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《現代詩》花が咲く季節

花が咲く季節
まだ風は冷たいのに
誰彼ともなく
そわそわし出して

別れもあれば
出会いもあり
未開の地を探ったり
現在(いま)という刹那に滞ったり

変わるもの
変わらないもの
過ぎゆくもの
留まるもの

行く果ては
ひとり
群衆のなかで
より深く感じ

静寂の脆さよ
雑音の儚さよ

この世に
今確信できるのは
いったい
何だろう

気づかなくていい
気づかない方がいい
不安と畏れが渦巻く

それが
春なのだから

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