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名乗れば「プロ」と言いますけども/コピーライター、「お菓子屋さん」になる。#7

こんにちは。ライターの炭田(すみだ)です。

趣味のお菓子づくりが高じて、自分でも期間限定で「お菓子屋さん」に挑戦中です。このnoteでは、開業にまつわるアレソレを発信中。

今回のテーマは「アマとプロの線引き」についてです。


私は、製菓の専門学校を卒業したわけでもなく、「母or父が料理研究家」でも「実家が飲食店」でも「ちいさい頃から食に関心があり、5歳の頃にはフライパンを振っていた」わけでもありません。卵焼きをはじめて作ったのは、28歳。結婚して実家を出ることになり、やむを得ず、です。
料理とお菓子づくりの腕前は、アマチュアと言えるでしょう。

でも「お菓子屋さん」をやるからには、そんな甘っちょろいことは言っていられません。何故ならお代をいただくから。私がお客さまなら、素人を名乗る奴が作るお菓子にお金、払いたくない。
それは分かる。分かるが難しい。ムムム。どうするか。どうしましょう。

プロに習おう!!!!!


私、最近すごいことに気づいたんです。身銭を切ってまでプロに何かを習う人間というのは、そう多くはないみたいなんですよ。インターネットで探せば、いくらでも無料の素晴らしい情報に触れられる時代だし。
ただ、そこで得た学びを確実に自分のものにするには、お金を払ってプロに習うのがいちばん! というのが、私がこれまで生きてきた中での学びです。

……何故そう思うかって? 会社員時代はぽや~んと「ナルホドネー」なんて思いながら受けていた研修や講座、勉強会、資料の数々が、フリーランスになった途端にぜんぶ自分の経費、稼ぎから出るからです。ぜんぶ有料なんです。学びに対する血眼度合いが、会社が負担してくれるか身銭を切るかで、段違い! もちろん真面目な会社員の方もいらっしゃいますが、私の場合フリーランスになったいまの方が、同じ一冊の本を読むにしても貪欲です。
それに、お金を払ってプロに習って勉強すれば、それだけで多数派のお金を払わない人たちと差をつけられるのでは? という目論見もあります。

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そんなわけで、お菓子づくりをする人ならば一度は名前を聞いたことがあるであろう、小嶋ルミ先生の【プロ向け:シフォンケーキクラス】に参加してきました。
どのあたりが「プロ」なのかというと、使う道具が違います。家庭でお菓子づくりをする人は、99%持っているであろうハンドミキサーではなく、スタンドミキサーを使います。スタンドミキサーは、子猫なら三匹くらい入りそうなデッカいボウルがくっついた自動泡立て器です。

このスタンドミキサーは、一度に大量に生地を仕込んだり泡立てたりが出来るだけでなく、ハンドミキサーのように自分の腕をずっとぐるぐる回し続ける必要がないのです。
家でシフォンケーキを1台焼くだけなら、ほんの2、3分の「ぐるぐる」なんて屁のかっぱ。でも、初回の営業用の仕込みで【利き腕連続ぐるぐる3分×7セット】をこなした私は疲労困憊でした。「10台くらい焼けたらいいな」と思ってシフォンケーキの型だけはシェアキッチンに持参していたものの、腕の疲れを前に7台でギブアップ。
スタンドミキサーを使いこなせれば、腕は疲れずに量産できて、売上アップだー!(ぜんぶ売れるかはさておき)
さらにこれを使えば自分の「手」が空くので、機械がぐるぐるしている間に洗い物をしたり、次の仕込みをしたり、時間を有意義に使えます。だからプロは使うのです。

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肝心のレッスンは、多くの学びがあり、大変有意義な時間でした。スタンドミキサーってこうやって使うのね、という基本から、ルミ先生の「お客さまに商品の価値を伝えるのも、店に立つ者の義務」という姿勢にまで触れられて、超刺激的。

そしてなんと、このレッスンの参加者の方は私以外全員「プロ」。そんな中「アマチュア」の私はというと、そもそもの生地の混ぜ方がよく分からずにあやしげな手つきで混ぜていたので、空のボウルで素振りからやり直しでした。あちゃー!

えらいところに来てしまった(受講費を払ったとはいえ、流石に場違いすぎた)と思っていたら、最後にルミ先生がこんなことを仰ったんです。

「あなたたちのことは全員私の弟子だと思っているから、
 プロとして恥ずかしくない仕事をしてほしい」

記憶力がないので意訳の可能性大ですが(いいところなのに!笑)、これを聞いて「あーそっか。もう今日ここに来てる時点で、私はプロの世界にいるんだ。たとえこの中でいちばん下手でも、自分より上手いアマチュアの人がいても、プロなんだ」と気付きました。

この一日だけで使いこなせたなんてひとつも思わないし、むしろこのスタンドミキサーを正規代理店で買うと10万円以上するので(高い!)家で練習もできないけど、でもやっぱり「プロ」の世界に足を踏み入れているんだな、と。

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話は変わって、私、今年の頭に「さとゆみビジネスライティングゼミ」という講座で、書くことについて改めて勉強をしたんです。ライター歴14年目にして、はじめてのライティング講座。
この講座はちょっと珍しくて、ベテランだけでなくライターほやほやの人や、将来ライターになりたい人などがキャリアに関係なく集まり、一緒に学びます。

そこで、とっても文章が上手なライター未経験の方が「どうやったらライターになれますか?」、「自分なんかで大丈夫ですか?」って言うんです。いやいや~こんなに上手いし面白いんだから、そんなこと心配しなくても大丈夫ですよ~って思うんだけど、すっごく不安そうで。
だから私「もう名乗っちゃえばいんですよ! ライターって名刺作りましょ!」って。言ったんです。

でもね、自分がお菓子づくりに対してアマだのプロだの悩んで気付いたんだけど、「名乗ったらいいじゃん」とか「この仕事に資格なんて要らないよ」は、もう自分がプロだからそう思えるし、言えるんですよね。

私は新卒で入社した制作会社で「アシスタントコピーライター」の名刺を受け取った時から、文章が上手かろうが下手だろうが「プロのライター」の肩書を手にしていました。
でも、途中からルート変更組は、そりゃ~名乗りづらいよなぁ……と。いま、未経験からお菓子屋さんになって実感しました。

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とはいえです。
やっぱりいつまでも悩んでいないで、自分はプロだと腹を決めた方が話が道は開けると思うので、私なりの答えはこちら。

「自分に課金、自信がシャイン」

※韻を踏んでいます。

私の場合、なぜお菓子の世界で「プロです!」と思えないのかと考えたら、それは知識も経験もなにもかも足りてないように思えるから、が理由でした。
でも、店主が製菓学校を卒業した人間か、素人からプロに突入ルートの人間かなんて、見た目からは分からないんですよね。
だからって「プロです!」と名乗れるほどに厚顔無恥ではないなら、学び続けるしかないのではなかろうか。私にとって自信は、お金を払ってプロの考えに触れることで身についてきたように思います。
「プロだと名乗ればいいんだよ!」なんてマインドどうこうよりも、学びが私を強くする。

あとはもう、お金をもらう側になる。お代をいただくとそれは「仕事」なので、自信のないままやるわけにはいきません。
だって普段の仕事なら「一生懸命やったんですけど……下手だったらスミマセン」なんて、絶対に言わないでしょ?! お金を払って自分に頼んでくれた相手に失礼だから。私だって原稿の〆切がきたら、どんなに言い訳がしたくても「えぇい、ままよ!」で納品します。(もちろん基準は満たした上での、時間があればもっとやれるんじゃないか?をグッと堪えての納品です)

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そんなわけで、私はもう「はじめたばかりなんですけど(>_<)」という態度もやめました。
おいしいシフォンケーキを作って、待ってます。お店に来てね!(宣伝)

9月はシェアキッチンのメンバーさんと一緒に、コラボ営業をします。

▼9/7(木)12:00〜16:00@清澄白河
シェアキッチン🍰conato(コナト)
最寄駅🚃半蔵門線・大江戸線「清澄白河」駅、大江戸線「森下」駅、徒歩4分
住所📮 東京都江東区高橋14-25 高橋Yビル1F
コラボ相手👨‍🍳hatomameさん(浅草にある「ペリカン」出身のパン職人さん🍞)


▼9/16(土)14:00〜17:00@阿佐ヶ谷
シェアキッチン🍰FOOCO(フーコ)
最寄駅🚃中央・総武線「阿佐ヶ谷」駅、徒歩3分
住所📮東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-36-1
コラボ相手👩‍🍳ERI ORDER MADE CAKEさん(9月でFOOCO出店一周年✨)


▼9/28(木)12:00〜17:00@人形町
シェアキッチン🍰菓子河岸(かしかし)
最寄駅🚃都営浅草線・日比谷線「人形町」駅、徒歩4分or半蔵門線「水天宮」駅、徒歩3分
住所📮東京都中央区日本橋人形町2-15-6
コラボ相手👩‍🍳 Riz Lie Amandeさん
(小麦アレルギーのパティシエさんで、米粉の達人🌾)

10月は神田JITAで、ひとりで営業します。

▼10/4(水)、11(土)、18(水)、30(月)
シェアキッチン🍰神田JITA(ジタ)
最寄駅🚃 神田(JR山手線・中央線・京浜東北線、銀座線・徒歩4分)/新日本橋駅(JR総武線・徒歩4分)/小伝馬町(日比谷線・徒歩6分)/岩本町(新宿線・徒歩6分)/三越前(銀座線・徒歩7分)
住所📮 東京都千代田区神田西福田町4-5

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ご来店、お待ちしております。
Instagramもフォローしてね。(宣伝)


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