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批判はほどほどに

4月11日(土)、東京都内で新たに197人が、新型コロナウィルスに感染されているのが確認された。4日連続で東京都内の感染者数が過去最多を更新する事態となってしまい、そろそろ自分が感染するのでは?と不安になっている方も多いはず。

そのほかにも、大阪・神奈川で500人以上、千葉・埼玉・愛知・兵庫・福岡で300人を超え、感染者の増加に歯止めがかからない状態となっており、終息の気配が見えない。


新年度になって

4月になり、いつもと変わった新年度を迎えた方も多いと思う。会社では在宅勤務(テレワーク)を命じられたり、学校では臨時休校となって、自宅で過ごしたりと。特に学校では、2月末に政府からの一斉休校の要請を受け、長い春休みとなった学校がほとんどではないだろうか。

予定外の長期休暇からいよいよ、新学期を迎えた学校も続々と出てきた。感染者の少ない県では、6日や7日から授業再開という学校も多かったのではないだろうか。


でも率直に申し上げると、全国的に感染が終息しない状況のなか、授業再開する学校がが多いことに疑問に感じる。

百歩譲って、感染者が0の県だったり10人程度であれば、感染しないよう細心の注意を払って授業再開するなら、まだ同意できる。しかし、県単位で感染者が3桁に達した県で授業を再開するのは正直言って、自殺行為に等しいことだと思う。

学校内は、報道で耳にしたことのある「3密(密接・密集・密閉)」にがっちり該当する環境であるのは言うまでもない。それが私にしたら、余計に感染者を増やし授業再開することに疑問だと感じ懸念すること。加えて、3月末になってからは、10代や20代の若い世代の感染者が顕著に表れてきて、死者も諸外国では増えつつある。

もはや、若いからといって油断していたら、いつのまにか感染し周りの人にうつしていることも容易に想像つく。やはり、感染者の多い少ない関係なくゴールデンウィーク明け(5月7日以降)の授業再開が妥当ではないか。その分の遅れを取り戻せるか不安に思うかもしれないが、やはり命に代えられるものはこの世には一つも存在しない。命あってこそ日常生活を営めるため、子どもたちの命を守ることが最優先ではないだろうか。


伝え方が重要

ここ最近、ツイッターを見てみると「休校延長を!」といった、休校要請がでていない自治体に向けて意見を発信している方が多いことに気づく。また、署名サイトを通して、休校を延長するようにと署名活動をしている生徒・学生もいる。こうしてSNSを通して自分の意見を主張したり、直接市や県のSNSアカウントを通じて休校要請するのは全然悪いことではないし、この現状を考えれば、自然なことだと思う。

ここで一つ気になるのは、その訴えを直接市役所や県庁の担当課に電話して休校延長を訴えるケースだ。先に結論から言うと、この混乱している状況下で電話で訴えても、お互い良い結果にはならない。電話の方がダイレクトに訴えが伝わりやすいと思うかもしれないが、いまの状況下では、望ましくないやり方だと思う。

ニュースではたびたび、医療現場の切迫した様子が取り上げられ、苦しい状況に追い込まれているのが伝わってくる。でも実は、行政の現場でも医療現場同様の状況であることがニュースを見ても分かる。

その一つの実例が、教育委員会。感染拡大を防ぐために、学校の休校措置の可否を、県や市町村の教育委員会が判断している。前例があれば判断基準も明確で、休校可否も素早く対応できるはず。ところが、今回のようなウィルス感染は自然災害とは異なり前例がほとんど無いため、なかなか決断するのに時間がかかってしまう点はあるかと。

逐一感染者情報が更新されていく中、限られた人数で決断を下すのは、当然時間がかかる。その状況を知らないごく少数の人が電話越しに「うちの市でも学校一斉休校にして!」「5月6日まで休校を!」と感情的に訴えている人がいるのではと、ここ最近の報道を見て強く感じるのだ。

今回のことに限らずだが、電話をする行為は”相手の貴重な時間を奪っていること”を自覚していただきたいものである。いまの情勢を考慮すると、市のHPに併設されているメールフォームから要望を伝える、もしくは署名活動を通して、集まった署名をネット経由等で送るのが妥当かと思う。


恐れていたこと

そんな中、新型コロナウイルスへの対応にあたっていた北海道教育委員会の教育長が4日、亡くなった出来事が起きてしまった。

この教育長は、亡くなる前日の3日にも、北海道庁で開かれた新型コロナウイルス対策本部会議にも出席していた。憶測になってしまうが、連日コロナウィルスの対応にあたっていたため、しっかりとした休養も取れなかった結果、体に負担がかかりこのような事態になったのではと思ってしまう。

私も一時期、公務員の端くれにいたからわかるが、公務員という職柄、自然災害や有事のことが発生したら、土日深夜関係なくその対応にあたることになる。不眠不休で業務にあたることも珍しくない。そんな状態で一般市民の感情的な声を浴びてしまうことで、心身ともに休まることができず、負担が増してしまう。

いろいろ言いたいことはあるのは重々承知するが、人間である以上、些細な言葉で傷つくことだってある。教育委員会を擁護するわけではないが、休校可否の裏には、こうして不眠不休で業務にあたっていることを、一般市民側も頭の片隅に入れたほうがいいのではと思う。教育委員会で仕事にあたっている方の一部には、子どもの命を守りたい一心で日々頑張っている方もいるはずだ。

どうしても自分の子供の命を守りたいがために発言がトゲトゲしてしまうかもしれない。でも今は、批判ばっかりしている状況ではない。コロナ対応にあたっている方に感謝の念を持ちつつ、暴力的な発言にならないように気持ちを抑えて要望をしていくことが、お互いにとってもストレスが少なく進めることができると強く思うし、そうなるよう願ってやまない。

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