伝統工芸ライター

日本の伝統文化と伝統工芸好き。 ✏️2000字以内、3分で読める工芸品コラム執筆 ✏️工芸…

伝統工芸ライター

日本の伝統文化と伝統工芸好き。 ✏️2000字以内、3分で読める工芸品コラム執筆 ✏️工芸品を軸に伝統文化産業にまつわることを執筆 ✏️工芸品27都道府県45品目をコレクション 産地に赴き見て感じたこと、職人さんに話を聞いたものをA4.2枚、2000文字以内で記事にまとめています。

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自己紹介〜あなたは何者?(コラム風)〜

✏️着物・茶道・金継ぎを嗜む ✏️日本全国24都道府県・40品目の工芸品をコレクション(令和5年10月時点) ✏️5分で読める工芸品コラムを執筆 この男はいったい何者なのか。 なぜ職人でも伝統産業従事者でもない者が日本の伝統文化・工芸についての活動をしているのか。 衰退の一途をたどる日本の伝統文化。 その日本の伝統文化・工芸に魅了された男。 現地に訪れ、職人に話を聞き、自ら触れる中でますます深くはまり込んでいく。 その一方で、伝統産業に従事する者のリアルな声、目の当たりに

    • 世界に誇る日本の文化〜盆栽の魅力にせまる〜

      世界に誇る日本の伝統文化である盆栽。 世界でもBONSAIとして通じる言葉となっている。その人気ぶりは日本国内よりも世界での方が熱狂的だそうだ。 世界的人気に火をつける大きなきっかけとなったのが1970年に開催された日本万博博覧会だといわれている。 2017年に埼玉県で行われた『世界盆栽大会』には40か国約4万5千人が参加、300点を超える作品が展示された。 なぜ世界的な人気を得ているのか。 今回はその盆栽の魅力に迫る。 盆栽界一の巨匠、小林國雄氏が手掛ける 春花園

      • 着物を着ることで身に付くこと

        得てして着物は不便である。 動きづらい、着るタイミングがない、何より高いので自分で買うには敷居が高く、保管も神経を使うので扱いづらい。 着る側としては日常を送るには非合理だろう。 それでも着物には一定の人気がある。 世界の方々からも称賛される。 魅力は見た目だけなのだろうか。 いや、そんなことはない。私は合理的に得られるモノもあると感じている。 今回は着物を着ることで身に付くことを考えてみる。 <着物の力>着物は洋服と違い気軽に洗濯することができない。そのため汚れ

        • 産地に行く価値〜一次情報=五感で得られる情報〜

          情報には一次情報や二次情報、それ以下の情報がある。 一次情報とは、本人の体験や調査など直接見聞きして五感で得た情報である。 二次情報とは、インターネットや本など誰かが発信し、誰かを介して得られた情報である。 どちらに価値があるのか。 それは一概には言えず、目的によって選び取ることが重要である。 そのうえで、本記事は伝統産業における一次情報の大切さに触れていく。 <一次情報と二次情報の信頼性>現代はインターネットによって、誰しもが得たい情報を広い範囲で得られるようになっ

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        自己紹介〜あなたは何者?(コラム風)〜

          感性思考からみる着物を着る魅力

          着物は日本の民族衣装である。 日本人のアイデンティティを示す衣装である。 それでいて、日本人の纏う雰囲気の魅力を何倍にも引き上げる衣装となっている。 観光地はさておき、街で着物の人を見かけるとついつい目で追ってしまった経験はないだろうか。(かくいう私は観光地でもよくしてしまう経験であるが) また、普段はただ仲の良い友人と思っていた異性の着物姿がとてもとても魅力的で、そこから意識してしまうということもあるだろう。 ゲレンデ効果はいつの時代も雪山が起こすドラマである。しかし着物

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          産地を訪ねて④~日本最古のあおぐ団扇・奈良団扇~

          日本に団扇が伝来したのは1250年前の奈良時代。中国から春日大社に入ってきた『禰宜(ねぎ)団扇』がはじまりだとされている。 当時はあおぐものではなかった。顔を隠したり虫を払ったり持つだけの用途であり、特別な人だけが持つことが許された。神職や権威の象徴とされていたのだ。(武田信玄が持っている像や、現代であれば相撲の行司さんが持つ軍配団扇がイメージしやすいのではないか)庶民が使えるようになったのは江戸時代末期。1000年以上の時を経て誰しもが知る現代の団扇の形になった。 団扇をは

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          ~伝統工芸品に触れる=心と感性を豊かにする~

          私は自分自身で工芸品を使うだけでなく、プレゼントにもよく工芸品を選ぶ。 今までに差し上げた工芸品プレゼントは数知れず、いつからか友人界隈で『私=工芸品の人』になっている(笑)ので、よくいただくようになってきた。(とてもありがたい) 友人は工芸品の特別感と、なによりその意味合いに大変感動していただける。 工芸品好きな人が工芸品好きと公言することで、結果、工芸品に触れる人が増えていくことを身をもって実感している。 では今なぜ、伝統工芸品に注目しているのか。伝統工芸品の何が魅力な

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          産地を訪ねて③〜日本三大紬の一つ、信州上田紬〜

          鹿児島県の大島紬、茨城県の結城紬は着物好きな人であれば一度は聞いたことがあるだろう。その結城紬が衰退し消滅してしまいそうな危機を救ったのが上田紬の職人さんだという。 江戸時代、この二つの紬とともに上田紬を加えて日本三大紬と言われていた。 <歴史と特徴>養蚕業が盛んであった上田市。その養蚕とともに三百有余年の歴史を誇る信州上田紬。農家の自家用として織られていた紬がはじまりとされている。 別称を『三裏縞(みうらじま)』といい、裏地を3回取り替えられるほどに強い。真田家に縁を持ち

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          産地を訪ねて②〜北海道伝統の焼き物・こぶ志焼〜

          <歴史と特徴>北海道にも長く伝統のある焼き物が存在する。 北海道で現存する最も古い窯、それが『こぶ志窯』である。 1946年に初代、山岡三秋が創窯。二代目の景、三代目の千秋と75年間もの間受け継がれている。 全国的な窯元では珍しく、器を作る土の選定、釉薬(ゆうやく)作りから窯の整備、焼きまですべてを一貫して行っている。 名前の由来は、初窯を焚いた時に桜とともに北国に春の到来を告げる辛夷(こぶし)が咲いていたことから『こぶ志窯』とした。現在は『こぶ志焼』となる。こだわりは『北海

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          産地を訪ねて①〜大分県幻の焼き物・臼杵焼〜

          ~大分県・幻の工芸品臼杵焼~今から約200年前、大分県臼杵藩でのこと。 わずか十数年という限られた期間のみ作られ、衰退し消えていってしまった幻の焼き物がある。 一度は途絶えたその焼き物。 数少ない手がかりをもとに現代の暮らしに合った形でよみがえらせた者たちがいる。 とてもシンプルなそのデザインは料理を盛り付けることで完成する。器がメインではなく料理をメインとし主役を引き立たせるための器。 それが幻の『臼杵焼』。 今回、復活を遂げたその工房へ製作体験に伺ってきました。 <歴史

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