終焉
おしまいはいつだって唐突で
予告されたそれを心に刻んでいち、にい、さん。
歩みを止めないで
日が沈む時に願ったのはどうせ自分のことなんでしょう?
展望台から見下ろして
東経135度の真ん中に君を置くよ。
カーテンコールのない中で飲み込んだ針を
羅針盤にして君はいく。
海の彼方に終わりを見つけた君は
今から始める物語を僕に教えてくれはしない。
崖を蹴って始まり、海に出て終わるこの文字の羅列を
一体誰に届けと僕は願うのだろう。
他人のためを装った自慰行為
うまく塗れない赤を拭って。
いつだって終わりは何かの始まりだ
だとするなら
一体誰が最初の何かを終えたのだろう
禁断の木の実を食べたのはだあれ
身の程知らずはきっと六等星にすらなれない
知っていたみたいだね
君は僕の終わりだ
始めよう
物語は誰の中で。
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