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明日の種をまく 051_20231030

うぉん八、金八を語る3

『3年B組金八先生』第2シリーズの感想です。
唐突になんのこっちゃ?と思われた方は、まずこちらの記事でご確認ください。

『3年B組金八先生』第1シリーズの感想はこちらです。

第1回  心を病む子供達(その1)
第2回  心を病む子供達(その2)
第3回  まんじゅう騒動
第4回  人助けカンパ事件
第5回  腐ったミカンの方程式 その1
第6回  腐ったミカンの方程式 その2
第7回  3B学習発表会 その1
第8回  3B学習発表会 その2
第9回  受験と恋と勘違い
第10回  白紙答案の波紋
第11回  クソまみれの英雄達
第12回  三者面談始まる
第13回  同窓会・贈る言葉
第14回  東京は理社に弱い
第15回  生きることは学ぶこと
第16回  親と子・進路で対決
第17回  母と子の受験戦争
第18回  入試直前面接心得
第19回  入試前夜
第20回  頑張れ! 敗者復活戦
第21回  不正を憎む心を持て!
第22回  父の死と高校進学
第23回  卒業式前の暴力1
第24回  卒業式前の暴力2
最終回  サヨナラ金八先生

頼るべきはWikipedia

第1回と第2回は「心を病む子供達」ということで、昔の教え子が思春期心身症で福岡の病院に入院しているところから始まる。
その後第3回はクラスのいじめ問題。
濃厚な内容が盛りだくさんであるが、第2シリーズで有名なのは加藤まさるによる「校内暴力」。第24回では加藤優(直江喜一さん)と松浦悟(沖田浩之さん)が連行される。この時流れた中島みゆきの「世情」が印象的。

身ごもった継母との生活に複雑な感情を抱く松浦悟がクラスのリーダーであったが、父親が会社の社長ということもあり、家柄には恵まれていた松浦は根っからの悪ではない。ただ愛情が満たされない甘ちゃんの中学3年生であった。
一方、転校してきた加藤優は「腐ったミカン」の原理で荒谷二中から追い出され、学校や教師に対して不信感を抱き、反抗的な態度をとっていた。お母さん思いで責任感もあり、中3にしては大人びていたからこそ中学校という場に不適合だったのかもしれない。

この二人が恋心を抱くマドンナ迫田八重子(川上麻衣子さん)は優等生。松浦悟のことが好きだったようだ。加藤優は迫田に一目ぼれ。そして、クラスになじめず不登校になりそうだった椎野一(ひかる一平)は加藤勝に憧れ、自我に目覚める。

私は放映当時、やっぱり加藤優を怖いと思いながら見ていたかもしれない。
だが今回見直してみると、なんて素直でいい子なんだろうと思った。
少し暴力的なところは否めないが、それを大袈裟に大人がまくしたて、本人を理解しようともしないで、悪者扱いにしたが故の結果であろうと思う。
実際、学習発表会にも参加したり、就職先の面接の前日に散髪に行ったり、恋の宿敵松浦の継母の陣痛に車の手配をしたり、「どこが悪い子なんだ」という場面がたくさん登場する。

高校入試後に浮かれたつクラスメイトの騒動に巻き込まれた結果、加藤は昔の仲間に協力する形で、古巣の荒谷二中に籠城する。
自分たちで解決できない学校が警察に頼ってしまったことにより生まれた悲劇。

加藤はあれからどうなったんだろう?と記憶が曖昧だったが、実は卒業式で答辞を述べている。この辺がドラマだなぁ~

さて、うぉんのすけならではの第2シリーズの見どころを3つほど紹介したい。

「第11回  クソまみれの英雄達」は、トイレのつまりを金八先生が生徒とともに解決するという回。今これをやるとメディアで叩かれるのかもしれない。最近、小学校で高学年の男子生徒に便器周りの尿を素手で拭き取らされたという指導について、市体罰等委員会で「暴言等」に認定されたというニュースがあった。ことの経緯の詳細が不明なので、これについて断定的な発言は避けたいが、私はまっさきにこの第11回のシーンを思い出したのである。
最後に、中学校の風呂に先生と生徒が一緒に入って、背中を流すシーンなど今ではなかなか受け入れられないようなことが描かれている。

金八先生ではクラスの中に必ず受験のことしか頭にない優等生というのが設定されており、友だちとも交わらない。クラス内でどんな問題が生じていようとも我関せず。そんなことよりも授業を進めてください、などと自己主張は一丁前にする子が必ずいるのだが、この回にもそういう生徒が登場する。この子は自分のアイデアでトイレのつまりを解決し、先生と仲間とともに問題を解決したことにより、今までの自分の態度を改め、視野を広く成長していく。

それにしてもこの回、私個人の意見としては、いい設定だしトイレ掃除を通じて・・・まではよいと思うのだが、金八先生が若い先生ということもあり、少しおふざけがすぎるので、冷や冷やして見なければならない場面もあり、今の時代の人には全く受け入れられないんだろうなぁ~と思う。

2つめは学習発表会の最後の校長先生による戦争の話。
お兄さんを戦争で亡くした校長先生の悲痛の叫び。最後に特攻服でふざけてしまった生徒に対して、涙ながらに訴えるシーンは時代を感じる。
今や実体験のないわれわれに戦争を語れるか。第2シリーズが放映された1980年(終戦から35年)ならではの教育現場(平和教育)を見ることができる。

最後に、金八先生の恋愛事情。
スナックで働く生徒の母親に勉強を教えたり、モテモテの金八先生。
美術の田沢先生といい雰囲気で、保健の天路先生は後半にならないと登場してこない。どちらかというと天路先生が金八先生に惚れ込んでおり、当の本人はそんなことに気づかずマドンナを追う。結局、185回の最終回でも同じ雰囲気のままであるところを見ると、金八先生の田沢先生に対する気持ちは単なる憧れで終始一貫しているんだなぁということ。まぁ、だからマドンナなのか。
それにしても、次の第3シリーズ(1988年)の前にスペシャル番組が毎年放映されたわけだが、スペシャル1ですでに天路先生と結婚したところからスタートしているのには驚いた。
はっきり覚えていないが、田沢先生はこの回で金八先生にこっそり愛の告白をしていたと思う。それを金八先生、残念ながらスルーしちゃったのね。なかなか女心を分かるほどの器量は持ち得ていなかったようだ。夜道を二人である気ながら「月が綺麗ですね」と語りあうシーンは見ものである。

次はスペシャルの感想を書きます。


タイトル画像は、仲良くさせていただいているnoterさん温水温(ぬくみず ゆたか)さんの作品です。



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