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コーヒーのフレーバーのお話

こんにちは。いつもNoteをご覧いただきありがとうございます。品質管理部の佐藤です。今回はコーヒーのフレーバーについてお話していきます。


下図がコーヒーに含まれる主要なフレーバーをまとめたもの(Flavor Wheel)です。

Flavor Wheel

バリスタがコーヒーのフレーバー表現をする際に、Flavor Wheelの中にあるフレーバーで表現してください。と言われることも多いと思います。コーヒー屋さんとしては馴染み深いものですね。

ここで質問です。

美味しいと言われるコーヒーにはどのようなフレーバーがあるでしょうか?

答えは1番内側の、Floral,Fruity,Green/Vagetativeの欄に含まれているフレーバーです。コーヒーから感じるフレーバーの内、この欄のフレーバーの割合が多いと良いコーヒーと言えます。FruityとGreen/Vagetativeの間にあるSour/Fermentedはポジティブとネガティブが混在しているので割愛します。

なぜ、この欄のフレーバーの割合が多いと良いコーヒーと言われるのでしょうか?それは、品種やテロワール、プロセスの影響によって変化が大きいフレーバーだからです。

Floral,Fruity,Green/Vagetativeのフレーバーは有機酸によるもので、有機酸はコーヒーチェリーの成熟時に光合成や呼吸をするほど多く蓄えられると言われています。標高が高く、寒暖差がある気候が良いとされているのも、成熟期間が長くなることで有機酸が蓄えられる量が増えるからなんですね〜。こういったフレーバーをEnzymaticと呼んでいます。

品種の良し悪しもこの有機酸を貯めやすいかどうか、カフェインが多く有機酸由来のフレーバーを阻害してしまう品種は評価が上がりにくいですよね。

プロセシングにおいてもこの有機酸のフレーバーをどれだけ際立たせるかが重要になってきます。最近ではアナエロビックプロセスといったフレーバーの増幅を図っているプロセスも人気ですよね。

このEnzymaticフレーバーが多いほど、気温が低く、昼夜の寒暖差が大きい高標高で作られたことを指しています。さらにプロセシングでは有機酸を損なうことなく適切に処理され、私たちの手元に届くまで、劣化が少なくなくなる環境で運搬された結果になります。

なのでFloral,Fruity,Green/Vagetativeのフレーバーは良いとされています。

Sugar Browning

次に紹介するのはNuttyやCocoa、Brown sugar、Roasted。ここの欄もよく使われる表現です。これらはSugar Browningと呼ばれていて、糖が焼かれたときに作られるフレーバーです。

ここの項目は主に収穫時の熟度によるところが大きいです。収穫時の糖度が低いとBrownやRoastといったコメントになり、熟度が増していくとNuttyやCocoaといった項目に変化していく印象です。

テロワールや品種の影響が出にくい項目なので、ポジティブと言えばポジティブですが、そこまでポジティブなフレーバーコメントではないといった欄になります。

Dry Distillation

もう一つ焙煎由来のフレーバーをご紹介します。それがDry Distillationといって乾熱反応によるフレーバーで、繊維が焦げることによって生まれるフレーバーです。

Dry Distillationはいってしまえば焙煎による焦げのフレーバーなのでネガティブの印象が強いです。ですが、程度によってはPepperやCorianderのような明確なフレーバーが出たりするのでポジティブに感じたりします。ですが、結局はテロワールによらない焙煎によるフレーバーです。

欠点のフレーバー

もう一つ大きな枠でOtherとありますが、こちらは生豆の欠点の欄になります。

ほとんど出会うことはありませんが、あげるのであればCardboardとWoodyでしょうか。

この2つ以外は保管環境が劣悪で成分の変質やカビの発生による欠点のフレーバーですが、CardboardとWoody、Paperyは保管環境が良くても時間が経過すると出てきてしまうネガティブなフレーバーです。よく枯れた味と表現されます。他にはEarthyやDastyもごくたまに遭遇します。基本的にこういったフレーバーのコーヒーに出会うことはないと思うので、豆知識程度に。

フレーバーの割合について

Black currant, Grapefruits,Chocolateとフレーバーコメントがあった時にどのくらいのクオリティのコーヒーだと考えるでしょうか?

基本的に1:1:1の割合で捉えることが多いでしょうか。そう考えた場合、Enzymaticの割合が66%ほどになるので84~86点のレンジかなと考えます。しかし、Black currant 20%、Grapefruits20%、Chocolate60%の割合であった場合82~84点くらいのレンジになるでしょう。

フレーバーを表現するのも大切ですが、そのフレーバーがコーヒーから感じるフレーバーの内どのくらいの割合で存在しているかを数値で表すことで、コーヒーの味わいもイメージしやすくなり、品質も把握しやすくなります。

ウッドベリーでコーヒーと一緒にお出ししているカードにもフレーバーコメントを記載しています。このカードには割合の多い順番に書いています。皆さんの感じるコーヒーのフレーバーをぜひ見つけてもらえれば幸いです。

さいごに

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