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料理人は家で料理をしないという噂について

「料理人は家で料理を作らない」というのはわりとよく聞く話です。今回は、僕の場合について書いてみようと思います。

<ひとり暮らしをしていた時>

一人暮らしをしていた時は、朝はコーヒーだけ、昼はお店の賄いを食べていたから、家で料理をするのは夜だけだった。外食することもあったから、実質週に3日くらい。魚の塩焼きや焼きそばなど、5分でつくれるものばかり作っていた。お店に出すみたいな凝った料理はつくらなかった。


というのも、お店での仕事が終わって帰宅するのが深夜12時を過ぎるから、食事は簡単にすませて、本を読んだり、洗濯・掃除したり、ほかのことに時間を割きたかったからだ。

一方で、休日は、家で時間をかけて料理をするのが好きだった。たとえば、スパイスを炒めるところから作るカレーを好きな音楽をかけてビールを飲みながら、時間をかけてつくるのは至福の時だ。玉ねぎを切ったり、ワインを煮詰めたりする作業は、ストレス解消にもなる。やはり料理が好きなのだ(だから仕事にしたのだけれど)。
普段の夜ごはんは5分でつくれるものばかりだったけれど、もし、毎日時間に余裕があるのであれば、家で料理するのはまったく苦にならない。

<結婚後>

いまは結婚して妻と暮らしているけれど、食事に関してはひとり暮らしの時とほとんど変わっていない。妻も妻で、好きなものを自分でつくったり外食したりしている。
ぼくたちの休みが同じ日は週に1度あるので、その日だけは、妻のために料理をつくって一緒に食べることが多い。


妻にごはんをつくってあげるのは好きだ。やっぱり自分のつくったものを美味しいと言って食べてもらえるのはとても嬉しい。

たまに、妻がごはんを作ってくれる時がある。それを人に話すと「でも素人の誰かがつくる料理より、自分でつくる料理のほうが美味しくない?」と言われる。正直、たいていのものは自分でつくるほうが美味しいのだけれど、でも、ぼくは妻がつくってくれた料理を食べたい。僕は仕事で毎日誰かのためにつくっているから、逆に誰かが自分のためにつくってくれたというだけで、ものすごく美味しく感じられるのだ。
それと、自分でつくる料理は、味が簡単に想像できてしまうけれど、他の人がつくる料理は想像できないから、そこに楽しみもある。

料理人の多くは僕の意見と同じだと思う。
だから、もしこのnoteを読んでくれてる人のパートナーが料理人だったとしたら、臆せず、その人に料理をつくってあげてほしい。

ちなみに、妻は「旦那さんがプロの料理人だと、ごはんつくってあげるのにハードルがあがらない?」と聞かれるらしい。

そこんとこどう思ってるの?と妻に聞いてみたら、妻は「プロの料理人だからこそ、逆に緊張せずにつくれるかも。味の面では期待されてないのがわかってるから気楽だし、つくってあげるだけですごく喜んでくれるし。味が悪かった場合には、的確なアドバイスをくれるからありがたい。プロの料理人のアドバイスなら素直に聞ける」とのこと。

次回は今年の1月に逗子の友人のお店で出張料理をしたことについて書きます。

読んでいただきありがとうございます!店で食べたい料理のリクエストもぜひ! 渋谷 Niru で会えるのを楽しみにしてます〜!^^