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大阪府の「高校授業料無償化」について

先日、大阪の吉村知事が「高校授業料無償化」について公表しましたが、皆さんはどう思われましたか?

うちには、これから高校生になる子どもがいるので、「すごいことだな」と思いましたが、一方で疑問もありました。

今回はこれについて、僕の思うところを書いてみました。

ちなみに、僕は大阪維新について肯定派でも否定派でもありません。

大阪府・吉村洋文知事 談

少子高齢化の中だからこそ、どんな家庭環境であっても、子どもの数が何人であったとしても、自分の行きたい学校、めざしたい学校にいけるようにすることは社会にとっても重要なことだと思います。

長い目で社会全体のことを考えたときに、学びたいところで学んで、個性を伸ばせる社会を目指していくべきです。

また、子育ての支援策にもなると思うし、少子化対策の1つにもなると思っています。実際結婚している世帯でいうと、出生率はほぼ2.0。

あと1人子供がほしいが教育にお金かかるからやめておこうという世帯の後押しが重要だと思っていて、高校とか大学の費用が無償で行きたい学校に行けるようになれば、『あと1人問題』について後押しになると思う」 次世代への投資という意味で非常に重要」試算では府の財政負担は1年間で約382億円だということです。

疑問

僕自身は、「教育は贅沢品」と思っています。

だからこそ家庭環境によって希望の道に行けない方々が、この提案によって未来を変えるチャンスを得られることには賛成です。

しかし一方で、「年間約382億円という投資に見合うだけの価値があるか?」という疑問を持っています。

というのも、すでに高校の授業料をめぐっては、年収910万円未満の世帯を対象に国や府の補助があります。

また、私立高校についても年収590万円未満の世帯と、年収590万円~800万円で3人以上子どもがいる家庭に対し、39万6,000円を上限とする就学支援金が支給されることで、公立・私立高校の授業料は実質無償化されています。

つまり吉村知事の言う「約382億円」は今まで対象から外れていた方々の分ということなんです。

言い換えるなら、
・年収590万円以上で子どもが1~2人の家庭
・年収800万円以上の家庭
の子どもたちの学費が約382億円かかります。

ということなんだと思います。

最後の予算については、記事により異なり430億とあるものもありました。またこの数字については、おそらく3学年分の総額だと思います。

382億~430億の開きの意味は分かりませんが、いずれにしろすごい数字です。

しかし、学費分として40万円/年で計算した場合、予算は約95,500~107,500人分です。

大阪の高校生の数は、令和2年度で、計3,299,012人
・全日制高校は3,012,708人(全体の91.3%)
・定時制高校は 79,356人(全体の2.4%)
・通信制高校は206,948人(全体の6.3%)
ということなので、2.9~3.3%のための政策なんです。

コレは本当に、「少子化対策になる」のでしょうか?
少し強引すぎませんか?

画期的で素晴らしい政策なのかもしれませんが、僕には分かりません。

ぜひ費用の試算だけでなく、「少子化対策における試算」を公表してもらいたいです。

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