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レヴィ・ストロースを読む2

レヴィ・ストロースは、人類を脅かす2つの禍を
自らの根源を忘れてしまうこと
・自らの増殖で破滅すること
であると述べた。
これらの言葉こそが、現代の日本、いや現代の世界に必要な言葉だろう。
『自らの根源を忘れること』とは、伝統・文化の否定と同意義であり、『自らの増殖で破滅すること』とは、人口増大の事と、それにともなう経済的・科学的発展を意味している。
科学的発展か…
ある私のイギリス人の知人が『科学は下品だから』と言った言葉が、長らく私の中にひっかかっていた。
私は科学的発展を否定するつもりは全くなく、推進したい私にとっては、その言葉は、まるで鵺のようだった。
ある時は、その言葉を全否定し、ある時は、一理ある事を認めながら。
しかし、レヴィ・ストロースの本を今回、改めて読み直してみて感じた事は、全否定でも、全面的推進でもなく、伝統とのバランスを測りながら進む事の重要性を改めて認識させてくれた。そして、何よりもレヴィ・ストロースが、人口の増大も『人類を脅かすこと』だと言っている点が賞賛に値する。人口を常に増加させ、日本の人口を2億人、3億人、4億人にしても、国土面積は増えないのだから、むしろ土地の値段が高騰し、家を買えないどころか、賃貸物件でさえ、賃金の大部分を投入しないと暮らしていけない生活が予想できる。また工場だって、土地高騰の状況では、海外に工場を新設せざるをえないだろうし、雇用は減る要素の方が多い。
これは以前、私がポストで指摘した事だが、こんな未来が日本人にとって幸せであるはずがない。
レヴィ・ストロースが、人口の増大は『人類を脅かす』と言っている事は、『少子化で日本が衰退する』などとぬかす今の政治家に聞かせたい発言だ。

さて、この『2つの禍』を踏まえて、彼の著作『悲しき熱帯』の中で、一番、重要な箇所を引用したい。

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