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歩きについて考える

ころばないからだ作り勉強会 第1回 Part1

なぜひとは転ぶのか?
 PNF講習会にご協力いただいているモデルさんより、歩行について、レク 
チャしてほしいという要望があり、今回5回シリーズの1回目として、1月10日水曜日午後から開催いたしました。今回の勉強会は、運動を指導するにあたり、受講される方々には知識として歩行についても、学んでいただきたいと考えました。さて、歩行において切っては切れない間柄なのが転倒です。転倒は交通事故よりも骨折するリスクが高いといわれています。シリーズを始めるにあたり、今回は転倒に至る主要な原因の一つである筋力低下について参加者のみなさんと考えました。

なぜ筋力が必要なのか?:からだの構造について理解する
 人はもともと姿勢を安定させるためには不利な構造をしています。不安定 
な構造は反対の側面からみると動きやすい構造であると言い換えることができます。つまり、安定性よりも運動性を優先するということは、何かを使って不安定な構造を安定させなければいけません。その安定性に不可欠の一つが筋肉/筋力なのです。

歩行における筋力は”蹴る動作より止める動作に必要”である

なぜ筋力が必要なのか?:姿勢について考える
「頭でっかり尻つぼみ」という言葉ありますが、姿勢に影響するからだの 構造は前述のとおり不安定です。この不安定な構造を倒立振り子構造といいます。通常、振り子は天井に固定部があり、それを中心に運動するので、運動は最終的に収束する方向に向かいます。しかし倒立振り子は足部が固定されるので、運動範囲が広くなると振り子はより大きく振れるようになります。つまり固定力が強くないと人は姿勢が保てず、倒れてしまうのです。
(ここでは姿勢を安定させるために不可欠な感覚系は省いてかんがえてください。)

人はもともと不安定な構造

なぜ筋力が必要なのか?:重力の影響
 人は立つとき、地上に接地しているのは足部(足裏)だけです。足部は上半身の重さ(大きさ)を支えると同時に姿勢を安定させないといけません。人は頭・上半身が重い(大きい)構造のため、高齢者の中には、重力に抗して姿勢を取るのが難しくなり、体が前に傾くようになります。いわゆる前のめりの姿勢になります。結果、重力の影響を受ける面積が広くなるため、前方へ重心が移動しやすくなります。このままの状態だといずれこけてしまいます。そこで姿勢を安定させるために体のいち部分を移動させ、体の重量を使ってバランスを取るようになります。

もちろん視覚・前庭覚・固有感覚情報がないと空間での移動は難しくなるのですが…

まとめ
 今回、筋力の必要性について、姿勢と重力の影響から考えてみました。
年を重ねると姿勢を重力下で適切に保つことが難しくなっていきます。結果、姿勢の変化は歩行や立位での動作に大きな影響を与えるようになります。昔から言われていますが、姿勢を正すことは長く一人で歩けるための秘訣だと思います。

次回はこけないからだ作り勉強会Part2として、ロコモ(足腰が弱くなる)とロコモに関連する主な疾患について考えていきたいと思います。

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