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"寿司屋デスノート"

奥さんがダメ出しした回転寿司がまた一つ増えた。先日、一緒に立ち寄った静岡県伊東市にある店だ。漁港が近くにあるだけに、質の良いネタを楽しめそうだったが、シャリがどうにも口に合わなかったらしい。こうしたケースは、わが夫婦に少なくない。行き過ぎると、いずれ行く店がなくなってしまうようで恐ろしい。

厄介者

わが夫婦は寿司の味にはちょっとうるさい"自称・寿司ツー"だ。しかも寿司屋にローコスト・ハイパフォーマンを求める厄介者でもある。立ち寄った回転寿司は、桜の開花を狙って花見に繰り出す途中に見つけた店だ。水揚げしたばかりの新鮮なネタを想像して期待も膨らむ。

カウンターに座り、数皿注文。それをつまんでいると、やにわに揺れ出すアイフォーン(iPhone)。隣に座る奥さんからメールだ。「シャリがあまり美味しくない」とある。周囲に声を聞かれないよう配慮したのだろう。確かに水分が多めでベチャつく感。酢の強さも気になった。

ところが、今度は「このマグロは美味しい」と声に出して褒める。このところ、とんとお目にかかることがなかった"よそいき"の振る舞いだ。この言葉に気を良くし、板前さんが目を細めて「汁物も美味しいよ」という。ちなみに、奥さんが美味しいと評して指差した先にあったのはカツオだ。

失望

何かあるなと思いつつ、早々に会計を済ませて店を出る。すると、ちょっとふて腐れた表情の奥さん。「この先、この店に来ることはないね」と、まず一言。シャリが美味しくない時点で、ガッカリしたらしい。ネタも普通で、期待が裏切られたことも失望を大きくさせたとか。

こうなると、奥さんは頑なだ。その言葉が覆る可能性はほぼない。こだわりは大切。否定する気はない。ただ記憶にあるだけでも、すでに4件のダメ出し。今後の寿司屋探しを考えると、少しばかり難儀しそうで困る。ともあれ、こうしてわが家の"寿司屋デスノート"に一店舗が書き加えられた。

奥さんはわが家の八神月(やがみ・ライト)だ。

(写真〈上から順に〉:アジアでも大ヒットしたアニメ「デスノート(Death Note)」=pchdwallpaper.com、美味しいネタが楽しめる回転寿司も多い=NTTグループカード、ネタだけでなくシャリも美味しさの重要な要素=りす、デスノートの主人公・夜神月〈やがみ・ライト〉=ファンポップ)

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