自社の強みの見つけ方 #1
皆さんは、自社の強みが何かをお客様や社員の皆さんに、はっきり伝えることができますか?
企業経営を行う上で、この強みを最大化することはとても重要なことです。しかし、自社の強みがよくわからない。もしくは色々な強みがあるけれど、どれか一つには絞り込めないと言う方が多いのではないでしょうか。
そこで「自社の強みの見つけ方」をテーマに、数回にわたって記事を投稿したいと思います。
第1回は、「コアコンピタンス」についてご紹介します。
コアコンピタンスとは?
コアコンピタンス(Core Competencies)は、組織が他の競合組織と比較して持っている特定の強みや優位性のことを指します。コア(Core)は中核、コンピタンス(Competencies)はコンピテンシー(competency)の複数形で、資格や能力を意味します。簡単にまとめると「核となる能力」がコアコンピタンスです。企業が市場で競争優位性を持つためには、このコアコンピタンスを活用することが不可欠だとされています。ではコアコンピタンスには、どのような分野や種類があるのかを見ていきましょう。
■コアコンピタンスを見つける視点
コアコンピタンスとは、競合他社と比較して優位性を保てる「核となる能力」です。その能力を見つけるための視点として、営業・商品開発・製造という3つの分野に分けてを考えてみましょう。分野を分けずに、漠然と強みを見つけようとするよりも、分けて考えた方が具体的にイメージできるはずです。自社が強いと思える分野が明確になることで、その分野に集中して強みを伸ばしていくことも出来ますし、事業をさらに拡大するために、これまで弱かった分野を成長させることも考えられます。まず現在の自社のコアコンピタンスを明確にしていきましょう。
■営業分野のコアコンピタンス
営業分野のコアコンピタンスは、顧客との関係構築や販売プロセスの効率化するなど、営業活動を成功させるための重要な能力やスキルを指します。
具体的には、以下の4つの能力がここに含まれます。
例えば、車の販売店や保険代理店など、扱っている商品には大きな違いがない場合には、この営業分野のコアコンピタンスが重要になってきます。
ショッピングサイトのAmazonが、一番最初に取り扱った商品は本だったのはご存知ですよね。これは顧客関係構築や交渉力をコアコンピタンスにする戦略です。本はユーザーの趣味や嗜好がはっきりと表れます。例えばゴルフ雑誌を購入した人は、ゴルフに興味があると言うことが分かります。そこでレコメンド機能を使ってゴルフボールをオススメするといった具合に、嗜好性の高い本を基盤にして、ユーザーとの関係を築いていきました。
■商品開発分野のコアコンピタンス
商品開発分野のコアコンピタンスは、市場ニーズの把握、製品・サービスのコンセプト設計、プロトタイプの開発、ブランド戦略を通じた市場への導入までの一連のプロセスをスムーズに遂行する能力やスキルを指します。
具体的には、以下の4つの能力がここに含まれます。
Red Bull(レッドブル)というエナジードリンクをご存知でしょうか?
Red Bullは、飲料市場にエナジードリンク(パフォーマンスを高めるためのドリンク)という新しいカテゴリーを生み出し、現在でも世界トップの市場シェアを誇ります。しかし、実は商品の製造や流通を、完全に外部へアウトソーシングしているのです。代わりに、Red Bullは売上の1/3を広告宣伝に投資するなどブランド化やマーケティングに力を注いでいます。このようにコアコンピタンスに徹底してフォーカスすることで、他社との違いを生み出しているケースもあります。
■製造分野のコアコンピタンス
製造分野のコアコンピタンスは、製造プロセスの効率化や品質管理など、製造業務を成功させるための重要な能力やスキルを指します。
具体的には、以下の4つの能力がここに含まれます。
これまで日本のお家芸と言われていた製造分野。この製造分野にコアコンピタンスを持つ企業は、かなり多いのではないでしょうか。車や電化製品、繊維から部品製造に至るまで、品質の高い製品を作る技術が日本にはあります。ただこの分野に強みを持つ企業は、近年の産業構造の変化(インターネットで直接消費者に販売する等)によって、これまでは製造に特化していくことで差別化が図れていましたが、今後は前述の商品開発分野や営業分野の知識やノウハウも必要になってくるのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか?
今回は自社の強みの見つけ方の第1回目ということで、「コアコンピタンス」についてお話をしました。①〜⑫の中で自社の強みだと感じられるものがあれば、そこを磨きつつ、さらに強みにしていく分野や種類を意識していくことで、中長期的な成長を描いていけると思います。まずは全体を見て、その中で自社らしい強みを考えるきっかけにしていただけたら嬉しいです。
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