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【インタビュー】入社後4ヶ月で転職、「迷いはなかった」 恩師と働く夢目指す

 「戸惑いや迷いはあまりなかった」と伊藤日実子さん(25)は話す。神戸市外国語大学を卒業後、日系インバウンド旅行会社に就職。その4ヶ月後に転職を決断した。中国への留学経験や作家の毛丹青(まお たんせい)氏との交流などを通じて、「深い部分での人と人の繋がり」に興味を持ち、「日本で中国との繋がりを作れる仕事に就きたい」と思ったからだ。

 現在は、中国向けインバウンド支援事業を手がけるインタセクト・コミュニケーションズ(以下、インタセクト)で、中国向けに日本のプロモーション企画・提案に従事している。社会人1年目の夏に決まった転職は、周囲から驚きの目をよく向けられたと伊藤さんは振り返る。転職の理由や中国留学と仕事の繋がり、毛丹青氏の影響などを聞いた。

ー2019年4月にインバウンド旅行会社に入社後、同年8月にインタセクトへ転職されました

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*前職でツアー同行(ガイド補助)した際の写真

 当時やっていた仕事(編注:インバウンドの団体旅行企画)は時代錯誤だと感じたので転職を決意しました。これからは団体旅行ではなく、個人旅行の時代だと思ったので。また、会社の経営状況や将来性にも危機感を感じていました。そこで中国系大手旅行情報メディアの馬蜂窩(マーフォンウォー)とインタセクトが提携したと知りました。タイミングが良かったことも決め手の理由として大きいです。

 タイミングや自分のやりたいこと、給与、勤務地など、インタセクトはどれもマッチしていました。こうした仕事は東京に多いですが、大阪で募集していたのでありがたかったです。勤務地を大阪に絞っていたのは、毛先生が神戸にいらっしゃること、関西に5年住んでいてこれ以上自分のエリアを拡大したくないといった理由からです。また、パートナーも大阪で就職したいと当時言っていたので。

ー転職への戸惑いはありましたか?

 戸惑いや迷いはあまりありませんでした。1社目がベンチャー企業で、「今の会社いつ辞める?」という会話がよく飛び交っていたので、転職に対するハードルが他の人よりも低かったと思います。あまり転職に対する心配などはありませんでした。


 転職活動は在職中に行っていたので、ばれないように気を付けていました。Wantedlyを使っていました。面接は2回あり、1ヶ月ほどで内定をもらいました。在職中のため、面接は午後7時から入れてもらうなど配慮してもらいました。かなり大変でしたね。


 業務内容はインタセクトに転職してから難易度が上がった気がします。以前は、ツアーを手配したり、ホテルなど見積もりを作ったりすることが主な内容でした。どれだけ早く見積もりがだせるかが受注の決め手、といったところです。インタセクトでは、いろいろな媒体でどのようにプロモーションの効果を出せるか、KPIを設定しながら取り組んでいます。社内文化や仕事の進め方の違いには苦労していますが、試行錯誤しながら取り組んでいます。

ーこの仕事を選んだ理由は?

 大学3年生の時に毛先生と出会い、毛先生が手がける雑誌の取材で北陸まで同行させてもらいました。その時に、毛先生が伝えることは表面上の日本ではなく、人と人の繋がりという深い部分を伝えていると感じました。そうしたことに興味を持ち、仕事にできないかと思うようになりました。中国語を使って仕事をしたいという思いもあり、中国留学を経て、日本で中国とのつながりを作れる仕事に就きたいと考えるようになりました。


 北陸での取材では、同じく同行していた中国人と仲良くなったり、彼らと3泊で取材したことが初めての経験で心が動きました。中国西部出身の女の子が今まで草原に沈む夕日しか見たことがなく、海に沈む夕日は初めて見たとコメントしていたことが特に印象に残っています。

 毛先生の雑誌編集チームに入ることや、違う形でも毛先生と一緒に働くことが夢の一つです。毛先生のインパクトは今でも残っているし、先生の存在はかなり大きいです。

-上海の復旦大学で1年間留学されました

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*上海留学中に上海の朱家角で撮った写真

 中国で働くにはどうすればいいのか、その答えを探しに行きました。日本人が多く駐在しているので、上海を留学先に選びました。復旦大学を選んだ理由は、ほかの語学プログラムにはない経済班や文化班というクラスがあったからです。実際に中国で働く人と交流する中で、幅広い業界を見つつ、中国と関わる方法を考えました。中国駐在は難しく、フリーランスとして中国で働く可能性を感じたものの、女性のライフプラン的に厳しいという結論に至りました。私のパートナーは今後も日本で働くだろうし、一緒に上海に行くことはなさそう。遠距離恋愛はしんどいなとも感じました。

-今後のキャリアプランは?

 今のところ、考えているプランはおおまかに2つあります。観光やマーケティングといった分野で引き続き働くか、コンテンツ系の分野に進むか。コンテンツだと、中国のドラマや映画といったIPビジネスなどに取り組むことも検討していますが、具体的な方向性はまだ決まっていません。

-転職を考えている人にアドバイスをお願いします

 まず、常にアンテナを張っておくこと。今でも転職サイトには登録していて、面白い会社がないか見ています。ニュースなどもGoogleアラートで気になるものを登録できるので、利用するといいと思います。また、私は中国と関われる仕事がしたいので、Twitterの中国クラスタをチェックしています。山下さんやシブルナさんなどをよく見ています。中国と関われる仕事はたくさんあると思うので、自分の世界を広く保つようにしています。あとは、語学以外の強みを持つこと。スキルを掛け合わせることが大事だと思います。私は中国語はできるけど、マーケティングやインバウンドについてはまだ勉強が足りないと思います。今取り組んでいる仕事で中国語以外の強みを作れるよう励んでいます。

(インタビュー内容は読みやすいように編集されています)

ーWeekly Chinaと日中茶龍(日中チャロン)の連携について

 日本と中国の相互理解を促進させるという目標のもと、Weekly Chinaと日中コミュニティの日中茶龍で協力して団体運営をすることになりました!
 主に、Weekly Chinaでは引き続き記事配信を、日中茶龍ではイベント開催を行い、互いに連携していきます。記事執筆・配信やイベント宣伝などでお互い協力をする予定です!

 今後とも、Weekly Chinaをよろしくお願いいたします。

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文/Tamura Yasu

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