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ナッジとUGCの関係性

この間、Twitterでフォローしている人がタピオカミルクティー店を始めたらしい。

ツイートを見ていると、広告費はかけず、かわりに“いかにも”写真を撮るにふさわしいお洒落なパネルを設置することに投資をしたらしい。

消費者がSNSに投稿するために設置されたわけだが、店頭でミルクティーを受け取った消費者は皆吸い込まれるようにパネルの前で写真を撮るのだ。

この“いかにも”が今回のエントリーのポイントである。

どういうことか。

それは、パネルに「ここで撮影してください」という文言がないということだ。

つまり、消費者に使い方を教えていないのだ。

それでも消費者はこぞってパネルをバックに写真を撮り、SNSにアップする。

これは「SNSにアップしたい」消費者の欲求に、「なんだか写真映えするパネル」というソリューションを提供していることになる。

では何故ユーザーに使い方を提示しないのだろうか。

これは行動経済学の「ナッジ」という言葉で説明できる。

「ナッジ」とは、直訳すると「ひじで軽くつつく」という意味で、行動経済学や行動科学分野において、人々が強制的にではなく、自発的に行動するための仕掛けや仕組みを指す言葉である。

分かりやすい具体例を出すと、男性用小便器に貼られているシールだ。

誰もそこを狙えと言っていないにも関わらず、そこをめがけて用を足すわけだ。

あれでかなり掃除の手間が省けているらしい。

話を戻すと、そういったナッジを働かせ、消費者にタピオカミルクティーの宣伝をさせているのだ。

宣伝をするということは、ここではUGCを生み出すということであり、口コミマーケティング、SNSマーケティングになるわけである。

最近注目されているUGC(User Generated Contents)は、ナッジと非常に相性が良い。

「自発的に拡散」を意図して組み込むことができるのであれば、マーケティングコストが効率化される。

ナッジを考え取り入れる事は、SNS時代において重要度を増しているように思う。

また視野を広げると、SNS全体がそのような機能を果たしているとも言える。

タピオカミルクティーをおしゃれなパネルバックに彩り、拡散する事で、その投稿を目にした消費者は、どのようにすれば帰属できるかを理解できるのだ。

そうして、いつの間にかナッジはバズへと変わっていく。

UGCを起こすには、こういったナッジを意図的に盛り込む事が重要であり、検討するべきポイントなのである。

ナッジがUGCにつながっていく時代になった。

ということで、このエントリーを締めようと思う。


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