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日本不動産銘柄:氷山は見えているがまだタイタニック号はぶつかるとは思っていないようだ。


時間軸によりガラリと変わるだろうが、不動産業界を俯瞰しまとめていきたい。現時点で個別でバリエーションをみてみる。が、正直これから不動産市場は今までの超低金利、アベノミクスバブル、コロナバブルにより膨らみに膨らんだ風船が、金利上昇という針の一刺しによりはじけ飛ぶ前夜かもしれない。各企業の業績とガイダンスを比較したが、今の数字には全く折り込んでいないと感じる。今までの延長線上の世界線での数字だと。
これは危ないな。氷山はすぐそこに見えているのに、不動産業界タイタニックはそれを軽視している。危ない。



結論:氷山は見えているがまだタイタニック号はぶつかるとは思っていないようだ。

各社の過去の数字推移、相対比較、今後のガイダンスをチェックしたがどこもこのコロナバブル、超低金利の延長線上の数字。ヤバイ局面を折り込んだ数字かは疑問。米国の今の不動産業界の阿鼻叫喚地獄が遅れて日本にも来ると思うが。。今のバリエーションで割安だからと飛びつくのは危険だ。冷静にいきたい。買い逃しても惜しくないくらいの感度でいる。これから業績ガイダンスが悲鳴をあげてからだ。今はまだまだ業績は堅調な見通し。これが嵐の前の静けさで怖い、まだまだ注文するのは早すぎるな。今は業績不振の真っ只中の半導体に注力しよう。不動産は、アメリカの不動産業界の大不振が日本にも遅れて来てからだ。もし、こなければ買いはあきらめるだけ。氷山は見えているがまだタイタニック号はぶつかるとは思っていないようだ。

8802三菱地所。現在株価は1,630円だが1581円~1662円前後底値圏。
下にも1600~1400円くらいで指値クッションしておく。今日は調べて良かったと思える銘柄だ。が、あくまで今までの低金利時代の業績バリエーションの延長での判断。これから、ガラリと変わる世界線では本当に底値圏かはまた疑問だ。金利上昇による業績の急激な変調は全く折り込んでいない。繰り返す、気を付けよう。

8830住友不動産の現在株価は3,110円だが2,500円~2,950前後底値圏。かなり割安だが、ここも全く折り込んでいない。金利上昇による業績悪化が来たら割安どころかの世界だ。さてどうなるか。

8801三井不動産は今の時価総額からまだまだ30%ほどは下押し警戒。現在株価は2,474円だが1731円~2177円前後底値圏。ここは全く折り込んでいないにもかかわらずだいぶまだ高い。手を出してはいけない水準だ。一番高値掴みの危険があるとだけ書いておこう。

3244サムティの現時点株価は2,044円。1150~1350円前後が底値圏か。まだまだだいぶ高値圏。もう買ってしまったが、追加投資は1500円前後で指値してみるか。ここは強靭化計画もあり、成長力もある。金利上昇で業績落ち込むだろうが、成長力でカバーしてくるだろう。面白い存在であることは変わらない。

3289東急不動産の現時点株価は630円。450~480円前後が底値圏か。500円前後から下に指値し待ち構えたいところ。単元安く買いやすい。金利上昇による、局面がガラリとかわるは数字に全くおりこんでいないだろうが、単元安く買いやすい。

3231野村不動産の現時点株価は2,902円。1900~2100円前後が底値圏か。だいぶ高値圏なので、配当利回り良いが、まだまだケンだな。

8802東京建物の現時点株価は1,569円。1349~1490円前後が底値圏か。
高配当は嬉しい。1500円くらいから指値して待ち構えたい。


■世界の住宅:販売量は激減している。

世界の住宅価格は、一部の地域を除いて持ちこたえているが、販売量は激減している。 2兆ドルの学生ローン債務、壮大な住宅崩壊、株式市場の大暴落、大量解雇の複合的な影響が、まもなくレンガのように降りかかってくるだろう。



三井不動産 三井のすずちゃん

個別企業①8801三井不動産  

三菱地所と並ぶ総合不動産の双璧。ビル賃貸主力。マンション分譲、非保有不動産事業を拡大。

時価総額:23,598 億円
20年 1,839億
21年 1,295億
22年 1,769億 PE 13.3
23年 1,900億 PE 12.4
24年 2,050億 PE 11.5
※過去PER平均値は15.5倍 最低PERは8.1倍
22年 PBR 0.82
※過去PBR平均値は 0.9倍 最低PBRは 0.6倍
23年 予想配当利回 2.4%
※過去配当利回平均値は 1.8% 最大利回りは 2.7%

平均乖離割安度・・PER:134% PBR:112% 配当利回:133% 
最低乖離割安度・・PER:70% PBR:73% 配当利回:88% 

コメント:8801三井不動産は今の時価総額からまだまだ30%ほどは下押し警戒。大手3社三菱地所、住友不動産との比較では最も割高な水準。現在株価は2,474円だが1731円~2177円前後底値圏。2000円を割ってからの指値。刺さらなければとくに買わなくて良いと思う。



三菱地所HPより


個別企業②8802 三菱地所 

 

三菱グループの総合不動産。賃貸は東京・丸の内が基盤。大手町へ再開発展開中。海外にも特徴

時価総額:21,586 億円
20年 1,484億
21年 1,356億
22年 1,551億 PE 14.5
23年 1,650億 PE 13.0
24年 1,700億 PE 12.6
※過去PER平均値は18.8倍 最低PERは12.9倍
22年 PBR 0.99
※過去PBR平均値は 1.38倍 最低PBRは 0.97倍
23年 予想配当利回 2.3%
※過去配当利回平均値は 1.6% 最大利回りは 2.3%

平均乖離割安度・・PER:149% PBR:139% 配当利回:143% 
最低乖離割安度・・PER:102% PBR:97% 配当利回:100% 

コメント:8802三菱地所は即買いたいバリエーション。現在株価は1,630円だが1581円~1662円前後底値圏。指値はもちろん成り行きでも買いたい水準。だが、ちょっと待て。米国の今の阿鼻叫喚地獄は日本にはまだきていないのでは。。この数字鵜呑みにはできないぞ。気を付けよう。



住友不動産HPより

個別企業③8830 住友不動産  

総合不動産最大手級。東京中心にオフィスビル、マンション開発。住宅リフォームで独自の強み

時価総額:14,806 億円
20年 1,409億
21年 1,413億
22年 1,504億 PE 9.8
23年 1,600億 PE 9.2
24年 1,650億 PE 9.0
※過去PER平均値は12.4倍 最低PERは7.5倍
22年 PBR 0.84
※過去PBR平均値は 1.28倍 最低PBRは 0.80倍
23年 予想配当利回 1.6%
※過去配当利回平均値は 1.0% 最大利回りは 1.7%

平均乖離割安度・・PER:137% PBR:152% 配当利回:160% 
最低乖離割安度・・PER:83% PBR:95% 配当利回:94% 

コメント:8830住友不動産は今の時価総額から20%ほど下押し警戒。大手3社三菱地所、三井不動産との比較では、三菱地所よりは割高で三井不動産よりは割安な水準。現在株価は3,110円だが2,500円~2,950前後底値圏。金利上昇による環境変化を数字にこれから折り込んできたらどうなるか、冷静に見ていきたい。今のバリエーションなら買える水準だが。





サムティHPより

個別企業④3244 サムティ  

自社系列REITや機関投資家向けに新築や再生マンション販売。ホテル開発・運営も積極化


時価総額:951億円
20年 106億
21年 100億
22年 102億 PE 9.3
23年 155億 PE 6.1
※過去PER平均値は7.5倍 最低PERは4.0倍
22年 PBR 1.00
※過去PBR平均値は 1.03倍 最低PBRは 0.61倍
23年 予想配当利回 4.4%
※過去配当利回平均値は 4.3% 最大利回りは 7.7%

平均乖離割安度・・PER:122% PBR:103% 配当利回:102% 
最低乖離割安度・・PER:65% PBR:61% 配当利回:57% 

コメント:3244サムティの現時点株価は2,044円。1150~1350円前後が底値圏か。まだまだだいぶ高値圏。もう買ってしまったが、追加投資は1500円前後で指値してみるか。



個別企業⑤3289 東急不動産ホールディングス

  
東急系の総合不動産大手。ビル賃貸が利益柱。リゾート開発や老健施設、再エネなど業容多彩

時価総額:4,535億円
20年 386億
21年 216億
22年 351億 
23年 390億 PE 11.6
24年 413億 PE 10.9
※過去PER平均値は14.4倍 最低PERは7.9倍
22年 PBR 0.66
※過去PBR平均値は 0.8倍 最低PBRは 0.5倍
23年 予想配当利回 3.0%
※過去配当利回平均値は 2.5% 最大利回りは 3.9%

平均乖離割安度・・PER:132% PBR:133% 配当利回:120% 
最低乖離割安度・・PER:72% PBR:75% 配当利回:76% 

コメント:3289東急不動産の現時点株価は630円。450~480円前後が底値圏か。500円前後から下に指値し待ち構えたいところ。単元安く買いやすい。気を付けたいのは自己資本比率が相対的に大手の中では一番低い。リスクは入れておきたい。


個別企業⑥3231 野村不動産ホールディングス

『プラウド』ブランド等のマンション開発、分譲が主力。自社ブランドの賃貸ビルやホテルも展開

時価総額:5,308億円
20年 488億
21年 421億
22年 553億 
23年 610億 PE 8.7
24年 630億 PE 8.4
※過去PER平均値は10.1倍 最低PERは6.0倍
22年 PBR 0.80
※過去PBR平均値は 0.83倍 最低PBRは 0.52倍
23年 予想配当利回 3.9%
※過去配当利回平均値は3.3% 最大利回りは 5.3%

平均乖離割安度・・PER:120% PBR:103% 配当利回:118% 
最低乖離割安度・・PER:71% PBR:65% 配当利回:73% 

コメント:3231野村不動産の現時点株価は2,902円。1900~2100円前後が底値圏か。だいぶ高値圏なので、配当利回り良いが、まだまだケンだな。


相対比較:

相対比較 バリエーション水準


相対比較 成長率、利益率:住友不動産が成長率、利益率は高い


相対比較 成長率、利益率


個別企業⑦8802東京建物

旧安田系の総合不動産。賃貸ビルとマンションが主力。オフィスや物流など収益物件開発を強化

時価総額:3,282億円
20年 317億
21年 349億
22年 430億 
23年 445億 PE 7.4

※過去PER平均値は10.3倍 最低PERは6.4倍
22年 PBR 0.73
※過去PBR平均値は 0.87倍 最低PBRは 0.69倍
23年 予想配当利回 4.5%
※過去配当利回平均値は2.9% 最大利回りは 4.7%

平均乖離割安度・・PER:139% PBR:119% 配当利回:155% 
最低乖離割安度・・PER:86% PBR:94% 配当利回:95% 

コメント:8802東京建物の現時点株価は1,569円。1349~1490円前後が底値圏か。高配当は嬉しい。1500円くらいから指値して待ち構えたい。


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