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決断と葛藤 ”自分は何をやりたいのか” 問い続けた過去(社長インタビュー前編)

株式会社フーモアは10周年という節目を迎えました。

そこで、創業より社長としてフーモアの指揮をとっている芝辻社長に対し、経営に対する思いや就活生に伝えたいことを21卒内定者の栗田がインタビューしました!

「自分は何をやりたいのか」と葛藤し続けた過去や10年の節目を迎えた今感じていること、そして今後の展望や22卒への期待を前・後編に分けてお届けします。

芝辻さんC

<株式会社フーモア代表取締役社長>
芝辻幹也(しばつじみきや)
<経歴>
幼少期から漫画家を志すが、大学院卒業前に断念。新卒でアクセンチュアに入社。1年2ヶ月働いた後、ハウスシェアのメンバーとシェアコトを創業し、グルーポン系の事業を行う。事業を譲渡した後、マーケティングの会社に入社。2011年11月に株式会社フーモアを創業し、代表取締役に就任。最近はBiSHにハマっており、会社で流れていることもあるそう...。

①モラトリアム期間延長

栗田:では、インタビューよろしくお願いいたします!
経歴を見ただけで何度も大きな決断をされてきたことが想像できます。その決断の大きさと比例して大きな葛藤とも向き合ってこられたのではないかと思うのですが、時系列でお聞きしていっても良いでしょうか?

芝辻幹也社長(以下、芝辻):そうですね...まずは大学院に進学したところからですかね。このへんは葛藤していなかったかもしれないですねー。

理系だったというのもあって、理系は院までいくのが当たり前のような風潮があったんですよね。なので自然な流れとして捉えていました。

大学3年生の頃に、夏休みに技術者として1ヶ月泊まり込みでインターンした時期があったんですけど、その時にあんまり技術者として将来働く想像ができなかったのもすぐに就職せず大学院に進んだ理由かもしれないですね。

②夢を諦めると決めた。

栗田:次は大学院卒業から外資系コンサル企業に新卒入社される時のことをお聞きします。この時の葛藤は過去の様々なインタビューでも話されている部分ですが、当時具体的にどのような苦しみがあったのかをお聞きしたいです

芝辻:まず1つ目は、漫画家になるのがなかなか難しいというのがわかった上で、もう諦めようというのが自分の中で決まったところかなと思います。卒業してニートしながら漫画を描くっていうのは自分の中で選択肢になく、1ヶ月インターンで経験した技術職として働く想像がつかない状態で就職するのもどうなんだろうとか、これからどういう道に進もうかというのはかなり悩んでましたね。

それまでは勉強してバイトして漫画描いてきただけだったので漫画や理系就職が選択肢から外れた時に、

自分には何が向いているのか、何が得意とか集中できるのかというのをずっと考えていました。

結局自分が何に向いているのか全然わかってない状態で新卒入社してますね。

栗田:就職活動のタイミングでは”何をやりたいか”というより”何ができるか”というのを考えていたということですか?

芝辻:そうですね。やりたいこと(漫画)を諦めたので、そればっかりやってた自分から急に何もなくなるじゃないですか。「あれ、何ができるんだろう」みたいなそういう感じでしたね。

栗田:ありがとうございます。そこから1年2ヶ月で退職して当時シェアハウスされてた方々と起業したとのことでしたが、会社をやめる決断をした時のことや起業してからの葛藤をお伺いしても良いでしょうか。

③2つの後悔を天秤にかけた

芝辻:最近wantedlyの記事でも少し書いたんですが、当時結構悩んでたんですよね。大学や大学院でも順位がでるから競うし、会社でも同期と実績を競うわけじゃないですか。競争が厳しいところにどんどん進んでたので疲れていたと思うんですよね。

とはいえ、新卒入社した会社を1年で辞めるって言うことが自分のキャリアを傷つけることになるかもしれないという不安はありました。「今後転職するなら悪く影響するぞ」「お前すぐ辞めんな」「もっと実力つけろよ」みたいな感じのことはいろんな上司から言われたりして、同期もそんなにやめてたわけじゃないし、安定を捨てるみたいな葛藤は多少ありましたね。大きな会社で安定はしてたので。

栗田:そのように後悔する可能性が見えていながらも起業に踏み切れた理由はなんだったのでしょうか?

芝辻:ちょうどそのころ、プライベートで男4人でシェアハウスに住んでいて、そのメンバーから一緒に起業しようって誘われたのがキッカケで「その道もあるか」って思い起業を考え始めました。

自分で会社作ってある程度裁量持ってやれるし、金銭的に大きなメリットもどこかで享受できるかもしれないというのと、どっちを選択したら自分が後悔しないかを考えた結果起業の方でしたね。当時はまだ26歳とかだったのでチャレンジできる年齢だなと。

例えば、家族を養うってのが選択肢の中に入ったら大胆に動きづらくなるじゃないですか。そういうのを想像すると「今は身軽だし、将来気軽に取れる選択肢じゃないな」みたいな。タイミングが丁度合ったんじゃないかと思いますね。

まあ、(勤め続けるのと起業の)どっちを選択しても何かしら後悔は出てくると思うので、天秤にかけるのは難しかったですね。

栗田:自ら事業を興すことにかなり魅力を感じられていたんですね。いつか起業するというのは構想として元々あったんですか?

芝辻:起業しようってのは元々は選択肢の1つとしても思っていませんでした。たまたま誘われた時にグルーポン型のビジネス※がちょうど海外で出てきていて、これは日本でも行けるなっていう自信があって"シェアコト"を起業してその事業に踏み切りましたね。

※「○日○時までに30名が購入すれば、通常1万円で提供されているレストランのコースを半額の5000円で利用できるクーポンを発行する」というような販売条件付きクーポンサービス。指定された購入数に達しない場合、割引クーポンは発行されない。そのため、クーポンをどうしても獲得したい利用者が、FacebookやTwitterなどのSNSを使い、共同購入者を集めてくれる「情報の拡散効果」を期待できるビジネスモデルであった。

栗田:起業されてからはどのような困難があったのでしょうか?
 
芝辻:10ヶ月くらいしかシェアコトにはいなかったんですが、そこですごく葛藤もしたし、学びもあったし、自分のできなさを自覚したり、起業の難しさを実感したりしましたね。

自分がコンサル出身っていうのもあって色々とやれんのかな思ってたら、ビジネスがどう回ってるか自体知らなかったんですね。これまで会社に守られた中で、ちょっとイキがってただけで全然何もできないってことをそこで知りました。それでも何かやらなきゃと死に物狂いでやってましたね。

共同創業者のメンバーは社会人経験も4、5年あり、営業や戦略を作るみたいなのに長けていて、彼らがあまりやっていないところをやろうということで、SNS使ってマーケティングするのとグルーポン系のビジネスの相性が良いということがいろんな記事に書かれていて、自分はそれをしようって感じでデジタルマーケティングのことを自分で学びました。

結局事業の方は、上手くいく手前で競合出まくったので譲渡しようってすぐに意思決定があって、サービスは譲渡してそのタイミングで自分は抜けました。

※起業からサービス譲渡までを綴った芝辻社長のブログはこちらから

④スキルが売れるも「自分はなにをやりたいんだろう」

栗田:そこでのSNSマーケの知見を活かして次はマーケティング系の企業に入社されたんですよね。なぜそこの会社だったんでしょうか?

芝辻:新卒で入った会社の先輩がそこにいて、辞めた後も友達のような感じだったんですよね、それと、自分がSNSマーケティングに詳しかったからですね。

栗田:その時はSNSマーケこそ自分のやりたいことだ!という感じだったんですか?

芝辻:というよりは、単純にスキルが売れたんですよね。当時mixiやTwitterを使った集客なんて一部でしか流行っていなかったんですが自分は詳しかったんです。当時日本にそういう手法に詳しい人があまりいなかったのでいろんなところから声はかかって、これって価値があるんだって思ったというのはありましたね。

栗田:なるほど、その時はまだ自分がやりたいことっていうのは見つかっていなかったんですね。

芝辻:そうですね、この時って大学院卒業からアクセンチュアに入る時と感情は似ていたかもしれないですね。「自分はなにをやりたいんだろう」っていう。これからどうやっていくかなーみたいなことはずっと考えていましたね。

栗田:そこで働かれているときに副業として似顔絵など絵を描く仕事を個人でされていて、それがきっかけとなってフーモアを創業されたんですよね。

芝辻:そうですね。結婚式で80人ぐらいの似顔絵を描いてほしいという依頼を知人から受けたことが大きなきっかけになっています。

「絵って人の心動かすんだ」と強く実感したことで、やっぱり自分が情熱を持てるのは、絵や漫画に関わることなんじゃないかと気づいて会社を作るという決断をしました。

※創業のきっかけとなった結婚式のことはこちらの記事から

⑤フーモア創業。これまで一番苦しんできたことは...

栗田:フーモアを創業されてからの葛藤は他のインタビューではあまりお話しされていない部分かと思います。実際どのような迷いや悩みがあったんですか?

芝辻:2回ほど転機がありましたね。

1つは、創業を一緒にやったもう一人のメンバーが半年で辞めてしまって事実上自分一人になった時があったんですよ。精神的に参ってしまいそうでした。

当時アルバイトで働いてくれてた知り合いが「ちゃんと夢叶えろや」みたいな感じで弱気になってた自分に言ってくれて。よし、頑張るかって言って再スタートしました。そして初めて正社員が入ってくれてそこから人数が増えていきましたね。

もう1つが、たまたまスマートフォンが普及し始めていわゆるソーシャルゲームが伸びたタイミングですね。金を掘るなら斧を売れじゃないですけど、いろんな会社がゲームを作るならゲーム中のキャラクターを作ったりする部分の制作をやっていこうといって他の事業を全部やめてそこに集中したら、どんどん会社が伸びていったんですよね。

規模も大きくなってきて利益も出てきた時に経営陣(マネジメントチーム)を作っていかなきゃいけないとなって。そこで一気に人を増やしたんです。そしたら上手くいかず会社が結構荒れてしまったんですよね。

それでも利益も出始めていろんな投資もできる状態で、事業もいくつか作り始めて、本格的に漫画もやろうかっていうタイミングだったんですけど、その時は精神的に辛かったですねー。

栗田:そんなことがあったんですね….

芝辻:これまであんまりネガティブな話を外にしていなかったんですが、人の問題には結構苦しんできたかなと思いますね。

ただ、過去のそういう辛かった時期と今で大きく違うのは、自分が悪いんだなと思えていることかもしれません。

今気づけば自分が悪かったんだけど、当時は他が悪いと思ってたんですよね。それがそもそも自分が間違っていることに当時は気づいていませんでした。気づくまでに結構時間がかかったなって思いますね。

(人の問題は)今後もたぶん起きると思うんですよ。まだまだいろんなことが起きると思うんですよね。
今時点でも(人の問題に限らず)色々と葛藤はありますよ。

栗田:そうなんですか!!

芝辻:はい、いっぱいありますね。

栗田:いっぱいですか...!?それはこの場でお聞きしてもいいことでしょうか?

芝辻:全然大丈夫ですよ(笑)まあ別になんかね、隠す必要もないので。

【後編へ続く】


ここまで芝辻さんの過去を振り返っていただきました。
後編では現在フーモアで抱えている葛藤からお聞きしていきます。
フーモアの今後の展望や22卒に向けた期待についても後編でインタビューしますのでお楽しみに!

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フーモア公式キャラクターのフーモアくんが採用・リリースについて紹介してくれています。

インタビュアー・執筆
栗田(くりた)
「21卒内定者としてインターンしてます!最近エンタメデザイン事業部に配属になりました。」

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