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【詩】大和魂(やまとだましい)

高鉄棒の上に座り
僕は手を離し
後向きに宙返りし
着地する

大和魂(やまとだましい)というこの技は  
頭から落下する恐怖を
僕に与える

鉄棒の上から 
校庭の一番遠くまで見える
その向こうには
地平線 
希望の帆船が僕の額を横切る

雲の傍観 
太陽の色に染まる生徒は
動き回る 
ボール投げ 影と光の運動会

少年の僕は目を閉じ
失敗しないように祈って

空の墜落 秒の回転 樹の幹が揺れ 足の裏から響く衝撃

タイムマシンから現れた類人猿の視線で
僕は辺りを眺めた
初めて見る世界を見るように

僕の仲間は皆
大和魂に挑み

その記憶を武器に
校庭の外の世界の密林で 
見えない猛獣と 聞こえない音に
怯えるのを拒否して戦った

心は武器だと
大和魂は僕たちの細胞に含まれている全てだと

勇気という血液が
僕たちの中を永遠に循環していると

墜落 回転  着地を成し遂げた者は皆
信じていた

手を握り合い
抱き合い

いつか再び 僕たちは
この校庭の鉄棒の前で再会しようと
誓った

今 
僕は
一人 鉄棒の前に佇み

視線が揺れるのをこらえて
それが現れるのを信じて
待っている


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