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【公】PKOとコンゴ警察の治安回復プロジェクト

2023年1月23日、モニュスコとペルギー開発庁とコンゴ警察(PNC)の間でPNC強化に関する会議が行われた。

会議で話された内容としては、PNCプロジェクトに関するもので、今回のプロジェクトにより以下のことを達成するとしている。


・欧州からの支援でPNCの施設をより良くする

・モニュスコ警察からの支援を受け、より警察機能を促進させる

・地域社会との関係を発展させ、地域をパトロールし、市民や自治体と協力し諸問題を解決するなどの課題を達成するためモニュスコ警察からの訓練を受ける

・モニュスコ警察とPNCはパートナーとして活動する


子供と触れ合うモニュスコ隊員

モニュスコ(MONUSCO)

第二次コンゴ紛争中、モニュスコはコンゴにおいてのツチ族とフツ族の停戦を目的として設置されたPKOである。

2003年に同戦争が終結した後もコンゴ政府への支援、反政府勢力の武装解除、民主化のサポート、治安維持などにつとめているが、コンゴ東部だけで100を超える武装組織が活動しており、非常に過酷な環境である。2023年までにモニュスコ及びモニュスコ警察は300人以上が戦闘に巻き込まれたり、病気などで死亡している。


主にモニュスコと対立する組織

FDLR(フツ族系旧ルワンダ政権の過激派)、

マイマイ(FDLRの略奪から自衛するために集落などの民間人が武装した民兵組織)

M23(ツチ族系コンゴ政府とCNLPの和平に意を唱えたCNDPのメンバーにより構成された組織)


ADF(イスラム国西アフリカ共同体)

が挙げられる。

何故、2023年PNCプロジェクトを行おうとしたのか?



・活動を停止していたM23が2022年に活動を再開し、7万人を超える国内退避民が生まれた。

・モニュスコのヘリがM23の攻撃に合い墜落し、搭乗員が8人が死亡した。

・ISWAPの分派組織であるADFがコンゴ北部や東部で活動を活発化させ、数十万人の国内退避民が生まれた。

・ADFによる民間人殺害が後を絶たない

・西側諸国がウクライナへ支援した武器の一部が反政府組織に流れている

など理由は様々あるが、主には反体制派勢力への対抗策とPNCの強固な組織化の実現であろう

しかし、これまではADFやM23に対しコンゴ政府軍が鎮圧や戦闘を行ってきたが、コンゴ政府軍より遥かに軍事規模が小さいPNCの拡大を行ったとしても反体制派勢力を抑え込むことはまず不可能であろう…

PNCへの信頼回復と組織化

コミュニティポリシーを各警察官に指導し、北部や東部でのパトロール任務を行い、住民への避難警告や退避誘導を行うことは可能だ。

PNCプロジェクトで先ほど述べた、地域住民との協力によりPNCへの警戒心を低下させ、地域住民とPNCが互いに信頼しあえる関係になれば、より危険地帯からの避難警告に従うであろう。

しかし、現状はコンゴ国民の政府軍や警察官への信頼は低い。
コンゴ政府軍兵士の末端がマイマイなどと共謀し集落から略奪を行ったり、PNCによる政治的弾圧や汚職などが多発してるからだ。


故に、政府軍やPNCの強固な組織化は非常に重要であり、より洗練されたモニュスコ警察からの指導を受け、一枚岩となり国民からの信頼を得ることは非常に重要であろう。

そのためにも、より実務的にPNCプロジェクトを達成すべきであると思われる。

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