見出し画像

大切な2人と

友人の結婚式から帰ってきた彼女は泣いていた。

訳を聞いても答えられないほど泣いていた。
おそらく昨日のことだ。

昨日私は、病気の親が心配で、北海道に帰って親と過ごしたいことを彼女に打ち明けていた。

1時間は過ぎただろうか。泣き止まない彼女に何もすることができず、ただ抱きしめていた。

彼女が話し始める。

「結婚式見てて、いいなって思って我慢してたけど、玄関開けたら泣いちゃった。」

「同じ職場だから勤務地も同じで、旦那さんが年上だから、結婚したいタイミングが一緒で」

私は、返す言葉が思いつかない。

私は彼女が好きだ。彼女も私を好きだ。
喧嘩をしたことも、不満も一切ない。今もだ。

今の私には、興味のない仕事と、そばにいたい大切な人が2人いる。

興味のない仕事はいずれ辞めるとして、
そばにいたい2人は、特に「今」そばにいたい。

親父は、いつ死ぬかわからない。
彼女は、後数年で結婚したい。

この2人にとって今が一番大事な時期だ。
ネックなのは、紛れもなく2人の物理的距離。
北海道と東京。

私が、北海道へ行くとするなら、彼女も今同棲している家から出て行くことになる。
いつ北海道から帰ってくるかもわからない私を待っていてくれるだろうか。

彼女は結婚願望がある。おそらく別れてしまうだろう。

私が、東京に残るとするなら、彼女とはほぼ間違いなくうまくいくだろう。ただ、年に数回しか会えない親父が死んだ時、必ず後悔する。

絶対だ。これに限っては取り返しのつくものではない。厳格で、憎んだこともあったが、私にとっての父親はあの人だ。感謝と尊敬はあの人から学んだ。今できる恩返しを全部したい。

この2人の間で揺れる。
居住の選択肢は3つ。

・東京
・北海道
・両方を行き来する

私は3つ目の選択肢を選ぶ予定だ。
そうなると、自ずと選ぶ仕事の幅が狭まってくる。仕事の選択肢は二つ。

・今の仕事でフルリモートが可能か上司に相談する。
・フルリモートの職場を探す。

徐々に固まってきた。
そううまくはいかないだろうけど、
少しずつ人生の分岐に差し掛かっている気がする。

1人で抱え込むには少ししんどくなってきたが、誰が悪いわけでもない。自分の人生を選択するだけだ。未来は明るいはず。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?