコーチングをしろよ! って話なのよ。
 んで、オメーさんが言うようにオメーさんが「出来る人」だってんなら、ちゃんと後発が育つコーチングが出来るって所を見せろって話だ。

 人には色んなタイプがある。「やり方さえわかれば、理屈抜きで動けるタイプ」や「自分で理屈を理解しないと動けないタイプ」で大分される。
 また、最初は30点でも着実に点数を上げてくるタイプ、最初から60点は取れるけど伸び代が少ないタイプ、平均値は60だけど点数が乱高下するタイプなど色々ある。
 もっと単純に、褒めて伸びるタイプ、厳しくした方が燃えるタイプの差もある。

 そういった相手の資質を見抜いて、それに適した教育をするのが上司の仕事でしょうに。


 ハッキリ言うけど、部下が育たない原因の半分以上は上司の問題よ?
 「スパルタ教育について来れなかった部下が悪い」じゃねえのよ。スパルタ教育に適した部下かどうかを見極めるのが上司の仕事なんですよ。
 ガンガンやらせて伸びる部下か、ゆっくり確実に育てる部下かを見極めなさいって話なんだわ。


 自分が出来るから
 自分が出来たから


 なんて事ァ (´°皿°)」 どうでもいい。


 部下を使えるように育てるのが上司の仕事だって理解して? な?
 なになに? 使えないハズレの人材をつかまされた?


 うんうん。わかる。そーゆー事もあるよね。うん。わかるよー。


 でもね? 使えない人材を使えるように育てる事こそがデキる上司ってヤツでしょう?
 新鮮な食材が手に入るなら、イタリア料理。それを更に活かしてこそシェフです。イマイチな食材なら、手間暇をかけてでも一級の料理に変えるのがフランス料理ですよ。それがシェフの腕前でしょう。せっかくの良い食材をダメにする料理人の何処が「デキる」んだ? 育てりゃ充分に使える人材を自分の手で摘んでどーすんだ?

 な?




 と、ここまで書いた所で、皆さんはお気付きになられただろうか?

 そう。
 この記事は巨大な矛盾を抱えている。それも2つだ。


 これだけわかりやすく懇切丁寧に説明しても、それを読んだだけで再現できるほど簡単ではないのである。
 コレがひとつめの矛盾。

 そして、もうひとつ。


 
 この記事そのものが、


 (´・∀・)」 俺なら簡単に
 コーチング出来るけどナ?


 という特大ブーメランになっている事である。


 ※ この記事はすべて無料で読めますが、お気に召した方は投げ銭(¥100)をお願いします。
 なお、この先には隠されたもうひとつの矛盾についての説明が書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。