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学歴と仕事の関係4

前回までのお話

慶應在学中の私、就活に苦労したが社員食堂や学生食堂を運営する企業に内定をいただく。サービス業は全くの未経験だったので、4年生の後半は飲食店でアルバイトをし、2014年4月、晴れてピッカピカの会社員一年生に!しかし待っていたのは怒涛のOJTだった…。学生食堂、ホテルの現場を回り、いよいよ最後の研修先へ!

仮配属3箇所目! ☆社員食堂☆

2014年7月末、総合職1年目が本社に集められ、配属式で最後の研修先が発表された。私の配属先は某企業の社員食堂だった。さて、同期が大勢集まる機会などそうそうないので、配属式の後は飲みに行こうかという話になる。そこで、同じ研修先を経験した人と情報交換をするのである。当然私も、次に行くところを経験して来た同期を捕まえて話を聞いた。

「ベテランのパートさんは〇〇さんと☆☆さんで、色々教えてくれるよ」

ふむふむ。

「でも、この間ホールマネージャーの人と、とあるパートさんが揉めて、パートさんがバックれた(無断欠勤した)」

?!?!?!

行く前から不穏な空気を感じる。しかし、時は待ってくれない。8月、最後にして最難関の仮配属期間が始まる…!

初日からやらかした!

8月1日、初日から遅刻した。

寝坊ではない。電車遅延だ。遅れることがわかった時点で営業所に電話を入れたが、暑さと焦りで汗がダラダラである。ようやく営業所のあるビルに着き、到着した旨電話をすると、ホールマネージャーのAさんが迎えに来てくれた。このAさんに、ここから2ヶ月、私は散々怒られることになる…。

イベント企画を任された!しかし…?

この営業所での私の主な仕事内容は、昼食の副菜の盛り付けや提供、食器の洗浄、昼間の喫茶でのドリンク提供とレジ打ち、夜のパブでのドリンク提供と軽食作りとレジ打ち、売店の商品のチェックなどだった。

業務にあたって、私は一つ大きな問題を抱えていた。直近の営業所がホテル、しかもフロントや客室清掃をしていたので、飲食の現場におけるルールを忘れてしまっていたのだ。ただでさえ役立たずなのに、余計に酷いことになりそうだった。

それに加えて、配属初日にAさんから、パブのイベントを考えてほしいと言われていた。イベントと言っても、一般的に想像されるような、大勢が集まるエンターテイメント的なものではない。集客アップが見込まれるちょっとしたキャンペーンのようなものだ。

さて、新人にイベント企画を任せる時、皆さんならどうするだろうか。私の感覚だと、「1年目の子なんてイベントと言っても何をすればいいかわからないだろうから、過去にどんなことをやったのか、どんな結果だったのか教えておこう」とするのではないかと思うのだが、Aさんは、自らそういう情報をくれることはなかった。私が恐る恐るお伺いを立てて、初めて教えてくれた。Aさんは万事がそうで、聞けば教えてくれるが、聞かないと教えてくれなかった。(ルーティン作業的なことは普通に教えてくれた)「こういうことで困るかもしれないから」という一歩踏み込んだ説明はしてくれなかった。

そんな四角四面なAさんなので、話が通じないと思うことがよくあった。具体的な記憶があまりないので具体的に書けないのがもどかしいのだが、なんというか、会話に遊びがないのだ。(遊びというのはジョークのことではない、バッファーのことだ。ニュアンスを汲み取ると言った方が良いだろうか)

結局イベントは、私が宣伝のチラシを勝手に置いて怒られたり、ブラックボードを描くのを任されるも絵心がなさすぎて酷い出来だったりしたが、どうにかこうにか実施された。

私は私でクズだった

前段落ではAさんの悪口のようになってしまったが、私は私でクズだった。この後に及んでまだ慶應卒の学歴にしがみついていたのである。「どうせ10月から本社行く(だろう)し…。周りには私より高学歴の人いないし…」などと周囲の方々を舐め腐り、仕事に対するモチベーションはとても低かった。どれぐらい低かったかというと、自分の記憶力を過信して、教わったことをメモしなかった。Aさんに、「すごーい。メモ取らなくても覚えられるんだー」と嫌味を言われてようやくメモをするような有様だった。

クズエピソードはまだある。食器の洗浄に入っていた時の話だ。大きな社員食堂は大抵、下膳口の裏側は洗浄室になっている。一度水に沈められた大量の食器はベルトコンベアに乗せられて洗浄機へと流れて行き、綺麗になったところを人が回収して乾燥機にかけるというオペレーションだ。ランチタイムが終わり、食器洗浄も終わると、今度は巨大食洗機の洗浄が行われる。その一つの行程として、食器が沈められる巨大シンクのようなところに入り、ホースで汚れを洗い流すという作業がある。

一緒に洗浄に入っていたパートさんが、「アンタはお偉いさんになるんだから、何でも経験しておかないとね!行くよ!」と声をかけてくれたのだが、私は「行きますか。いいですよ」などと答えていた。「仕事だよ!」と威勢よく突っ込まれただけでその時は済んだ。もし当時の私が横にいたら、ハリセンでしばき倒しているところだ。

他の営業所にヘルプに行ったらびっくり!

別のある日、他の営業所にヘルプに行くことになった。某大手企業の食堂ホールを縁日仕様にして夏祭りを行うというので、そのお手伝いである。昼食後に何人かで出発することになり、その中に会社の超偉い人もいた。行きがけに少し話をする機会があった。

「この会社で何をやりたいの?」

ー学生食堂に関わって、学生さんの健康に貢献したいです。(あながち嘘でもなかった)

「そういうのは栄養士の業務だから、総合職として何ができるか考えた方がいいね」

偉い人が言うことはもっともで、総合職の私達は現場で使えるスキルは何も持っていない。私は何も言えなくなってしまった。

「それから、服装は少し考えた方がいい。クライアントの施設に出入りする当社の社員であることを考えて」

服装。そう、私はどうせ営業所に着いたら着替えるからと、スーツではなく私服で通勤していた。このことについては後でAさんからも怒られることになる。「学びに来てるんだから」ということだそうだ。

ヘルプ先の営業所では、夏祭りに来たお客様の誘導などをした。そこでびっくり、お客様の中に高校の友人がいたのだ!お互いに「え、何でここに?」である。友人の勤務先がたまたまヘルプに行った営業所のクライアントだったというだけなのだが、世間は狭いなあと感じた。そして私は、このシチュエーションにおけるお客様とスタッフという立場の違いを変に意識してしまい、謂れのない劣等感を覚えてしまった。(「高校時代は私の方が成績良かったのに!」)

本配属前面談

10月1日の本配属を前にして、本社での面談があった。人事の偉い人2人との三者面談である。本配属先の希望や、困っていることはないかどうか聞いてくれる。私はここぞとばかりにAさんへの不満、服装について注意されたことなどをぶちまけてしまった。

Aさんについては、「彼女も曲げない人だから。それに先輩のことを悪く言うのは良くない」ということだった。

服装については「総合職としてどうあるべきか意識して」ということだった。

この時のことを振り返ってみて、思うところがいくつかある。

「先輩のことを悪く言うのは良くない」…先輩とか後輩とかそういうことではなく、人の悪口を言うのは良くないのである。感情に任せて言ってしまったことを今は反省している。

「総合職としての服装を意識して」…総合職として、とは何なのか。栄養士や調理師はキチンとしていなくてもいいのか?(いや、そんなことはないだろう)そもそも真夏クソ暑いのにスーツで営業所に行く意味ないだろ!社外の誰が見ているというのだ。賛否両論あるとは思うが、今でも私はこの点について納得いっていない。だって、本社で事務仕事に携わる今、超緩い格好で出勤しているが、誰にも何も言われない。(さすがにTシャツやジーンズでは行かないけれど)この件を通して、会社は小さな身分社会なのだと感じた。

OJT終わり!やっと本配属!!

6ヶ月間のOJTはこうして終わった。8年経った今もはっきり覚えていることがある程、中身の濃い時間だった。ちなみにAさんとは、研修が終わる一週間前くらいに漫画好きという共通点が発覚して、心の距離が1センチくらい縮まった。でもやっぱり最後まで噛み合わなかった。

ちなみに本配属は予想通りというかなんというか、本社の管理部門になった。本社勤務になったからといって、天国になったかというとそんなことは全くなく、また種類の違う大変さがあったのだが、その話はまた別の機会に譲るとしよう。

終わりに?

学歴と仕事の関係、4回に渡りましたが、お読みいただきありがとうございました!それではまた次のテーマでお会い…とはなりません。

何故ならここからが本題だから。

自分語りでは終われないので、続く!!








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