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高齢者は「抑肝散」が使えることが多い!

こんにちは、となりのです。「抑肝散」という漢方薬を皆様ご存じでしょうか?高齢者に適応になることが非常に多い漢方薬で漢方に詳しくないDrも多用します。少し説明しますね。

簡単に説明すると、「抑肝散」はイライラしていて興奮しており、眠れないなどの精神症状のある高齢者、落ち着きがなくてひきつけのある小児などに適応のある薬です。
高齢者は残念ながら年齢の影響で、「以前出来ていたことができなくなる」ことが多いです。これがまさしく「老化」なのですが、これをすんなり受け入れる場合はまだしも受け入れてくれないケースが非常に多いのです。
私が外来をやっていても、いわゆる冬に多い乾燥性の湿疹「皮脂欠乏性湿疹」で高齢者に典型的な皮膚疾患なのですが、よく

高齢患者「今までこんな症状は出たことがない。きっと悪い病気が体の中にあるんじゃないか?良く調べてほしい!」

こんなことをしょっちゅう言われます。もう何百回聞いたかな(苦笑)
こういった皮膚の問題は一つの例に過ぎません。あまりにこういったことがたまってくると当然高齢者はイライラしてくるわけです。入院なんかしてると違う環境に身を置かないといけない上、行動も制限されるので、余計イライラがたまってきます。ですから、普段はおとなしい人でも、突然豹変して暴言を吐いたり暴れたりしてしまうのです。ちなみに「疳の虫」とよく言いますが、この「疳」と「肝」は同じで、漢方医学でイライラしている高齢者はたいてい「肝」が亢進しているのです。

「抑肝散」は市販薬もあります。錠剤も顆粒もあります。多分、市販の場合は医師が処方したものの有効成分が1/2量になりますが、適応がありそうな場合は試してもよいと思います。


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