黒澤サオリ

私の小説を読んでくださった方、ありがとうございます。

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根腐れ一家

根腐れとは、何か。 根腐れとは、観葉植物など水のやり過ぎや、土に雑菌が繁殖するなど、原因は様々だが、根腐れ一家の原因は、問題を解決するという能力がないために、根腐れを気づかず、時がたち、自分の都合の良いことだけをまとめて、人のせいにして生きていく人なのかもしれない。 「私、じゃないよ」 だれも、そんなことを聞いていないのに、ここにあった、香典の袋がなくなった。 親戚や知人など集まった家の中で、テーブルに置いてあったはずのものがない。 もう、どうでもよかった。 きっと

        • 人間

          パンが、斜めになっていると直してしまう。 唐揚げ、おでん、早朝のコンビニでバイトをしている私が、ついついやってしまうクセに、笑ってしまった。 「いらっしゃいませー。」 朝だから、なるべく爽やかな笑顔で、対応しようと心がけていた。 「ありがとうございます。」 (ありがとうございました。)でなく、(ありがとうございます。)と、教えられた通りにやっていた。 早朝の品出しで、ある程度の売れる商品は、把握していたから、パンの発注を任せてもらえた時は、嬉しかった。 毎朝、廃棄のパ

          the last scene 僕が好きな君

          「別れて下さい」 僕の母は、泣きながら彼女に言った。僕は、何も言えずにいた。 彼女と出会ったのは、大学三年の春だった。 学内のサークルの適当で中途半端なのが嫌になり、自分で新しく何かを立ち上げようと思って、年齢を限定することなく地域で、体操サークルを立ち上げる計画をした。 何も恐れるものなどなく、自分でゼロから作り上げて行く好奇心のかたまりの様な動きをして、走り回っていた。 高校時代やっていた機械体操の経験を活かして、地域のコミュニティ新聞にメンバー募集の広告を出したら、

          the last scene 僕が好きな君

          らんる(襤褸)

          「お願い怖いの寒いの」 彼女は、震えながら言った。 真夏だというのに震えながら、辛そうな顔をして、幸せを喜べない不安な気持ちでいた。 (ETCカードが残っています) 車から聞こえる声に、今日も一日が終わったと車の中で、一呼吸する。  車から降りて、自分の部屋を見上げたら、玄関に、人影が見えたので、その日は部屋へ帰ることをやめてホテルに泊まった。 母が、私の部屋の玄関前に、荷物を置いていった。 自分が受ける結果は、自分が作ることを、この頃の私は知らなかった。 それよりも

          らんる(襤褸)