※本記事は毎週月曜恒例の『今週のお弁当』記録に類するものですが、諸事情によりタイトルを変更してお届けいたします

『めんどく星人がイメージだけで作る美人OLメシ特集』とかやってみたい

美人OLから銀河の彼方ほど遠き存在かつ鉈が似合うことで定評のある女が、自分勝手極まりないイメージだけで突き進む妄想企画第三弾。

タイトルからもお察しいただける通り、今回のテーマはお弁当。いつまで続くのか誰も知らない、私も知らない本企画だけれど、せっかくならば弁当ネタをひとつ絡めてみたいと思っていた。

くしくも今週は、noteでお弁当記録を始めて一周年になる。

『月曜から金曜まで同じ内容の弁当を食べる生活』という意識の低さを世間様に露呈し続けて、もう1年とは……早いものだ。記事を書き始めた当初は、3ヶ月も続けば上出来だなーくらいの気持ちだったのだけれど、始めてみたら思いがけずたくさんの方々が覗いてくださるようになり、それに励まされる形でここまで続けてこられた。華麗なる凄腕料理人さんがひしめくnote界において、こんな意識低い食生活、いずれ当局から「景観を損ねる」等のキツいお叱りを受けるんではないかしら……という不安もまったくの杞憂だった。毎週さまざまな方が拙宅に遊びに来てくださり、時にはスキやコメントをつけてくださることは、自分にとって本当にうれしいことでした。ありがとうございます。今後ともなにとぞ、この意識低い弁当生活を生ぬるく見守っていただければ幸いです。

まあそんなわけで、せっかくならば妄想企画に一周年を絡めるかたちで、いつもよりちょっとだけ手間ひまかけたお弁当にしたいよね、と思ったわけ。

いつもより手間ひまをかけたお弁当、

それすなわち唐揚げであろう。

いや、しかし……そもそも美人OLは、唐揚げなどというハイカロリーな料理を召し上がったりするだろうか。ダイエット的観点からすれば、おそらく鶏肉は日常的に召し上がっているだろう。でもきっともも肉じゃなくて、ささみとかむね肉をボイルしたものをレモン汁なんか振って召し上がっていそうな……

なるほど、むね肉で唐揚げすればいいな。

ヘルシー志向の美人OLだって、たまにはガツっと揚げ物を召し上がりたい時もあろう。よしよし、これで今週のメインは決まり……

いや、待てよ。

美と健康への配慮をさながら呼吸のごとくサラリとこなしているであろう美人OLが、滅多に召し上がらない揚げ物を作る───そこには間違いなく、日常をささやかに彩る喜びがあるはずだ。いつもの暮らしをちょっとだけ逸脱した、自分だけにしか分からないとっておきのひととき。それを演出する、少しだけスペシャルな一皿。

美人OLならば……

味つけは言うまでもなく、

食感にだってこだわるのでは？

というわけでできあがったのがこちらです。

鶏むね肉のクリスピー・チキン（のようなもの）。

まず、肉のユートピアだいていこくロピアで仕入れてきた鶏むね肉を大きめの一口サイズにカットする。

ロピアでは週末になると、国産の鶏むね肉が100g45円という正気の沙汰とは思えないお値段になるので大変ありがたいのだけれど、何が恐ろしいってこれが底値じゃないところ。昨年の暮れに見かけた鶏むねは、100g29円という狂気の沙汰としか思えないお値段だった。

これをボウルにぶちこみ、おろしにんにく・料理酒・マヨネーズ・はちみつ・そこらへんの乾燥ハーブ（今回はバジルとオレガノ）・呑める粉ほりにしをしっかりともみ込んで、冷蔵庫にて一晩お休みいただく。

で、あとはこれに衣をつけてジュワー！するだけなのだけれど、今回は食感にも高い意識を持つ美人OLにならって、衣にひと工夫してみる。一晩寝かせた鶏むねちゃんに、まずは日本の巴里在住の美人OL御用達な魔法の粉・コーンスターチを投入。全体がもったりしたところで、ボウルからひとつずつ引き上げ、めん棒で撲殺したコーンフレークをしっかりまとわせる。

歯ごたえを楽しむ唐揚げといえば、やはりクリスピー・チキンよのう……と色々レシピを調べていたところ、コーンフレークを使うとお手軽にバリボリ感が楽しめる！という事実が発覚したので、さっそく試してみたのであります。

コーンフレークはできれば砂糖不使用の甘くないやつを使いたかったのだけれど、どうしても見つからなかったのでごく普通のものにした。甘さとのバランスを取りたかったので、撲殺した後でほりにしをブレンドして、バットに敷き詰めたところへ鶏むねちゃんをひとつずつエスコートし、箸で押さえつけながら全面くまなくフレークまみれに。で、衣がついたらただちに180℃くらいの油でじっくりジュワーしました。

揚げてる間に剥離したフレークは、一回のローテーションごとに網ですくって除去。ちょっとめんどくさいけれど、これやっとくと焦げ付き防止になるらしい。

私のつたない写真からも、衣のバリボリ感がお察しいただけましょうや。揚げたてをひとつ味見したところ、まるでかぶき揚げみたいな食感でどちゃくそめちゃんこおーいしーい！かった。ザックザクのバリンボリン！コーンフレークのほのかな甘みとほりにしの塩気が絶妙にマッチしているし、お肉も全くパサつきを感じさせず、しっとりジューシー。ハーブの香りが、ともすればジャンクに傾きそうな味わいに品のよさを添えてくれている。美人OLならばふりかけを振るかのように気軽に各種ハーブをお振りになるはず……という思いつきから適当にぶっこんだけど、こりゃ大正解だったな。

そのままハイボールと共に一気食いしたい欲望を必死にこらえ、一夜明けてから作った（詰めた）今週のお弁当。

今週のお弁当は、

・鶏むね肉のクリスピー・チキン（のようなもの）

・厚焼きたまご

・ひじきの煮付け（にんじん、さつま揚げ、あさり入り）

・漬け物連隊（きゅうりとカニかまのピリ辛漬け、紫玉ねぎの梅酢漬け）

・豆ごはん

以上5品。

私の中のうすらぼんやりしたイメージでは、美人OLはメインに揚げ物を持ってきた際は副菜は必ずやヘルシー系でととのえておられるはずだし（ひじき煮、漬け物連隊）、一方で古より伝わりしお弁当の様式美『唐揚げの横にはたまごやきをあしらうべし』にのっとるし（厚焼きたまご）、四季折々でその時しか味わえない季節の恵み（豆ごはん）も積極的に召し上がるであろう。ということでこんな感じになりました。

クリスピー・チキン（のようなもの）は、冷めてからはちょっとバリボリ感が損なわれてしまったものの、お肉は相変わらずしっとりとやわらかいままで大変においしかった。例によって大量生産したので恋人と弟一家にも味見してもらったのだけれど、トースターで温め直すとバリボリ感が復活していい感じになったよ！と好評だった。お肉よりお魚を好む意識高い系イケメンである甥っこ（もうすぐ4ちゃい）も、いつになく旺盛な食欲を見せてくれたらしい。おばちゃん大変に恐悦至極。

そして先日、憧れの君のりまきさんからいただいた、「茶色い料理に緑とピンクを入れるのは美人OLごはんの最適解」という大変心強いコメントに勇気を得て、漬け物連隊はピンクと緑でキめてみたのだけれど、やはり大正解だったな。美人OL感がぐっとマシマシになった気がする。

週の初めを、我ながらかなり満足感のある美人OLメシで飾ることができ、素晴らしい充足感に満たされている。

ヨッシャヨッシャ、今週もがんばるぞーい！

えっ、なに？

衣にコーンフレークなんか使ったら美人OL的ヘルシー要素はゼロを通り越してマイナスだろ！ですって？

その件につきましては現在調査中ですのでコメントを控えさせていただきます