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無垢ゆえの怪物。映画『怪物』鑑賞

“”こどもは残酷だ”

とはよく言われますけれども、
それと同時に
こどもってものすんごく繊細なんですよね。
誰もがみーんなこどもだった。
しかし大人といわれる年齢になってしまうとこどもの気持ちなんてすぐ忘れてしまう。
二度と戻れない大事な時代はほんとあっという間だと半世紀何とか生きてきた私はしみじみ感じています。

初めはよくありがちな陰湿ないじめにあう男の子が主人公の話かと思いきや。
永山瑛太演じる担任の先生が胸糞悪いサイテー野郎と思いきや。
田中裕子演じる校長先生が孫を事故で失い正気もやる気もなくなった可哀想な女性かと思いきや。
あれ、安藤サクラ演じるシングルマザーでも明るく前向きに息子を大事に育ててきた母親が一番まともに見えたけどそうじゃないの?と思いきや。
いじめられてないよ、と無邪気に笑うお友達の男の子は優しくて良い子だな、と思いきや。

すべてがひっくり返った時、あ、あの時の!と次から次へと伏線が回収された時なんとも説明出来ない涙が溢れてしまいました(ここ何年も情緒不安定なもので)。いや、誰もが泣くような映画ではありません。念のため。


この映画で二人の子役さんはもちろん俳優さん達が本当に素晴らしくて。
安藤サクラは存在自体が癒しでしたし、永山瑛太は本当に上手い。そして田中裕子は本当に怖い笑。人間の闇が見え隠れして背筋がゾクゾクしてしまいました。

セクシャルマイノリティに触れる面も描かれ鑑賞する側の見方によっては如何様にも想像できるラスト。


個人的にいろいろと考え込んでしまう出来事があり観ようかどうしようかと悩みましたが観て本当によかったです。

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