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学習方法だけでなく、親子コミュニケーションも改善する!【HUCRoWを受けた保護者座談会】

子どものワーキングメモリの特性から、学びの個性がわかるHUCRoWアセスメント。HUCRoWを受けてから子どもの困りごとが改善した3人の保護者に集まってもらい、座談会を開催しました。

切羽詰まっていた人から、子どもに対する情報の1つにしたいと考えた人など、三者三様のリアルな声は、これから申し込みを検討している方の参考になるかもしれません。

【座談会メンバー】 
遠藤さん:子どもは小学校6年生の女の子
篠崎さん:子どもは中学校3年生の男の子
福山さん:子どもは高校1年生の男の子
*それぞれのお名前は仮名。


「癇癪を起こして泣きわめく。どうしていいかわからなかった」

――HUCRoWを受ける前の困りごとや心配ごとを教えていただけますか?

遠藤さん
小学校1年生までは、大きな問題はありませんでした。ところが、2年生から苦手なことが出始め、できないと癇癪を起こすようになったんです。国語なら、読むのは得意なのに書くのが苦手、算数なら、文章題はできるのにドリルや九九を覚えるのが大嫌い、という感じで……。

篠崎さん
うちは遠藤さんとは違って、1歳か1歳半くらいから発達の遅れが見られました。発語も遅く、5歳で初めて言葉を発したくらい。自閉スペクトラム症という診断を受けており、小学校では算数と国語だけ支援学級に通っていました。

福山さん
息子もASD、自閉スペクトラム症という診断を受けています。当時はアスペルガー症候群と言われていました(※)。全体的に言葉が遅く、作文が苦手。中学生のとき、異動することになった部活の先生に手紙を書くのに、夜通し5時間かけてしまうこともありました。

また、気持ちの表現やものごとの説明が苦手で、「学校でどんなことがあったの」と聞いても、一言で返ってくる程度だったんです。

※現在は、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群と呼ばれていたものをASD(自閉スペクトラム症)とまとめて表現。参考:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-005.html

篠崎さん
そうですよね。なかなか語彙力や読解力が伸びなくて。6年生のときにはその力を上げたいと、ある塾で語彙力や読解力を高める講座を受けていましたが、ついていけませんでした。

遠藤さん
娘も、(HUCRoWと提携する)インフィニットマインドの塾に通っていました。そこでも癇癪を起こし、泣き疲れて廊下で寝てしまう、なんてことも。ほとほと参っていたところに、野瀬先生からHUCRoWを紹介していただき、受けることにしたんです。

篠崎さん
私も野瀬先生から、HUCRoWを受けることを勧めてもらったのがきっかけです。田中ビネーやWISC-IVなどの知能検査はこれまでもやりましたが、新たな情報が増えるのはいいなと思ったんです。

福山さん
私は、お2人のように塾経由ではなく、SNSでHUCRoWの情報を知ったのがきっかけ。中1の春休みにWISC-IVを受けたところ、「言語の理解と比べて、視覚的な情報処理の方が弱い」と言われたんです。

話すのが苦手だと思っていたので、どうにも腑に落ちないまま2年くらい過ごしていたんですよ。だから、HUCRoWの広告を目にして、すぐに申し込みました。

「そうだったんだ!?」「やっぱり!」など受ける感想はさまざま

――HUCRoWを受けて、結果を知ったときの気持ちはどうでしたか?

遠藤さん
何かが低いのだろうと思っていたのですが、そうではありませんでした。言語領域が高く、視空間領域が標準くらい。特性を知るようなアセスメントを初めて受けたので、低くなくても、言語領域と視空間領域の数値の差で苦手になってしまうと知り、「そうだったんだ!?」という驚きがありました

篠崎さん
私の場合は、これまでも特性の診断を受けてきたので、結果を見たときは「そうだろうな」という感想でした。

福山さん
私はWISC-IVの結果が腑に落ちていなかったので、HUCRoWの結果を見て「やっぱり!」とすっきりしました。苦手だろうと見ていた言語領域が、視空間領域に対して低く出ていたので、納得です。

篠崎さん
ただ、初めて知ったこともありました。一般的な自閉スペクトラム症は言語領域全体が低くなるそうなのですが、息子の場合は「短期記憶」は年齢相応で、「ワーキングメモリ」だけが低い。

その結果、覚えることはできるけど、情報が増えると処理できなくなるらしく、学習や生活の改善方法も教えていただけたので、「今のうちから練習すれば少しは伸びるんじゃないか」という期待が持てましたね。

福山さん
息子の場合も、視空間領域の中で、位置関係は弱くても形を捉えるのは標準的だと、細かくわかってありがたかったです。全部できないわけではない、という安心感につながりました。

――学習方法や親子関係で改善したことはありますか?

篠崎さん
息子は言語領域のうち、ワーキングメモリが低いこともあってか、「先生に伝えておいてね」と朝に言っても、午後にはすっかり抜けてしまうことが多かったんです。社会に出ても困らないようにと、メモが取れるよう練習して、ずいぶんできるようになってきました。

娘と自分の特性の違いを知り、イライラが激減した

福山さん
HUCRoWを受けた時点で、すでに通信制高校に入学が決まっていたので、特段学習法を変えたわけではないのですが、高校の学習が「息子に合っているんだな」との安心につながりました。

動画を見て課題を進めるタイプの学習スタイルで、わからなかった箇所を何度も再生できるので、言われただけでは理解しづらい息子にも、何とかクリアできています。普通の高校で授業を受けていたら、リタイアしていたでしょうね。

遠藤さん
学習方法の、合う・合わない、はありますよね。特性がわかったのは、私と娘にも大きな影響がありました。娘は言語で理解しますが、私はイメージで理解するタイプ。算数の問題を解くときに、「グラフにすればすぐにわかるでしょ」と私が伝えても、娘にはさっぱりわからないんですよね。

でも、テキストベースの表にして色で区別すると、娘はなんてことなく把握ができます。その違いが分かっただけでも、親子のイライラが格段に減りました

福山さん
わかります。私、何かを頼む際も「適当にやっておいて」と言うことが減り、親子の不毛なバトルが減りました(笑)。たとえば、買い物をした後に「適当に冷蔵庫に入れておいて」といった漠然とした伝え方では、どこに何を入れればいいか判断がつかず、できなかったんです。

「冷蔵庫の上から2段目に入れて」など、明確に説明するように変えたらわかるし、メモで残しておくとさらにしっかりできます。

篠崎さん
一方で、HUCRoWで結果が分かっても、合うかどうかは「やってみないとわからない」ことも少なくありませんよね。息子は、野瀬先生が提案してくださった学習を試してみるのですが、合わないとやめたものも多いです。

その中でも続いているのが、新聞学習。気になった記事を切り取ってマーカーを引き、要点を3つにまとめる。これは何年も続いており、語彙を増やすのに役立っています。

福山さん
「その子に合うかどうかは、やってみないとわからない」は、その通りですね。私はグラフィック系の仕事をしており、商品写真を切り抜く仕事を息子によくお願いしています。

口頭説明だけだとわかりにくいかなと思い、図説マニュアルをプラスして渡したら、驚くほどすぐにできたんです。やってみて初めてわかったことですが、マニュアルのある仕事ならこなせるんだ、と将来の安心感につながりました。

学校や夫にも説明しやすいから、支援してもらいやすい

福山さん
HUCRoWの結果があることで、夫に説明しやすくなりました。これまでは、息子の特性を話してもあまりピンと来ていない様子でしたが、結果を客観的事実として共有することで、「ここが弱いんだね」と受け取りやすくなったようです。

私自身も「的確に伝える」ことを夫や娘も心がけるようになり、家族全体で意思疎通がしやすくなりました。

篠崎さん
エビデンスのあるものだから、学校に支援をお願いするときにも説明しやすいんですよね。息子は放課後デイサービスにも通っていますが、「苦手なのはこういう理由があるから」と納得していただけますし、「将来に向けてここを伸ばしてほしい」という内容も伝わりやすく、行き違いが少なくなると思います。

遠藤さん
娘は感じやすいという特性もあり、メンタルクリニックに通っています。HUCRoWを受けたことで、先生にも相談しやすいのは感じますね。「授業中寝てしまうのも、退屈だから仕方ないんじゃない」と言っていただけたりしました。

自分の子どもへのかかわり方が鏡のように映される

――最後に、HUCRoW全体の感想や、申し込みに迷っている方へのメッセージなどがあればお願いします。

遠藤さん
子どもの教育について、いろいろ悩んでいたり、知りたいと思うことがあったりしますよね。ただ、うちの母子のように、違う特性の親がいくら「これがいいんじゃないか」と教材を選んでも、子どもにとってはいいものでも何でもない、ということが起こります。

HUCRoWの結果を知ったことで、子どもとのかかわりが前よりも楽しくなり、前向きになれたのはとてもよかったです。実は、HUCRoWを通してワーキングメモリの考え方を知り、自分のタイプもなんとなくわかるようになったので、仕事にも活かせています。

新しい学びを始めるときに、自分が得意な学習方法を選んだり、人に指導するときにも得手不得手を加味して提供できるようになったりしました。

篠崎さん
子育ての最初のころは、不安と焦りだけでした。「発達の遅れがあるから療育センターへ行って検査してください」と言われてもよくわからず、先が見えないまま。

でも、HUCRoWなど、子どもの特性を知る情報をいくつも集めることで、何をすればいいか見えてくるし、自分の不安や焦りが和らげば、子どもにもも優しくなれる。安心して子どもに接することができると思います。

また、夫婦でも、「将来のためにどうしたらいいか」と建設的に話せるようになりました。「余裕を持って」とはまだまだ言えませんが、「高校卒業の時にはこれくらいの国語力は必要だね」と具体的に話せているので、受けてよかったです。

福山さん
うちはHUCRoWに出会ったのが中学校3年で、もっと早く知りたかった。小学生くらいから、子ども全員が受けたほうがいい、と思うくらいです。人は得手不得手があると知ることも大切だし、子どもの苦手を知って、矯正ではなく対策を取ることもできます。

息子は、苦手を知ってからメモを取るようになりました。HUCRoWは、ものごとの上手くいかない正体が、はっきりとした輪郭を持ってわかる、と感じます。自分の言い方の悪い癖も鏡のように見えてきて、「これじゃ理解できないよね」とわかったんです。

(座談会終わり)

【野瀬愛未からの、座談会後記】
三者三様の、HUCRoWの具体的な活用方法や、その後の変化がわかるお話だったと思います。発達の遅れがある子どもも、むしろ知能の高い子どもも、HUCRoWの結果が助けになっていました。ぜひ、参考にしてみてください。

■ 簡易版「HUCRoW」から受けてみる

編集協力/コルクラボギルド(文・栃尾江美、編集・平山ゆりの)

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