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衝動から得るもの

アクティブなわけではありませんが、ピンときたらあまり考えずに行動に移すタチです。そのおかげで(?)、素晴らしい作家さんや作品を知ることもできるのですが、今回は国との出逢いのお話しです。

仕事以外では予定を立てるのが性に合わず、さらに忙しく働いていた当時は連休の過ごし方も決めておりませんでした。帰宅途中にふと見上げれば、旅行会社の看板。アッ!どこか行こう、とひらめいたままそそくさと階段を登り見渡せば、どういうわけかそこにはメジャーな国の広告がない。。
おやおやとはさすがに感じましたが、ナゼかわたくしのお尻は椅子へスライディングするように直行。もう、目に留まった国に決めて数日後に出発にいたしました。
国は、スリランカ。

即決の勢いが災いしたのか、申し込み後にシーズンオフの時だと知りましたが、そんなことはどうでもいい。わたくしは本当に久しぶりに外国へ行きたいのだ、というそのひらめきだけで飛行機に乗りました。
およそ7日間、ニゴンボ⇒シギリヤ⇒キャンディ⇒コロンボ という流れで、ガイドさんとドライバーさん貸し切りです!(正確にいうと、他に申し込み者がいなかった。)到着した空港で日本では出来ない換金を済ませゲートを出れば、わたくしの名前を持ったのっぽのガイドさん。おお、こんな旅行は初めてだぞ。
その時のスリランカの治安はまずまずでした。しかし「次の政府になったら荒れる」とのこと。実際深刻な経済危機を迎え、そうなりました。この国のインフラを整えたのは、そもそも何と日本人だったというせいか、過ごしているうちに親日国なのだとわかりました。「この道路も、水道も、車も、日本人から来ている」と。帰国後、jaica 組織概要 | JICAについて - JICA 出身者に出合い、実際スリランカで働いた、と聞きました。日本にいる日本人が知らない日本。

石窟寺院やシーギリアロック、ローズクオーツマウンテン、アーユルヴェーダ、キャンディダンス、セイロンティーファクトリーなどなど楽しみましたが、印象的だったのは観光名所以外の部分。
ひとびとの笑顔の美しさといったら!2泊したホテルのウェイターさんが好みのコーヒーを覚えてくれていたり、断崖の崖から臨むバルコニーの席を勝手に予約席にしてキープしてくれていたり、途中で偶然出会った結婚式に同席したり。市場で大事にされていた生まれたばかりの子猫たち、ジャガイモが150種類もあるの知ってた?とか、あの川で先週ワニにひとが襲われた、等々。つまり、にんげんらしく生活しているという意味で、豊かなのです。もちろん、時として過剰なチップを要求されたり、パワフルな蚊に刺されて我慢ならなくなったりしましたが、日本で便利さや都合の良さしか知らなかったら、人生大損していたと感じました。

この旅の宝経験は、サファリです。
コケイジャンが乗る何十台とあるTOYOTAジープの群れの中、すれ違うたびに驚きとウィンクと笑顔で見つめられた、そう、ジャパニーズ一人のジープチャーター。専用ドライバーも「日本人一人って初めてだよ、クールだね」とワクワクしてくれました。いやそうじゃない、全てはあの日本での衝動的な行動から今ここで、こうなっているんですよ。。。と内心苦笑いです。。。
途中、長い列車の通過を待ちながら大きく手を振ったら、見渡す限りの車窓から手を振り返してくれたスリランカのひとびと。
ジープの鉄の横棒につかまり衝撃に耐え、まめが出来た手のひらと、帰国してもかゆかった顔の虫刺され。自身への貴重なお土産となりました。

なかなか語りつくせませんが、きっと老人になっても思い出す、得たもの。あの時期のスリランカでしか体験できなかったこととして、記しておきます。
【旅先の風景】 特に印象に残るものですね。スリランカでサファリをした帰り道、見渡す限りに遮るものなく広がる夕陽の中を、ひたすら真っ直ぐジープで飛ばした風景が今も美しく心に残っています。まさに、ルパン三世|美恩 (note.com)
【もう一度みたいもの】 スリランカの石窟寺院の入り口にいた僧の目。泣き出しそうなうるんだ瞳で、手首に守りの糸を結んでくれました。あまりに綺麗な瞳で、息をのみました。遠く離れた道から振り返ると、向こうから|美恩 (note.com)


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