投稿誌Wife編集部

「普通の女性」の声を集めて61年。今も年4回発行を続けている投稿誌「Wife」編集部で…

投稿誌Wife編集部

「普通の女性」の声を集めて61年。今も年4回発行を続けている投稿誌「Wife」編集部です。3カ月に一度では書き足りない思いをここに。3カ月間濃縮した思いは紙媒体雑誌でどうぞ。年4冊発行で購読料4320円。https://womenslife21.netからお問い合せください。

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    投稿誌Wife4代目編集長前みつ子が綴るよもやま日記

記事一覧

お隣さんのその後その2

ひとり暮らしのお隣さんが家の中で亡くなっていたのが発見されてから2週間。あれからほぼ毎日、70代後半の弟さん夫婦が家の片付けに通ってくる。横浜から、車で…。無口で…

弁護士さんの無料講

弁護士から学ぶ「遺言・相続・成年後見人制度」。おひとりさまのグループで、90分の講座を引き受けてくれた弁護士先生の話は、完璧だった。成年後見人の話、相続の基本、揉…

新しくなっていた新潟駅

久しぶりの新潟駅、万代口広場は、今まさに再開発工事の真っ最中だった。フェンスとフェンスの隙間路を道を迷路のようにくねくね回って、人の流れは絶えない。駅ビルはリニ…

姥ときめき

東京ー新潟の往復新幹線の中で、田辺聖子の「姥ときめき」を読んでいた。この作品自体は昭和59年刊とあるが、文庫本になったのは昭和62年、もともとは母のものだったのだろ…

お隣さんのその後

風呂場の前で亡くなっていたお隣のおじいさん。あれから毎日、横浜に住んでいる弟さん夫婦がやって来て、家の中を片付けている。ゴミ袋は1回につき5個までしか出してはいけ…

汁ものでむせる

誰かと楽しく喋りながらご飯を食べているとき、この頃、何回もお茶や水の飲み込みに失敗する。そんな粗相を目の当たりにしても、同世代の友人たちはやさしいから、「おんな…

昔のサークル仲間

3、4カ月ごとに会って、飲んだり食べたりしながら生存確認をしあっている10代からのサークル仲間たち。雨の中、今日もいつもの店でワイワイお喋りをした。10人の予定が、1…

王子から庚申塚、巣鴨へ

世田谷区民の散策グループにお邪魔して、飛鳥山から庚申塚、巣鴨を歩いた。とんでもなく朝に弱い私にとって、10時王子駅集合はちと辛い。慣れない駅の乗りかえは不安だし時…

久しぶりの「シャトレーゼ」

南武線に乗っていたら富士山がきれいに見えたから、急に思い立って矢川でおりた。コロナ禍でいっとき入ることができなくなっていたし、その後も足が遠のいていた矢川緑地に…

お隣さん孤独死?

ここ3日間くらい、お隣の様子が気になっていた。毎日決まって夕方から21時頃までの間は、⒉階のリビングに明かりが灯るのに、つかない。朝は7時ごろ、ガラガラガラと1階…

7

Wife407号

投稿誌「Wife」の最新号が届いた。東京地方は雨続き、濡れた郵便受けの中でひときわ光る黄色の表紙を見つけて、「きた、きた」と思わず声が出る。編集作業に関わらなくなっ…

8

黄緑色の公衆電話

近所にある児童館専用の体育館のわきに、黄緑色の公衆電話ボックスが立っている。コロナ禍真っ最中にその体育館がリニューアルされたとき、公衆電話もピカピカの新品に変わ…

5

エキストラ募集

郵便受けに「映画エキストラ 大募集」のチラシが入っていた。世田ヶ谷のとあるスタジオで、4日間、撮影に参加できる人たちを集めたいという。「るろうに剣心」とか「ちゅ…

5

夏みかんをもらった

息子の幼友達で、地元生まれの地元育ち、地主のまっちゃんが、ゴロゴロと大きな夏みかんを持ってきてくれた。2年前に両親とも亡くなってからは、たった1人で広い家屋敷と敷…

5

桂由美さん

農協で、念願のゴーヤとトマトの苗を2本購入、さっそく、裏から演芸用の土を運んできて、大きめの鉢に植え込んだ。昨年のトマト、桃太郎のほうはあまりうまく実をつけなか…

6

妄想ばなし

わが家の裏手の遊歩道を通って帰宅する際に、必ず通るご近所さんの家々。この辺りは、もともと広い敷地を何分割もして建てられた新興住宅地だ。30年も前にわが家が移り住ん…

4

お隣さんのその後その2

ひとり暮らしのお隣さんが家の中で亡くなっていたのが発見されてから2週間。あれからほぼ毎日、70代後半の弟さん夫婦が家の片付けに通ってくる。横浜から、車で…。無口で頑固だったお隣さんと違って、弟さん夫婦は実に明るい。顔を合わせるたびに、「冷蔵庫の中がカラッポだった」とか「食べるのが面倒くさいと言ってた」とか、細かい情報を聞かせてくれる。体型も全く違う。弟さんはでっぷり、糖尿病でインスリンのお世話になっているのだと。「役所の手続きが面倒で」と愚痴りながら、今日も10時頃から午後3

弁護士さんの無料講

弁護士から学ぶ「遺言・相続・成年後見人制度」。おひとりさまのグループで、90分の講座を引き受けてくれた弁護士先生の話は、完璧だった。成年後見人の話、相続の基本、揉めない遺言書にするために…。今までも数回、司法書士とか、何とかファイナンシャルとかの専門家に来てもらって、この手の講座を開いたことがあるが、自薦他薦で話してくれたどの講師も、実は営業的な下心が見え見えだった。特に私のようなへそ曲がりはどうしても斜めから聞いてしまっていたし、内容も、フーンという感じだったのだが、同じこ

新しくなっていた新潟駅

久しぶりの新潟駅、万代口広場は、今まさに再開発工事の真っ最中だった。フェンスとフェンスの隙間路を道を迷路のようにくねくね回って、人の流れは絶えない。駅ビルはリニューアルオープンしたばかりのようで、私が覚えている感じとはほど遠く川崎駅とか蒲田駅の縮小版になっていた。ぱっと目立つ「無印」と「成城石井」…、駅ビルに入っている店はほとんど東京界隈と同じ。新幹線を降りたら、日本全国、どこでも同じ…。仕方が無いか、地元の女性たちは嬉しいようだ。「東京に行かなくても、買物ができる…」 随分

姥ときめき

東京ー新潟の往復新幹線の中で、田辺聖子の「姥ときめき」を読んでいた。この作品自体は昭和59年刊とあるが、文庫本になったのは昭和62年、もともとは母のものだったのだろう。昨年秋に妹のところの書籍整理を手伝った際に、「私が読んでから処分する」箱に仕分けして持ち帰った本の1つだ。 当時、田辺聖子の小説は大人気だったが、30代半ばの私には今ひとつピンとこなかった。ところが75歳になった今読むと、夫に先立たれた77歳の主人公、ひとり暮らしの「歌子さん」のコテコテの関西弁が全部スッと入っ

お隣さんのその後

風呂場の前で亡くなっていたお隣のおじいさん。あれから毎日、横浜に住んでいる弟さん夫婦がやって来て、家の中を片付けている。ゴミ袋は1回につき5個までしか出してはいけないという市の決まりなので、わが家の前にもどうぞ置いてくださいと伝えている。ゴミ出しのルールは自治体によって全く異なるから、大変だ。弟さんも、ご近所の親切な人たちもみんな高齢者、唯一お向かいさんだけが頼りの綱だ。 外の物置の中の整理を頼まれたというお向かいのパパがやって来て、中には山ほどの工具が入っていて、その出し方

汁ものでむせる

誰かと楽しく喋りながらご飯を食べているとき、この頃、何回もお茶や水の飲み込みに失敗する。そんな粗相を目の当たりにしても、同世代の友人たちはやさしいから、「おんなじ、おんなじ」と気にしないでいてくれるけれど、自分が情けなくなる。 1人で黙々と食事をしている時にもそれは起こる。高齢者要注意、誤飲だ。気管と食道の筋肉の切り替えが鈍くなった、老化の証拠。うっかりするとつばだって、間違って気管の方に入ってしまう。ゲホッと慌てて咳き込んで、何度も何度も咳をして、涙目になり・・・。この頃は

昔のサークル仲間

3、4カ月ごとに会って、飲んだり食べたりしながら生存確認をしあっている10代からのサークル仲間たち。雨の中、今日もいつもの店でワイワイお喋りをした。10人の予定が、1人ドタキャン。調子が悪いと言うからみんなで心配していたら、どうもお連れ合いの体調がすぐれないらしい。「あいつ愛妻家だから」と・・・。そういえば、前々回の昨年秋も欠席だった。 この頃特に感じるのは、男性陣の声がどんどん大きくなってくることだ。人の話を聞かない、誰かが喋っていても自分が言いたいことを喋り出す。あっちで

王子から庚申塚、巣鴨へ

世田谷区民の散策グループにお邪魔して、飛鳥山から庚申塚、巣鴨を歩いた。とんでもなく朝に弱い私にとって、10時王子駅集合はちと辛い。慣れない駅の乗りかえは不安だし時間がかかるだろうから、頑張って8時過ぎに家を出た。 総勢12名ほどのシニアたちがぞろぞろと、ミニモノレールのようなアスカルゴに乗って飛鳥山のてっぺんへ。渋沢栄一の旧邸や資料館、公園内をそぞろ歩く。この辺り、テレビドラマの「おかしな刑事」や「浅見光彦シリーズ」の舞台となっている所だから、知っているつもりになっているが、

久しぶりの「シャトレーゼ」

南武線に乗っていたら富士山がきれいに見えたから、急に思い立って矢川でおりた。コロナ禍でいっとき入ることができなくなっていたし、その後も足が遠のいていた矢川緑地に行ってみようと思ったのだ。ほぼ4年ぶりになるか。緑地の木や草々は二回りほど成長してうっそうとした森になっていた。水辺と緑の中を歩き、隣のホームセンターで花の苗や植木を手に取り、それから「シャトレーゼ」でお菓子を買う・・・。父が一時お世話になっていた老健も近くにあるし、立川で暮らしていた頃には定番の散歩コースだった。 国

お隣さん孤独死?

ここ3日間くらい、お隣の様子が気になっていた。毎日決まって夕方から21時頃までの間は、⒉階のリビングに明かりが灯るのに、つかない。朝は7時ごろ、ガラガラガラと1階の雨戸が開き、続いて⒉階のベランダのシャッターが上がるのに、1階は閉まったまま、⒉階はずっと半開き。わが家の⒉階のトイレから丸見えの部屋の奥からは、一日中明かりがもれている。おでかけ? 入院でもしたのかしら・・・。 今朝8時、わが家とは反対側のお隣さんと、お向かいの若夫婦とが道に出て、何やら騒々しい。ピンときた私も、

Wife407号

投稿誌「Wife」の最新号が届いた。東京地方は雨続き、濡れた郵便受けの中でひときわ光る黄色の表紙を見つけて、「きた、きた」と思わず声が出る。編集作業に関わらなくなってから1年と数ヶ月。今号も、ずっしりと重みのある中身だ。新しい書き手も増えているようで嬉しい限り・・・。 でも、正直に言おう。75歳の私、文字中毒を自負していたのに、この頃長い文章の内容が頭に入ってこない。特に長すぎるエッセイは、目からは読み取っても、結局何が書いてあるのか、何を言いたいのか理解できないことも多い。

黄緑色の公衆電話

近所にある児童館専用の体育館のわきに、黄緑色の公衆電話ボックスが立っている。コロナ禍真っ最中にその体育館がリニューアルされたとき、公衆電話もピカピカの新品に変わった。でも、使われているのを見たことがない。 散策からの帰り道、私は八幡神社の脇の坂道をダラダラと下がっていた。その道はそのまま片側一車線の道路にぶつかり、横切ると体育館にぶつかる。この辺り、自転車は行き交うが車はほとんど通らないし、横断歩道があるような場所ではない。私がのん気に田舎道を歩いているときに出会うのは、たい

エキストラ募集

郵便受けに「映画エキストラ 大募集」のチラシが入っていた。世田ヶ谷のとあるスタジオで、4日間、撮影に参加できる人たちを集めたいという。「るろうに剣心」とか「ちゅらさん」の大友啓史監督が、戦後の沖縄を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマ的な映画を撮影中らしい。 この辺りには昔から有名な撮影所やスタジオがいくつもあるし、ドラマなどの撮影現場に遭遇することも多い。多摩川べりには撮影スポットがいくつもある。つい最近もふらふら散策中に、壊れかけているような古い元診療所で何かの撮影をして

夏みかんをもらった

息子の幼友達で、地元生まれの地元育ち、地主のまっちゃんが、ゴロゴロと大きな夏みかんを持ってきてくれた。2年前に両親とも亡くなってからは、たった1人で広い家屋敷と敷地を管理している。近くの小さな神社や神様を中心に、季節ごとの行事、お祭り、地主同士の昔ながらのしきたりなどなど、よそ者には想像もできないお付き合いがたくさんあって、なかなか大変らしい。 家作も何軒か持っていて、畑も貸しているけれど、彼自身に農業経験はない。40半ばの独身男、彼の本業はいまどきのIT関連で、半分以上はリ

桂由美さん

農協で、念願のゴーヤとトマトの苗を2本購入、さっそく、裏から演芸用の土を運んできて、大きめの鉢に植え込んだ。昨年のトマト、桃太郎のほうはあまりうまく実をつけなかったので、今年はミニと中型でがまん。1本は⒉階のベランダに、そしてもう1本は玄関脇の比較的よく陽が当たるところに置く。ゴーヤは東側のガラス戸の向こうに。長期予報によると夏はかなりの高温になるらしいから、日よけカーテンになるくらい茂ってほしいと期待する。数年前、南側にゴーヤの鉢を2つも置いて棚も作ったのだが、失敗。しょぼ

妄想ばなし

わが家の裏手の遊歩道を通って帰宅する際に、必ず通るご近所さんの家々。この辺りは、もともと広い敷地を何分割もして建てられた新興住宅地だ。30年も前にわが家が移り住んだときには、すでに隙間なく家族の生活が出来上がっていた。ちょうど裏手の比較的大きな敷地は、息子の同級生の家、でもあちらは女子なので親同士のお付き合いはほとんどない。“もも”という名の大きな番犬の、大きな犬小屋はまいまだ玄関脇に置かれているけれど、今はご夫婦だけのよう。でも、頻繁にまだ独身らしいお嬢さんが帰ってきている