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『べき思考』で心をラクにする

はじめに(いつも書いてること)

このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。

※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。

今回の内容

日本経済新聞の記事に、『べき思考の大切さ』について書かれていたので、以下に引用します。

きちょうめんな人は細かいところまで気になって頑張りすぎる傾向がある。
少しでもうまくいかないことがあると、気になって、心が休まらない。
「こんなこと、すべきではなかったのに」と考えて自分を責めることも多い。
いわゆる「べき思考」に縛られてしまってつらくなるのだ。
しかし、その逆がよいかというと、決してそうではない。
「べき思考」が身についていない人は、少し困ったことが起きると諦めてしまう。
取り組んだことがうまくいかず、結局は自信をなくしたり、他人からの評価が下がったりする。
「べき思考」に縛られて自由に考えられなくなるのはもちろん問題だが、「べき思考」ができるからこそ頑張って自分の力を発揮することができることも多い。
(認知行動療法研修開発センター 大野裕)

『べき思考』があるからこその利点もあれば、『べき思考』があるからこその欠点もある。

これは非常に大切な観点だと思いました。

アンガーマネジメントを伝える時には、『こうあるべき』が裏切られる時に怒りが生まれるということを伝えています。

こう言うと、『こうあるべき』がない方が良いと勘違いされる方もいますが、そうではありません。

『こうあるべき』というのは自分の価値観の表れでもあるので、隠すことはできてもなくすことはできません。

大切なのは、『こうあるべき』をどのように扱うかということです。

上記の文章にもある通り、『べき思考』があるからこそ、自分の価値観を信じて、粘って頑張って自分の力を発揮することができるんだと思います。

一方で、『べき思考』があるからこそ、柔軟な思考を持ったり言動が縛られてしまうという側面もあります。

『べき思考』自体が悪いものなのではなく、どう扱うかによって利点にも欠点にもなるということ。

「こうあるべき」というのは、意識していないとなかなか言語化が難しいです。

この記事を読みながら、「自分はどんなべきを持っているかな?」と考えてみてください。

僕はアンガーマネジメントを学び始めた頃、自分の「こうあるべき」を考えても、あまり出てきませんでした。

この時、自分が普段持っている「こうあるべき」というのは、無意識で日々の言動に現れているんだと気づいたんです。

「こうあるべき」という自分の思考が言語化できれば、その裏にはどんな価値観があるかを探れます。

そうすると、自分が持っている「こうあるべき」が自分にとってどのような利点を生んでいるか、欠点を生んでいるかを考えられるようになり、自己理解が深まります。

まずは、「こうあるべき」を言語化してみて、自分の何にどんな影響を及ぼしているのかを考えてみましょう。

別の記事を紹介します。

元陸上選手の為末大氏が先日、SNS(交流サイト)で私たちの国は「なにかあったらどうすんだ症候群」にかかっている、と発信していた。
それは社会に安定と秩序をもたらすが、副作用として停滞を生み、個人の可能性を抑制するという。
この症候群は、未来を予測してコントロールできるものと考え、その逆算でしか物事を判断できない。
だが、実際には予想しないことが必ず起きる。
それをイノベーションという国もあるが、この国では「危ない」や「予想外」となる。
ここから抜け出るためには「やってみよう、やってみなけりゃわからない」を、社会の合言葉にしなければ――。

僕は今、入社してくるメンバーに対して、キャリア(人生そのもの)について伝える研修をしています。

その中では、逆算思考と積上思考の両方を持つことが、キャリアを充実させる上で大切だと伝えています。

「理想の状態になるためにこれが必要だ」と逆算的に考えることは大切ですけど、それはあくまでも仮説に過ぎません。

自分じゃない誰かの成功事例をもとに考えたことだとしても、その人と自分は違う人なので、その通りにやったからと言ってうまくいくわけではない。

かと言って、積み上げたものでしか未来は作られないので、とにかく目の前のことに熱中してガムシャラに日々を過ごすことも大切です。

その時には、何となくでも良いから「自分はこの方向に向かうぞ」という意思表示をして、何でそこに向かいたいのかという目的を持つ。

こうすることで、ただ闇雲に積み上げているわけじゃなくて、目の前のことに熱中する意味を持ちながら自分の意志で前に進むことができるんです。

大前提として、人生は何が起こるかわかりません。

計画を作っていても、計画通りに進むことはほとんどないと言っても過言ではないかなと思います。

まさに、「人生は壮大な実験だ(本田直之氏の言葉)」です。

何が起こるかわからない自分の人生を、少しでもラクに(心を安らかに)過ごすためには、「こうあるべき」という価値観の許容範囲を広げるのがオススメです。

アンガーマネジメントでも、怒りの感情と上手に向き合う方法の1つとして、「べきを緩和する」という方法があります。

怒りの感情というのは、「こうあるべき」が裏切られる時に生まれるものだから、「こうあるべき」という価値観の許容範囲を広げるというのは、「自分は自分、他者は他者」と割り切るということでもあります。

誰かが自分の「こうあるべき」を裏切って、怒りの感情が生まれるというのは、相手にも自分の価値観を押し付けようとしているのかも。

生きてきた環境が違うし、価値観や性格も違うので、1人1人にはそれぞれが大切にしている「こうあるべき」が存在しています。

なので、「人はみんな違うよね」とか「みんな違っていいよね」という感じで、自分自身の「こうあるべき」から自分を解放してあげてください。

そうすれば、心がラクになるはず。

そしてそれは、誰かに対してだけじゃなく、自分の人生においてもそう。

「こうあるべき」によって自分を縛り付けると、挑戦する気持ちが生まれなくなったり、「ちょっとやってみるか」という姿勢も生まれにくくなります。

本田直之さんの言葉を紹介しましたけど、自分の人生を実験だと思って生きていくと、予想外のことが起こっても心を締め付けずに柔軟に対応できたりします。

感謝

今回も、読んでいただきありがとうございました。


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