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荏原神社の龍神さま

ー第一印象「奥ゆかしい」

荏原神社(東京都品川区)がまつっている龍神さまは、実に奥ゆかしい。社殿の屋根、左右の隅からわずかに顔を見せるばかりで、いかにも目立たないよう参拝者をこっそり覗き込んでいる。発する"圧"でお参りする人を脅かせないよう気遣っているみたいだ。強大な霊力を持ちつつも、どこか慎み深い。これがこの龍神さまの第一印象だ。

善し悪し

わずかに顔を覗かせる荏原神社の龍神さま(撮影=りす)

荏原神社の龍神さまは「願えば叶わぬことがない」と評されるこの神社の主祭神。これほど崇拝されているのであれば、もう少し功を誇って目立っても良さそうだが、その姿におごり高ぶった様子はない。親しみを持って「品川の龍神さま」と呼ばれるのは、それが所以ゆえんか。

龍神さまがあまり圧をかけないせいか、この神社にはマナーが良くない人も訪れるようだ。残念なことに「玉垣たまがき灯籠とうろう狛犬こまいぬなどには上らないで下さい」「ゴミはお持ち帰り下さい」といった注意書きを境内に見かけた。龍神さまが圧をかけないことも善し悪しかもしれない。

荏原神社の社務所と鳥居(撮影=りす)

ドヤ顔阻止

一緒に行った奥さんは、この神社をかなり気に入ったらしい。今年(2024年)訪れた龍神さまを祀る幾つかの社寺と比較し、龍神さまの配置を客観的に分析していて驚いた。奥さんによると、「屋根の左右から龍神さまが覗き込んでいる姿の社殿はユニーク」とか。なるほど、そう言えばそうだ。

ここで奥さんを褒めると必ずドヤ顔になる。回避行動、必須。

(写真:『りすの独り言』トップ画像/荏原神社の社殿=りす撮影)

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