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[テニス]徹底攻略!シコラーの倒し方 ~初中級者からインターハイ出場クラスまで~

テニスで試合に勝とうとする上で、遅かれ早かれぶつかる壁。そしてもうすでにぶつかっていて、もっと上を目指したいものの、行く手を阻む強敵として憂鬱にさせてくれる存在かもしれない。

それはシコラー

シコラーは、強い。というかとても精神をやられる。気持ちよく打ってきてくれたらこちらも気持ちよい打ち合いができるのに、テニスという競技をよりメンタル勝負に引きずり込んでくるいやらしさがある。巷でふわっとしたイメージで言われる「テニス=爽やか」とは無縁の、、蟻地獄というか籠城戦というか、サウナでどちらが長くいられるか的な我慢比べのというか。。
とにかく途端にスタミナとメンタルを過酷に消費する戦いになる。

テニスはポイントの積み上げを競うスポーツである以上、ミスの確率を極力下げて粘り勝つという戦術は理にかなっている。そして現実、ある程度までならこの戦法だけでも勝つこともできる。
特に技術の習熟に時間がかかる中で、最小限の期間で戦績を上げるための高校や大学テニスの団体戦になると、「シコラーになる」ということが勝つための最適解になり、現に大学対抗の団体戦ともなると壮絶な「シコり合戦」と言われる炎天下で1時間超の我慢比べが展開されることもある。見ている方も大変だが、当事者はもっと大変だ。

そこで、テニスで高みを目指す中で幾度となく道を阻んできたシコラー対策を、系統立てて纏めてみる。

自分もパワーやフィジカルに恵まれて来ているわけではない中、ある程度戦略で勝ってきた自負があり、この憎きシコラーを倒すために戦略を考え抜いてきたため、ある程度汎用性のあるノウハウとして共有できるものだと思う。

自分のテニスに関する参考記事↓

ということで、シコラーをタイプ別、レベル別に分けて、それに対しての対抗戦略を記していく。

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目次
[レベル1]とにかくつないでくる中ロブタイプ
[レベル2]ショット自体に威力も兼ね備えたタイプ
[レベル3]相手の威力を生かしたカウンターパンチャータイプ
[レベル4]安定したストローク+チャンスで打ってくるタイプ
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[レベル1] とにかくつないでくる中ロブタイプ
エントリークラスの大会でもよく出会う、2~3回戦くらいで遭遇することが多い。相手としても気づいているはずだ、漫然と頑張ってつないでいれば相手は耐えられなくなってミスり、結果自分が勝つと。。
そこで対策としては、まずは自分が相手の術中にハマって焦って難しいコースにハードヒットなどしないこと。相手がリスクを抑えている分、こちらも不用意なリスクを上げたくない。そこである程度相手のラリーにも付き合ってあげる。戦略としては3つある
①相手を動かす
②相手の足を止める
③相手にリスクを取らせる

①相手を動かす
これに関してはこちらもラリーに付き合いながら、ある程度コースをちらしていく。特に相手は左右の動きにはめっぽう強いことが多い。そこで、ゆっくりな球で良いのでアングルを狙う。浅くても角度がついてくることで、相手が前に走りながら打つ体制になる。そして、おそらく打ったあとこのレベルのシコラーはベースラインに戻る。それによって前後動の中でのショットという、相手に慣れない動きをさせることが狙い。

②相手の足を止める
これに関しては、ゆっくりした球を返してあげる。できるだけ中央に。相手は拾う気満々で足を動かしているが、突如ゆっくりした球が真ん中にくるようになると、歩いても球に追いつくようになる。結果足もサボってきて、スプリットステップサボり、ベタ足になる。そんなときに①のような前に走らせる球などが利く。

③相手にリスクを取らせる
これは①の延長でもあるのだが、たまにチャンスボールを与えてあげる。ただ、ドチャンスボールは格好の餌食なので、バック側への甘い球やチャンスボールや、アングル目のゆるい球など。相手も打ったあとにそのままネットに付くか迷うくらいがべスト。そのままネットについてくれたら相手としてはなれないリスキーなポジション。こちらに利がある。

こうした対シコラーの戦略をすることで、相手にもイライラしてもらいコツコツとポイントを稼ぐ。決して焦って強打はしない。

[レベル2]ショット自体に威力も兼ね備えたタイプ

このあたりだと相手のクオリティーも上がってきている。高弾道スピンなどでつないでくるタイプもおり、こちらからも自由に攻められずに手強い。このクラスになってくると攻撃力もあるため大会でも勝ち上がれるクラスになる。

対策として基本的にはレベル1の
①相手を動かす
②相手の足を止める
③相手にリスクを取らせる

と一緒だが、①を工夫をしたい。

①に関しては「ライジングで当てるだけ」というショットをぜひとも覚えたい。難しそうだが意外と簡単。中ロブやある程度弾道の高いボールに対し、面を作って肩辺りにセットし、ボールの上がりばなに合わせてやる。面を合わせるだけなので意外と当たる。これをフォアならショートクロス、バックでも面だけ合わせてショートクロスを狙う。バックだと「なんちゃってジャックナイフ」みたいな形でもやりやすい。たまにストレートにもコースを散らしてあげる。

それができれば、こちらとしては低リスクに、相手の時間を奪い、かつ走らせる距離が増える、というショットで攻めることができる。

ショットのコースは、
①深く中央
②浅いショートクロス
の2つ。
そこで相手が体制を崩し、甘い球を上げてきたときに左右のコースに初めてハードヒット。できれば決めきりたい。

でもギリギリで拾われることもあるだろう。そんなこともあろうと、コースにハードヒットしたあとはネットにガン詰め。力なく返って来た球をオープンコートに確実に返せばOK

[レベル3]相手の威力を生かしたカウンターパンチャータイプ

このレベルになると相手の技術レベルも上がってきて、相当手強いタイプになる。実際、並み居るハードヒッターを倒して大会上位に常にいたりもする。自分も長らく苦しめられた。そして打倒カウンターパンチャーに対して徹底して考えた戦略は以下になる。

①ひょろひょろ球でコースに散らす
②強打する時はノータッチエース
③一度攻めたらボレー+スマッシュで確実に仕留める

相手の技術レベルは相当高く、どんなハードヒッターに対しても追いついて、アングルやスピードボールで返って来る。ラケットで触れればまず返ってくる。そんなときに考えた。

相手はハードヒットが大好物
→相手の球の威力を活かして打ってくる
→じゃあ威力のあるボールを打つのは止めよう!

そんな発想の末、始めからヒョロヒョロ玉を打つことにした。。すると案の定、相手も打ちづらそうだ。相手も普段は相手のショットの威力を借りている分、自分から打たないといけないため体力を普段より消耗するようになっているようだ。
そこでヒョロヒョロ玉をベースに前後左右に振って行く。前述した「合わせるだけライジング」でアングルにも落とす。これにより相手も走る距離が増える+自分からラケットを振ることで疲労が溜まっていく。

そしてラリーを続ける中で現れた甘い球を、コースに強打!
できればベースとなるヒョロヒョロ玉との速度の落差があればあるほどいい。

ただ、相手も慣れてくるとそれもギリギリ拾われる。
そこを詰めのボレーとスマッシュで仕留めきる。

こうしてヒョロ玉+ハードヒット+スマッシュで勝てるようになった。

意外とこの戦法をこの相手に対してやっている人は自分以外にはあまりいなかった。全国で実績のあるクラスの相手に対して、ヒョロ玉で攻めるのは意外と盲点だったのかもしれない。。

[レベル4]安定したストローク+チャンスで打ってくるタイプ

このレベルになるとかなり強い。実際に全国出場経験のある人もいたりする。ネットプレーも上手かったりするとまた厄介。

こうしたタイプが相手の場合、当然こちらの技術レベルもある程度必要になってくるが、基本的にな戦略は先程とは大きくは変わらない。

不用意なハードヒットは避け、ある程度ラリーに付き合うことは必要になる。その上で以下の点を心がけて試合に臨んだ。

①タイミングを早くする
球の速さよりタイミングの速さ。ライジングを多用することで相手の時間を奪う。
②左右に振る(できればアングル)
前後を使うことで相手を走らせる距離を増やす。できればアングルも多用して、左右+前後にも走らせたい。
③甘い球は”必ず”打ち込む
「甘い球が来たら攻めるよ」という明確な意思表示をする。それによって相手に、常にいい球を打たないと行けないというプレッシャーを与える。
④セカンドサーブを叩く
さっきの③に近いが、これがファーストサーブのプレッシャーになり、結果ファーストの確率が下がったり、守りに入ったりする。こうしたプレッシャーを常にかけ続けることが大事。
⑤相手のいるところ(中央)にハードヒットする
これはあまり言っている人が少ないが有効。
これをすることで
・ショットの威力でプレッシャーをかける
・角度がつかないためカウンターも強くない
・リスクを小さく、自分の攻めのショットの感覚を維持できる
という小さくない効果もある。
なんなら相手のいるところ、特にフォアに打ち込みまくるのも手。これをすることで、相手のフォアハンドのスイングが止まる。フォアが得意な人ほどフォアで守りのショットを打たされることを繰り返すと、いざというときにハードヒットする感覚が狂ってくる。

これらの戦術を駆使して、テニス人生の大きな壁、シコラーを攻略してきた。このノウハウが少しでも、「打倒シコラー」に悩んでいる人の役に立てば幸いだ。

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