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変化球の贈り物

ー正月

洋菓子メーカー、銀座コージーコーナーが販売する新春限定商品「スイーツおせち」。今年(2023年)の正月は、これを実家に贈った。昨年(2022年)は緊急入院しておせち料理を食べ損ねた父親への励ましと、例年、年末になると有名料亭のおせち料理を買ってきてくれる両親と姉へのお礼のつもりだ。本格おせちのお返しという直球に比べると、スイーツおせちは幾らか変化球。ただ、個人的にそこが売り。奥さんはあまり感心せずに苦笑い。

連載「年末年始バタバタ録」シリーズ:「軽く一石三鳥超えークリスマスイブ

目利き力

スイーツおせちは縦、横、高さがそれぞれ3cmぐらいのプチケーキの詰め合わせ。9個入り(税込み2700円)、12個入り(同3500円)があり、それぞれ一つずつ購入。「1000円くらいだと思っていた」と、奥さんはその値段にぶったまげていたが、こういう商品は得てして、そこそこ値が張る。

全体として華やかで目で楽しめる。プチケーキ一つ取っても、今年の干支のウサギが載っていたり、正月につきもののミカンと鏡餅をモチーフにしていたりなど凝ったデザイン。受け取った人が喜ぶ姿が思い浮かぶ。子どもだまし感も幾らか抱かなくもないが、可愛いは最強だ。そう迷いを断ち切る。

昨年末に予約し、支払いを済ませた。今年1月1日の昼前、店舗に取りに行った。「スイーツおせちを予約した人はうちだけかもしれないよ」と、奥さんは笑った。だが実際、店に行くと、この商品を受け取りに来ている人が結構いる。どこか目利き力に自信が湧くも、その根拠はきわめて薄い。

ツキあり

厄介だったのは、揺らさずに運ぶことだ。どんなに華やかな色合いも、どんなに可愛らしい造形も、崩れてしまえば魅力は半減だ。「お気を付けてお持ち帰りください」と、満面笑みで送り出してくれた店員がうらめしい。

店から実家までの30分程度の距離。緊張しながらも、どうにか無事に運び、母親に手渡すことができてホッとした。ところが、受け取った母がスイーツおせちのハコを無造作に傾ける。その角度、驚きの45度。目が点になる。

確認。ちょっと片寄っただけで事なきを得る。今年はツイてる。

(写真〈上から順に〉:『りすの独り言』トップ画像=りす撮影の画像を基にりす作成、銀座コージーコーナーの新春限定商品「スイーツおせち」は9個入りと12個入りの2種類=同)

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