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産後に感じる孤独の正体

こんにちは。助産師えっちゃんです。

職業柄、産後のメンタルヘルスについて知識があり、自身の出産では産後を万全に準備したつもりでした。ただし産後1ヶ月までだけだったため、一人目の産後は夫が育休を明けてから孤独過ぎて鬱っぽくなり、復職後はワンオペでムリをして体調崩して入院したほどでした。

自分の経験だけでは参考程度にしかなりませんが、これまでお会いしたママさんたちの中で、産後に孤立して平気な人は一人もいませんでした。

ヒトは最弱の哺乳類。だから集団で生活し、狩猟し、子育ても集団養育を選び進化してきました。遺伝子レベルで、大人一人では赤ちゃんを養育できないようになっているのです。

そうした話を普段は意識することはありません。何だったら便利な今の世の中、一人で生きていけると勘違いするのも当然です。
「一人で生きていける」ではなく、「暮らせてる」だけなのですが。

お産は命がけです。昔は助産師さんがお産から産後しばらくの間は、色々教えてくれたり、世話をやいてくれました。
戦後、病院での出産が主流になり、退院後は家族親戚仲間うちで協力し合うようになりました。子どもも周りに多かったし、育児の知恵の伝承はありました。

平成になり、核家族化が一層進みました。夫婦単位が中心の育児が増えました。里帰り出産してもしなくても、親世代とは育児方針が違うといって衝突し、地域の助産師が「今どきの子育て」「今と昔の育児の違い」について、若い夫婦から依頼され親世代に講座をするようになりました。

令和になり、コロナ禍へ。ますます家族、夫婦単位の生活になりました。SNSの利用者は増え、オンライン化が進み、知りたいことはGoogle先生検索🔍
情報を得やすくなったのですが、、、孤独孤立を情緒的には解消できません。ホルモンバランスが崩れている(前頭葉が機能しない)産後ママには情報の取捨選択は難しく、なかなか自信に繋がりません。
孤独を感じること自体は感情なのでそのままで良いのですが、すぐリカバリーできる環境であって欲しい。それは「あなたのことを心から心配してくれる人」「正しい情報を渡してくれる人」「そばにいて見守ってくれる人」「心配や不安を助長させる人や物を、遠ざけてくれる人」たちの存在が欠かせません。

出産する女性が「大事にされている」と感じて初めて、赤ちゃんにも優しく接することができるのだから。
赤ちゃんもまた、大人たちが弱っている産後ママを大切に接する様子を見て、「あーここは安心できる世界なんだ」と感じて成長していくことができるのです。


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