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フリーランスを保護する環境整備~ガイドラインがまとまりました

今回は私が購読している労働関係の雑誌の中に、先日政府の方から「フリーランスの方が安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」と言うのがまとまりました、と言う記事が載っていましたので、それについて簡単に紹介して行きたいと思います。

「簡単に紹介する」と言っても少し小難しい話になりますので、関心のない方は、どうか飛ばしてもらって結構です。

1.フリーランスとは


早速ですが、そもそもこの「フリーランス」と言う言葉の定義ですが、
ココではどう言うふうに定義されているかと言うと、

「フリーランスとは実店舗がなく、雇用する労働者もいない自営業者や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指す」

とされているようですね。

ご存知のようにフリーランスは「労働者」ではないので、私が今まで話してきたような、各種の労働関連法令についても適用されないモノも多いんですね。

2.問題点


一般にフリーランスが仕事を受けて行なう取引については、企業組織である事業者が発注者となる事が多く、そのためにその情報量や交渉力の格差などから、どうしても取引条件が一方的に不利になりやすい、と言った問題点があります。

今までも独占禁止法や、下請法などである程度、守られてはいるんですが、
今回のこの「環境整備にまつわるガイドライン」では、こうした状況を踏まえて、フリーランスと取引を行なう発注者が守るべき事項や、問題となり得る行為類型を明確化して、取引が一方的なモノにならないようにと、注意を呼びかけるモノとなっています。

3.問題となり得る行為

では、具体的にどう言ったモノが「問題となり得る行為」とされているか、と言う事ですが、

○まず一つ目として、「報酬の支払遅延行為」と言うのがあります
正当な理由がないのに、契約で定めた期日に報酬を支払わないといったようなケースですね

○次に、「報酬の減額
同じく正当な理由がないのに、契約で定めた報酬を減額したり、報酬はそのままでも、仕事の内容を変更するなどして、実質的に報酬を減額するようなケースも含む行為

○更には、「やり直しの要請」なども挙げられています
これは役務等の提供を受けた後で、正当な理由なく、やり直しを要請して、フリーランスが今後の取引に与える影響などを懸念して、受け入れざるを得ない状態にするようなケースです

その他にも、一方的に「発注したモノを取り消すこと」や、できあがったモノの「受領を拒否すること」、あるいは「返品する」など、全部で12種類の行為類型を明確化しています。


ようするに、こういった行為を「問題行為」としてガイドラインに設定し、
注意喚起を促すことによって、優先的地位の乱用を防ごうと言うことなんですね。

4.発注者が守るべき事項


また発注者が守るべき事項として、取引の各種条件を明確にした「書面の交付」も求められることになります。
コレを行なわない場合は、下請法上、あるいは独占禁止法上、不適切で義務違反となります。


今後は、これらのガイドラインが守られる事によって、どうしても立場が弱くなりがちな、フリーランスとしての立場が少しでも改善されれば良いですよね。

なお、これらの詳しい内容については、経済産業省のHPにも載っていますし、概要をまとめた簡単なチラシがありましたので、参考までに貼っておきます。
もし関係してくる方がいらっしゃいましたら、一度ご覧になってみて下さい。

https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000759478.pdf


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