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ダウンタウンの松本人志さんに命を救われた話

20代後半の数年間、コロナ後遺症で日常生活もままならない日々が続いた。

ME/CFSという神経の難病で、ほぼ寝たきりでありながらも眠ることは許されないという過酷な日々の中で、唯一の心の支えとなったのが芸人さんの話を聴くことだった。

これまでの人生では出会うことのなかった、芸人さんのラジオや素晴らしい番組にたくさん出会ったが、その中でも、特に繰り返し聞いていたのが「松本人志のすべらない話」であった。

2004年から始まり、シリーズとしては計37回あるそうだが、もう何周聞いたか分からない。内容(オチ)も全て記憶するほど、聞き込んでいた。

なぜ、こんなにも心が救われたのかと考えてみると、
芸人さん(笑いのプロ)が真剣に笑わせに来てくれるあの瞬間だけが、唯一リラックスしてもいいんだと脳に伝えられる手段だったからなのだと思う。

毎晩、毎晩、眠れないと分かりながらもベッドに向かうあの恐怖は今でも忘れることはできないが、その時に一番の味方になってくれたのが他でもなく「すべらない話」だった。

芸人さんの話の内容は日常生活のたわいもないことだったりするのだが、その身近さが自分を安心させてくれていたのだと思う。

また、意味があることばかりに価値があるのではない、というこの世の中の真実も教えてくれた気がする。

だから、松本人志さん、番組に携わった芸人さんやスタッフさんには本当に感謝している。またいつか新しい話が聞けることを期待して結びの言葉としたい。


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