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39歳自営業、糖尿病になる #3 3日目 | 減らされた、魚

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06:10 ~DQ11のオカマ~

まぶしい朝日よりも早く目が覚めた~から始まる歌なんだっけと覚醒しきらないアタマで考え、しばらく待ってスポーツカーのタイトルと歌手ABCが出てきておはよう病院。
特筆することもなく怠惰な日々を過ごすのが怖くなり、1日の予定を立ててみる。午前中は昨日来ていたメールと電話の対応モロモロ。
朝食までの時間を有効に使えるかそうでないかで、今日の充実度が変わるぞ!と言い聞かせる。

病室の窓から。今日は曇天

当然普段やってこなかったようなことができるわけもなく、血糖値検査からの朝食が運ばれてくる。朝の血糖値は149。ワイフの身長より高い。

減ってなくない?wow wow

09:00 ~SAKANA?減ってなくない?wow wow~

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  • SABA

  • キャベツのお浸しに鰹節の香り

  • キャベツとコーンの胡麻和え

  • 白米

検証。昨日までのSHAKEは同じ切り身でも上と下2ブロック分あった。

昨日のSHAKE

しかしなんだこのSABAは。1ブロックしか無いじゃないの。

今日のSABA

もしかして、ご飯減らされてる?Ça va?フランス語じやねぇぞオイ。
こりゃもしかすっと人生自体ナンセンスなのかもしんないけど、これがイジメとかだった場合文句言ってさらに冷遇されるのは辛いから気にしてませんよオーラとともに気丈に振舞っておく。
夜は三把の藁を食べ、月を見上げて涙を流すのだ。

おうちに帰りたい。

11:50 ~落合博満契約更改~

午前中はそんな感じでPCとにらめっこ。曇り気味の外界にようやく嫉妬せずに黙々と作業と対応にあたる。

昼飯前の血糖値測定。
いち、ろく、ご。

昼食にはなんと麺類が登場した。

ウドンドンドドン ウドンドンドドン
  • いろいろうどん
    卵、ほうれん草、かまぼこ、ネギ

  • もやしのナムル
    にんじん、きくらげ、インゲン

  • バナナ

これで伸びてなかったら最高なんだけどなぁーッ!!!!
私は麺類が大好きである。
うどん、そば、スパゲッティ、ラーメン、なんなら3食麺でいい。
まさに麺食いである。
ちなみにワイフは面食いだったらしいが、その話は誰にも信じてもらえない。当人も否定する始末で手に負えない。

この形かい

うどんだけに一味唐辛子もついてきたが、ここは肛門にも病を抱えている身、Goodこらえて汁も飲まず、具材を丁寧に箸で掬い上げてから返却口に膳を戻した。

丸亀製麺に行きたい。
冷やしトマたまカレーうどんはまだやっているだろうか。

13:30 ~目の拷問はつらいよ~


今日の赤紙

眼科検診で呼ばれる。
糖尿病の合併症として、神経症と腎症、それに網膜症が挙げられるようで、すでにシンクロ率血糖値400を超えていた実績により検査を課せられた。

散瞳する目薬を入れられて病棟に戻されすこし待機、その後また呼ばれて検査なんだけど、この散瞳(サンドウ)って初見でバキのアレかと思ったよね。独歩が初期の勇次郎戦で使うやつ。
どうでもいいんだけど勇次郎を打とうとしたら裕痔瘻って変換が出てもうそんな何度も痔瘻のこと思い出させなくていいからクソッタレ。クソ垂れるのも肛門からだわ。もっとどうでもいい。

早くおうちに帰りたい。
だけどおうちに帰れる=ケツ穴手術ができる、だ。
それでも、それでも、おうちに帰りたい。

眼底検査、なんか目を無理やりあけられて懐中電灯を目に当てられて検査される。これが辛い。眩しさの拷問てのがあるくらいヤバい。そういえば昔見た時計仕掛けのオレンジっていう映画にもこんなシーンがあった。
しばらく散瞳のせいもあり視界が定まらないのでPC作業が遅れる。
これを書いているのは消灯直前である。


こんなたくさん呼び出しあって人気者やねぇ

眼底検査のあとは骨密度検査。骨粗しょう症(タイプは楽だけど言うのが嚙むやつ)とかのチェックらしい。毎朝牛乳をおいしく飲む人にとっては大して関係ないだろうと信じて機械にかけられる。
体感は全身をスキャナーにかけられるようなX線照射なので別に痛いこともない。身体への負担は最も少ない検査である。

この一連の検査が16:00過ぎまでかかった。
風呂に入りたいと思ったがなんと風呂は当日予約制で、最後の便は15:30-16:00とある。あげく4Fと5Fの1日交代制だ。
つまり今日はもうダメで、明日は4Fの日だから明後日、日曜日に入れることになる。
仕方がない、シャワーにしよう。

1800 ~夜血糖はミニモニ~

晩飯前の血糖値149。
当初の定義は身長150cm以下ということで、加護ちゃんイチオシ派だった身として大いに応援していたところ、夜中に母親が
「あの子小さい娘好きなのかしら」
なんて深刻そうに父に相談していたのを思い出した。当時17歳。加護ちゃんは12~3歳。確かに高校生が中学1年生にお熱になるのはいかがわしいかもしれんが、5歳差なんてのは大人になればそう変わらないものである。視野を広く持とうよカーチャン。
なおワイフも身長150cmに満たないので、好みのタイプとして小さい女性というのは当たっていたようだ。さすがである。
では夕食のラインナップ。

味噌汁の具、増やしてもらえないかなぁ
  • 白米

  • 焼きTARAとインゲン

  • ほうれん草とニンジンのお浸し

  • ブッコロリとシーチキン

  • フキの味噌汁

インゲンも常連なんだなこれきっと。それより待ってくれ。やっぱり減らされてる。魚。見てくれ全然サイズが違う

今日のTARA
昨日のSHAKE

一目瞭然ではないか。
この陰謀のセオリーをどこに告発したらいいものか。バジルごときでごまかされたりはしない。許せない。全部食ってやる。

フキはもしかしたらセロリかもしれない。くたくたに煮込まれていたが輪切りの断面と周囲のギザギザから判断している。
お前はフキとセロリの違いも見分けられないのかと突っ込まれそうだが、幼少期から出されたものは一点の疑問も持たずに何でもおいしく食べる性質で育ってきたので、言い訳になってねぇなこれ。
もしかすると今日まで上げてきたSAKANAの名前も間違っているかもしれない。さすがにそれはないか。

19:15 ~ラムちゃんで足コギ~

日中の眼底検査で問題が無かったので、運動の許可が出た。
これも微悶着あり、眼科医から主治医に問題なしの伝達が行って、主治医から運動OKの通達が直接来るはずだったのだが主治医との連絡がなかなかつかずやきもきした。結果ナースに何度か連絡をとってもらうよう催促をして電話ができたのだが、これを逃すと土日を完全にベッドで過ごすことになる。

土日は検査もなければ常駐ナースの数も減ると聞いていたので、これは一大事だった。イチダイジである。入院生活で大きな敵となるのは孤独と退屈である。
noteも気分転換と時間を埋めるひとつの要素として始めた。すべての時間を業務にあてられるような仕事人間がいたらその人は糖尿病なぞになっていないだろう。そういう人間にとって食事とは食の悦びを放棄した"作業"だからだ。勝手に決めつけたけど。

さても無事に許可が出たので、準備していた運動着に着替え、3Fの運動コーナーに行く。持ち物はマスク、お水ボトル、ipad、片耳イヤホン。

運動“コーナー”

お、おう。まぁ、別にスポーツジムでもないしな。ジョトダコラ。
ガチンコファイトクラブばりの棒読みになったが貴重な運動の機会である。

わりとあるタイプのやつ

みっちり40分、うる星やつらを2話分見ながらバイクマシンを漕ぐ。
原作が実はわれらの生まれる前から始まっていたものとは考えにくいほど自然に楽しめる。ラムちゃんかわいいンゴね。

20:10 ~シャワーレポート~

ときどきサブタイトルは何かにひっかけたり韻を踏んだりしようかと小細工を考えているんだけど、今聞いている一十三十一のウェザーリポートからただのシャワーレポートにしました。大滝詠一や山下達郎、角松敏生らを好む趣向にマッチする、往年のシティポップサウンドが時代を超えても色あせない心地よさを提供してくれる。あと実家が有名なスープカレー屋。店内でもよくかかってる。

先浴びてこいよ

さわやかな前口上からオッサンのシャワーの話だけど、フロア内にこんな小部屋があります。利用時に予約は必要なくて、ドアが空いてたら札を「入浴中」に変えて勝手に使っていい。

中はネカフェのシャワーブースとかと大して変わらないかな。脱衣エリアとシャワーエリアがあって、カーテン仕切りなのが病院だからだろう。
備え付けのシャンプーボディソープもあるが、持参したスッキリするシャンプーを使う。シャワーとスッキリで思い出したが、当初毎日尿検があるのかと思ってビクビクしていたところ本日まで尿検査は無い。
もちろん、だからどうだということもない。

広さはこれくらい

2週間前までジャカルタの太陽に灼けた肌が南国の残滓とともに剥がれ落ちる。バスタオルに皮がけっこうついたので替えることにしよう。
院内着とバスタオル、ハンドタオルは支給されるので事前に申請しておけば替えをストックしておける。
清潔に保つことは自身の肉体精神両面の衛生に加え、対ナースとの関係性にも必要だろう。臭いオタクは誰もが嫌う。さらに中年だ。救いようがない。

おやすみ142

寝る前血糖値は142。
金土日と開催される会議の関係でSNSがビンビン鳴る。
隔離空間にいる実感と、それでも身を案じてくれる友人、仲間の声をありがたく受け止めて、Youtubeの入眠用100の雑学を聞きながら寝る。
他にみんなオススメの入眠用サウンドがあれば教えてほしい。妙な気分になるのはダメだ。

夜がまだ早いと囁いている

入院後はじめて、泣かずに寝れた。

次回予告

土日が本当にやることなさそうなので、2日分まとめるとか他の事書くか、もしくはリアルに業務してるかもしれないので、とりあえず週明けには1本出すってことで。
でも実は知ってる。こういうのは習慣化するから続くのであり、1日でも空けたらそれを再開させるモチベーションはただの継続よりも多く必要になるのだ。各所の広報担当はよくよく覚えておいてほしい。

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