アジアカップで敗れた日本代表の成長点~今こそボトムアップをさらに磨くべき時~
史上最高とも呼び声高いサッカー日本代表の活躍を楽しみにしていたのだけれど、残念ながら準々決勝でイランに1─2の逆転負けを喫し、ベスト8でアジアカップを終えてしまった。
もともと、このチームはボトムアップのチームで、その良さがアジアカップ前は出てたけど、イラン戦はなかなか難しかったようだ。試合後、ボランチの守田選手は、
と苦悩を吐露し、それを受けて森保監督は、自らの伝え方を反省しながらも
と言う。
決めてほしい選手と想定外の状況変化は選手たちで対応すべきという監督との間に溝ができ始めている。
そもそもスポーツの目的とは何か?
スポーツアナリティクスの専門家でスポーツコンサルティング会社も経営する森本美行氏は著書『本田にパスの36%を集中せよ』の中で解説してくれている。
とイギリスの状況を解説した上で、日本とイギリスのスポーツの位置づけの違いをこう纏めている。
つまり、イギリスでは、指示者が不在の中での「判断力」を鍛えるためのもので、日本は、上位者に対する「従順性」を高めるという位置づけだった。昨今の日本のスポーツ界で問題になっている上位者からのパワハラ、ますます個が尊重される世の中の風潮変化などを考えると、スポーツがどうあるべきかは自明のことのように感じる。
そして、ボトムアップが上手く行かなかったからといって、これまで培った体制を修正し、トップの指示の明確性を求めていくのは果たした正しいのか?元日本代表監督の岡田武史氏は日本チームとブラジルチームの違いをYouTubeの番組で紹介している。
アジアカップで露呈した課題は一筋縄に解決できないとは思う。ただ、上手くいかなかったことを改めて選手たちで高い視点で話し合い、戦術や約束事の内容、決め方について、監督、コーチに提案していく機会は作れないのか?
いまこそ「ボトムアップ」のアップデートが求められているように思う。