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終着駅へ行ってみた『室蘭本線第4回』岩見沢《いわみざわ》

岩見沢駅は石狩平野のど真ん中というロケーション
に佇む近代的な建築物

北海道の中心でアイ・・変わらず叫ぶ

北海道内最古の鉄道

日本で三番目に完成した幌内鉄道の駅として
岩見沢駅は1884年(明治17年)開業した。
日本国内では歴史の深い駅のひとつだ。
札幌から旭川へ電車で向かうと岩見沢到着の直前に
車窓の左手には複数の線路と広大な空き地が広がる
かつて東日本最大の操車場であった
岩見沢操車場の跡地だ。
岩見沢は国鉄が制定した全国に12しかない
鉄道の町のひとつだ。

しかし現代では・・・
鉄道ファンにはほとんど見向きもされない。

室蘭本線苫小牧~岩見沢間

かつてはほとんどの区間が複線であった
現在は実質的にローカル線だ。

普通列車より特急が頻発する長万部~東室蘭間と
複線電化の室蘭~沼ノ端間は
本線として有効活用されている。
沼ノ端を離れた室蘭本線は
昔日の栄光を微塵も感じさせない・・・
あっけらかんとした風景が追分まで続く。
「なぜ複線なのか」

不思議なくらいローカル線だ
日本国内には
呉線を筆頭に
電車が頻発するのに単線で凌ぐ路線も存在する。
それなのに・・・

室蘭本線三兄弟

鉄道路線も人間のような性格を有する

室蘭本線の長万部・東室蘭間は
地元志向より観光重視の

チャラニ男


室蘭・苫小牧間は実質重視
質量ともに本格的本線の

堅物長男


苫小牧・岩見沢間は
没落した名家の出

おっとり末娘


そんな性格の兄弟姉妹が室蘭本線という名家を
支えている。

末娘は・・・
育ちの良さを隠すことができない。
志文をすぎて・・・
たった7~8分で
感動の終着駅
愛しの岩見沢さんと再会できるのに・・・

ラストスパートなんてハシタナイことはしない

良家子女の風格である。
終着駅感をおくびにも出さず
一両ぽっきりのディーゼルカーは淡々と
岩見沢駅一番線に到着する。

岩見沢の現駅舎は四代目※だ。
 ※LDHではなくJRHokaido所属だ
グッドデザイン賞を受賞した
オシャレな都会駅の雰囲気だ!

駅前は・・・

駅舎以外は・・・都会というより
地方都市の雰囲気満載てんこ盛りだ。

駅前には高い建物すらない。※
※2024年現在

北海道だけではなく日本中の地方都市に
共通する現象だが

町の中心は駅前ではない。

クルマの便が良い
郊外のショッピングモールに比べたら
中心部は閑散としている。

東京圏や京阪神圏中京圏のターミナル駅前と
地方駅前の最大の違いは
人の波だ!

地方都市の駅前は

通過点であり目的地ではない

岩見沢駅が鉄道ヲタクに見向きもされない理由は

この駅に到着する室蘭本線昼間の列車は
2本しかないことだろう
函館本線は堂々たる幹線で旅情より日常が勝る
旅情がある室蘭本線には
旅を楽しめる列車自体がほとんどない。
しかも・・・朝晩の列車は

「高校生御用達」

幟を立てても違和感がない

午前は10:11分岩見沢着 
午後は14:50分岩見沢着
高校生専用列車以外に
旅情を楽しんで岩見沢に到着する列車は
これっぽちだ!
本線と呼ぶのに抵抗を感じるほど・・・
閑散区間なのだ。

乗換の函館本線

10時・11時台札幌方面行
普通2本特急2本
14時・15時台
普通2本特急1本

5分から15分程度の待ち時間で
札幌や旭川へ出発できるのだから・・・

岩見沢駅のホームから
鉄ヲタは
「ばんばの写真」
を撮影していると思ったら・・・

駅ホームに迫力まんてんのばんば

神隠しにあったように忽然と姿を消す。

駅前は普通の地方都市

北海道としては・・・特色の薄い雰囲気だ。

さっさと乗り換えて目的地へ向かう
鉄ヲタが多いのもうなづける。

小生は普通の鉄ヲタではない。

岩見沢の市街地を30分ほど散策し

「どろラーメンのだるまや」

を訪ねる。

「どろラーメン」
というネーミングが適切かどうか?
小生は判断しない。

見た目を重視する
現代を颯爽と生きる
SNSなどのインフルエンサーには
見向きもされないだろう。
名前どころか
ラーメン自体も「映えない」

ただし・・・
家族と三笠鉄道村を訪ねたとき
国道12号の沿道で食べた
「どろラーメン」は空腹も手伝って

とても美味しかった

「味は見た目とは違う・・・」
岩見沢の町にもだるまやがある。

特色のない地方都市とは岩見沢に失礼だが・・・
それは・・・
無理にキャッチ~なコピーや
受けを狙った発信をせずに・・・
人徳でフォロワーを吸引する・・・
のびのびと育った
良家の子女そのもの特質だ。

40分ほどで

キタの大都市札幌

へ到着してしまうのが
現実の岩見沢だ。

戸塚や習志野、柏、大宮が首都圏になければ
駅前は岩見沢と同じように
特色のない通過点一択だろう。

北海道の人間にとって1時間の範囲はすべて
「地元」
岩見沢人にもプライドは当然ある

ただし・・・
用事があれば

ほいほいと札幌へ出かける

千葉や埼玉・神奈川県民が
東京へ行くことにさほど抵抗がないのと同じだ。

岩見沢の悲劇は札幌に近すぎた事だ。

久しぶりに食べるどろラーメン

美味しいのか?
否か?

そのために30分街を散策しているなんて
口が裂けても言えない

空腹の力を借りずとも美味しかった記憶は再現できるのか・・・
記憶としてとどめるべきか
記録として再度記憶すべきか・・・

この判断は哲学的
演繹法より帰納法を選択すべきか?
議論はどろ沼だ。

※次回の終着駅は・・・
せん・・かも・・しれません

予想は・・・よそう。あてにならないから


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