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【出産編③】息子、生まれました。

皆様、大変長らくお待たせいたしました!息子、ようやく生まれます!
思い出しても長い戦いだった…。

注意:生々しいリアルな話も出てきます!苦手な方は注意!
あくまで私自身の体験に基づいたレポートです。専門用語の記憶違いや勘違いもあるかもしれません。気がついた方はお知らせください。また、出産前後の出来事はところどころ記憶が曖昧です…。(それだけバタバタしていたということですね)出来る限り記録をもとに書いていますので、大筋は合っていますが、一日の中の時系列が多少前後している可能性はあります。ご了承いただければ幸いです。

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・10月26日 午後
私は分娩台の上にいた。子宮口はほぼ全開。いよいよ、いきんでみようかという段である。分娩台はリクライニング機能付きの、両脇に手すりがついたベッドで、私は左向きに横たわっていた。手すりをガッチリ掴んで、陣痛が来たタイミングで息を吐きながら力を込めていきむ。汗はダラダラ、息はハアハア、とにかくしんどい。自然と声が漏れる。痛みによる悲鳴ではない。気合いの雄叫びだ。(雌だけど)
この時の心情を私の言葉で例えるならば、力士相手に絶対に負けてはいけない綱引きをしているような感じ、である。
夫も私と一緒に声を出してくれた。そうしたら何だか面白くなってしまったので、声で遊んでみた。
「はぁ〜っ!ひぃ〜っ!ふぅ〜っ!へぇ〜っ!ほぉ〜?」
なぜ疑問系?と夫。いきみ方が合っているかわからなかったので、助産師さんに、合ってますか?と聞く私。合ってるわよ、と助産師さん。
よっしゃ、と自信を得た私は、顔の汗を陣痛の合間に自分で拭く。
そして、それは急に来た。
とんでもなく大きなうんちが出たような感覚があったのだ。
「なんか出た!」と私。
「大丈夫よ、出ないから!」と助産師さん。
ついに赤ちゃんの頭が降りてきたようだ。
私は陣痛に合わせて何度かいきんだけれども、赤ちゃんの頭は見え隠れするばかりでなかなか出てこないようだ。排臨(陣痛が来ていきむと後頭部が見え、終わると引っ込んで見えなくなること)はあるんだけどねぇ〜、あと頭が卵膜(子宮の中で羊水と赤ちゃんを包んでいる膜)を被っちゃってる、と助産師さん。赤ちゃんの頭全体が出て来ないとお産にならないのだ。
周りは慌ただしく赤ちゃんを取り上げる準備を始めた。私も膝を曲げた仰向けになり、膝下にカバーを付けられた。そして、尿カテーテルで導尿された。少し痛かったような気がする。
と、そこに産婦人科のドクター登場!助産師さんから、頭が卵膜を被っていると聞くと、ささっと指で破ってくれた。私は温かいもの(おそらく羊水)が流れ出るのを感じた。もう一息だ!
オッケー!会陰(えいん)やわらかい、と助産師さん。マッサージの効果が出たね、などと夫と喜び合う。それでも赤ちゃんの頭は出たり引っ込んだりして、なかなか全体が出て来ない。何回かいきんだ後、ドクターに、少しだけ会陰切っても良いですか?と聞かれた。嫌だなどと言えるはずもなく、私は承諾する。マッサージをしていたから少しだけで済んだと思うことにした。
切開のための麻酔をする注射の、チクッとした痛みなど陣痛に比べれば何のその。もう産めるとなれば何でもない。後から夫に聞いたことによると、会陰切開の時にジョキンと音がしたらしいが、麻酔が効いて全く痛みは感じなかった。
さあラストスパート!私はまた陣痛に合わせていきむ。しかし、ただ力を入れれば良いというものではない。助産師さんから色々と指示が入る。
「目は開けて!声は出さないで!おへそ見て!」
やること多いわ!
「じゃあ次の強い陣痛来たら教えてください。それで産みますよ!」
私の場合、ブルッと震えが来るのが陣痛の来る合図だったのでわかりやすかった。来ました!と言って、出来るだけ長くいきむ。
「あっ、出た!」
その瞬間私は、温かいものがドゥルンッ、と出るのを感じた。

2020年10月26日16時30分、我らが息子、よっしゃんがついに産声を上げた。
やっと生まれた…。長い戦いだった…。嬉しいよりも何よりも、ほっとした。横で夫はそっと目を拭っていた。
暢気に喜んでいる間もなく、へその緒を切るなど、様々な処置が着々と行われる。よっしゃんは計測のために連れて行かれ、夫が写真を撮るためにスマホを持ってついていった。後から聞いたことだが、へその緒は83cmもあったらしい。平均が55cmくらいらしいので、とても長い。身長は48.9cm、体重は2870gだった。
お腹を押して止血をしてもらったのだが、これが結構痛かった。ん、んん?と思わず顔をしかめるくらい。赤ちゃん産まれたのになんでまた痛い思いしなきゃいけないの?と気持ちが納得行かなかった。胎盤は知らないうちに出ていた。
会陰切開の傷も縫ってもらった。縫われている感覚はあったが、痛みは感じなかった。
戻ってきたよっしゃんは私の胸に乗せられ、カンガルーケアをする。
「おっぱい飲めるかな〜?まだ舐め舐めするくらいか〜」
と助産師さん。
私は胸の上の小さな人を見て、ちゃんと爪があることに感動していた。もう人体として完成しているのだ。
よっしゃん、私、夫の3人の写真を撮ってもらい、よっしゃんはコット(ベビーベッドみたいなもの)へ。そこで一つ可愛いくしゃみ。
「もうくしゃみできるんだ…」
一つ一つの生命活動に驚きを禁じ得ない。
しばらくすると、夕飯が運ばれてきた。私にとっては長い長い特別な一日だったけれど、他の人にとっては、寝て起きて仕事してご飯を食べて、といういつもと変わりない日常だったのだと思うと、不思議な気がした。そして、陣痛を気にしないでご飯を食べられることが、とても幸せだった。
よっしゃんが産まれてから2時間が経ち、家族3人で一緒にいられる時間に終わりが近づいてきた。これから一週間、誰とも面会することはできない。私は授乳、おむつ替え、沐浴のやり方など、覚えることが目白押しだ。でも、この時は達成感で一杯になっていたので、寂しいとか不安だとかいった感情が入り込む余地はなかった。
夫は私の汗でドロドロになったお産用パジャマやタオルを持って帰宅し、助産師さんが来てくれた。まず一人で立てるかを確認されながらトイレへ。お産で出血するので貧血になる方も多いらしい。尿意も感じづらくなるらしいが、私は少し感じていた。トイレで便器に座ると今までにない大量のおしっこが出た。立ち上がると便器の水たまりが真っ赤だったので、そこで初めて結構出血したのだなあと知った。後で聞いたところ、私のお産時の出血量は多く、556mlだったが、特にクラクラしたりもせず、普通に元気だった。
よっしゃんはその夜ナースステーションで見てもらうことにして、私は車いすに乗せられてLDRから病室へと向かった。
2月末から始まった、妊娠・出産というイベントが今、ようやく終わったのだ。とりあえず今夜はゆっくり休みたい、そんな気分だった。

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出産編、ようやく完結です!長い間お付き合いいただきありがとうございました!この後も入院編・里帰り編と続く予定ですが、サクサクッといきたいと思います。
ではまた次の記事でお会いしましょう〜!


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