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知能の捉え方①

*本日からnoteを始めました。よろしくお願いします。

昔から人間の知能をどう定義しようかという議論は起こっていた。ある研究者は知能を「IQ」等1つの指標のみで測ろうとしていた。一方で、他の研究者の中には「全ての人間は複数の知能を持っている」として、「全ての人間は複数の知能のそれぞれにおいて、身につけている水準が異なっている」と考える者もいた

今回は、複数存在する「知能の流派」の中で「知能を1つの指標のみで測定する」流派について紹介しようと思う

「知能を1つの指標のみで測定する」流派

①ビネー

ビネーは1905年に知能検査を開発した最初の人である。
元々、ビネーが知能検査を作成した目的は、「子供の知能水準を測定することで、一人ひとりの子供の個性に適合した教育を子供に受けてもらうため」であった。(この意味では、現在のIQの利用のされ方とは齟齬があると言えるだろう)

ビネーは知能を「外界を全体として再構成するための認識能力」とした。ビネーの知能測定は、1905年に初版が出された以降、1908年と1911年で改定されている。1911年の最新版(ビネーは1911年に死去)では、6歳級、7歳級、8歳級、9歳級、10歳級、12歳級、15歳級、成人級という8階級の区分にし、各級において4-5問出題することで、生活年齢(基底年齢)に対する精神年齢を求める方法を編み出した。(ビネーの死後、ビネーの弟子であるシモンは1921年に、3-11歳の8区分と12歳級、15歳級、成人級の3区分を合わせた11階級の区分にして、「心理検査の実施手引き」として出版している)

この時のビネーの測定方法は、精神年齢を生活年齢で割って知能指数(IQ)を測るというものだったということに注目したい。

②ウェクスラー

ウェクスラーは、知能を「目的に行動し、合理的に思考し、環境を効果的に処理するための個人の集合的ないしは全体的能力」と定義した。また、「個人の知能構造を診断する」ために知能検査を開発した。ウェクスラー知能検査は年齢に応じて種類が異なっており、幼児向けのWPPSI、児童向けのWISC、成人向けのWAISの3種類が存在する。

ウェクスラーは全般的な知的能力を
1.言語理解指標
2.知覚推理指標
3.ワーキングメモリー指標
4.処理速度指標

の4つの指標で捉えている。

ウェクスラーの特筆すべき点は、従来用いられていたIQではなく、DIQ(deviation IQ-偏差IQ)を利用していることだ。
ビネーが用いたIQでは、精神年齢と生活年齢を元に算出していたが、15歳以上になると、知能検査得点の上昇が鈍化し、精神年齢が正しく測定されなくなってしまう。
そこで、ウェクスラーは同一年齢手段内の相対的位置を示すものとして、DIQを採用した。
DIQは、個人の得点・母集団の平均点・母集団の標準偏差を用いる。
式にすると、
DIQ=k(個人の得点-母集団の平均点)/母集団の標準偏差+100である

総括

人類の知能測定・知能検査開発に貢献してきたビネーとウェクスラーについて紹介した。

両者の違う点としては、初期のビネーの知能検査はIQを測定するもの、ウェクスラーの知能検査はDIQ(より相対的なもの)を測定するものであるという点である。
両者の同じ点としては、どちらも知能を「学習能力や情報処理能力という認知的能力」とみなしている点である。

これらを踏まえた上で、次の「知能を複数に分けて捉える」流派について紹介していきたい。


参照

https://www.ritsumeihuman.com/uploads/publication/ningen_06/093-112nakamura.pdf


私たちについて

WOWCRAFTという会社を設立しようとしています。
「ゲームで世界をスマートに」がモットーの会社です。
みなさんが持つ「身につけたい能力があるが、何かしらの理由があり、身につける努力ができない・続かない」という課題に対し、「ゲーム・遊び」というソリューションを以て解決しようとしています。
只今は、幼児・小学生の知育教育事業を行っております。
また、サービスを作るにあたり、サービスのヒアリングにご協力いただける方を大募集しています。報酬等は出すことは難しいのですが、皆様とより良いサービスを作りたいと思っているので、ご協力いただけると幸いです。
https://forms.gle/t347Banu4EJrep6VA


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