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『蜘蛛女のキス』マヌエル・プイグ

マヌエル・プイグは20世紀のアルゼンチンの作家です。

彼の名前を知ったのは、実は最近のこと。
10-15年前の村上春樹さんのロングインタビューをたまたま眺めていたら、村上さんがプイグの小説を絶賛されていたのでした。

プイグは、若い頃にはもともと映画製作を目指していました。その後、小説家への道を歩み始めたため、その経験が彼の小説にも大きく影響を与えているようです。
彼の代表作の1つである『蜘蛛女のキス』も、映画の脚本を読んでいるような感じでした。文章の99%が会話(というか対話)です。地の文がほぼありません。

戯曲を除いて、会話だけしか描かれない小説に出会うことはなかったので、新鮮でしたし、こういう小説の形もあっていいよなあと新しい視点が与えられた感覚があります。でも、何より、読者に結末を気にさせる、面白い小説だったというのが大事ですね。


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