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忍殺復帰前に「スズメバチの黄色」を読んでみる(2)

こんばんは、望月もなかです。
花火大会で上の子の手を引いて下の子ををおんぶして疾走トイレ探しなどして疲れてしまったので今回の感想はブレーキかけず書いてしまうかもしれませんが疲れているということでご容赦のほどをお願いいたします。

前回の感想はこちらです。

◇◇◇

【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・ニンジャスレイヤーは第一部の3巻くらいまでで止まっています。面白かったのですが諸事情ありまして5年前に一時的に中断。そろそろ復帰したいと思っていました。
・いわゆる忍殺用語(イヤーとかグワーとか)はまあまあ慣れました。びっくりはしません。でも使いこなせません。
曰く「軽度ヘッズ」。
・『スズメバチの黄色』は忍殺用語が使われていないので、復帰するなら慣らしにいいよといわれて手に取りました。

【前提2】感想の方針

・その日読んだところまでの感想を書きます。
・目次に章題入れますので、読書中のネタバレ対策にもどうぞ。
・読まなかった日は更新しません。
・忍殺世界の知識は、第一部中盤あたりまでで止まっています。理解してなくても見逃してください。

◇◇◇

第一部 渾崎ラプソディ
【路地裏の少年】~【火蛇の語り】まで

今日読んだ部分のあらすじ。
火蛇くんが半ズボン美少年を保護という名目でさらって太ももをおさわりして匂いをかいでパンダくんに丸投げして出かけました。悪い火蛇くんです。サイバネ商会で「スズメバチの黄色」所持者と彼の思い出が語られます。

「ランドセル背負ってる年齢くらいの外見をしていていい匂いのする美少年をお米さま抱っこして運ぶ青年」にたいそう興奮したのですがむしろそこでパンダくんから投げつけられた

『ヤクザに追われてる子をかっさらって、身代金を頂戴する? 悪い火蛇だね。軽蔑するよ』(p.022)

の一言で(もっと言ってください)と頭をコンクリートに擦りつけたくなりました。パンダくん才能あるよ。なんのだ。(なんのでしょうね)

いやでもお米さま抱っこしたときの第一感想が

火蛇は有無を言わさず、少年を肩に担いだ。良い匂いがした。(p.023)

なのはちょっとアウトかなって思いましたね。
良い匂いのする十六歳。胸元には花がさしてある。え、アイドル?(なんとなくこの花には引っ掛かりを感じます、センチメンタルな方面なら誰かの形見か思い出の品、戦略的方面なら花に何か隠していそう)

そして続けて火蛇さんがしたことがこれなんですよ、

火蛇は背負い姿勢を整えるため、少年の腿に触れた。女のように白くて柔らかい、きめ細かな肌だった。(p.024)

いやーこれはアウトでしょアウトー。確かに火蛇が生のふとももに触ったのは「姿勢を整えるため」って書いてありますけど私は君のことをまだほとんど知らないので残念ながら信用できないんだ……ごめんね……(?)。バースデーケーキを抱えてビルに入っていった青年は、装備の一部とケーキを失った代わりにお金持ちのヤクザ美少年を手に入れたって寸法です。(装備+ケーキ)<(半ズボン美少年)=黒字です。お仕事成功ですね。

『緑色の血? こいつら、クローンヤクザだ……!』(p.023)

「クローンヤクザ」! 覚えてる!! スッゾコラーっていう同じ顔の人たちだ!!


あ、ところで軍配ってなんですかね。

軍配ってあれですよね? 日本の国技・相撲で行司さんがのこったのこったするときの黒いうちわみたいなやつ。あれですよね。

火蛇は、少年が持っていた黒漆塗りの軍配を座卓の上に置いた。
大熊猫はそれに興味を示した。
「これ、ただの軍配じゃないよ。コマンド軍配だ」(p.032)

いやその「ただの軍配」がわからない

個人情報の入った端末っぽい扱われ方をしているので、スマホかICカードみたいなものと思えばいいんでしょうか。名称はぐんぱいですけど。

ともあれ、現在地(「ネオサイタマのどのあたりが舞台になっているのか」)や火蛇&大熊猫の立ち位置(<老頭>と<武田>の争いが意味するもの)などがわかって楽しくなってきました。中華街のような龍256の描写にもわくわくします。大熊猫もついにリアル姿が登場しましたしね。いつもパンダのぶかぶかツナギ着てるの可愛いね……。あと軍配起動するときに(軍配を起動とは)(考えない)「えい」っていうの可愛すぎませんか。荷物持ち上げるときにも「よっこいしょ」っていうタイプでしょ彼。

【大熊猫の巣】で個人的にすごくいいなあと思ったところはここ。

日本という国家が崩壊した時に、火蛇が大熊猫のため、湾岸警備隊の詰め所から盗んできたものだ。(p.030)

この一文だけで、二人の付き合いの長さや、どんな距離感で一緒にいるのかがわかるのがすごい。パーフェクト。なかなかこういう文章って書けないです。

そうそう、火蛇とパンダの年齢が十九歳と、思った以上に若かったのも驚きました。美少年と三歳しか違わないじゃないですか。小学校だったら登校班が一緒ですよ。国家崩壊したみたいなので小学校はなさそうですけど…。ていうか「日本という国家が崩壊した」とかさらっと衝撃の事実が!!

【脳外科医】の章では、美少年のフルネームも判明。ラオモトって名前はさすがに覚えてます。えーと確か、<ラオモト・カン>がフジキドの仇、でしたよね。スゴイタカイビルの最上階でオスシ食べてた人もラオモトさんでしたっけ? ここまで合ってます?

ということはあの人の息子なんでしょうか。えっ似てない! それともチバくんも大きくなったらあんなふうになるんでしょうか。若いころはシータでもいずれドーラ船長になるみたいな……。

それにしても「生身のヤクザ」というパワーワードよ。

【スズメバチの黄色】→タイトルコールの章って好きなのではしゃいで読みました。火蛇の恩師が身に着けていたサイバネが「スズメバチの黄色」という名前ってことですね。

【火蛇の語り】、幼い火蛇が助けられたあとで抱いた感情が「自分の無力さに対する憤り」だったというのがいいなあ。でも「カラテを鍛えろよ、少年」には(????????)ってなります。おそらく忍殺世界における「カラテ」という単語は武術の名称ではなく「功夫」というような意味合いがあるんだろうとはぼんやり理解しているのですが、でもこう……目の前の人に「やあ! 緑茶を入れたから湯呑を飲めよ!」って言われたらおそらく十人中九人くらいは「え? はい、……はい?」ってなると思うんですよ。だから硬直するのはしかたないことなんだと思う。

今日はここまで。

それではまた次回、明日か明後日にお会いいたしましょう!


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次の感想はこちら。


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